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AIに奪われない仕事に気付く夜|コマいぬ怪談 朗読「牡丹燈篭」in 陸前高田市・熊谷珈琲店

AIの発展に恐怖する感情が薄っすら薄っすらと人々の心の内に蔓延り続ける昨今、AIに浸食されない領域とは何かを想い悩み、思考を巡らせる機会は増えている。

そんな折、2025年9月5日、岩手県陸前高田市の熊谷珈琲店で行われた「ブックランドさんりく」参加企画、コマいぬ怪談 朗読「牡丹燈篭」は、奇しくもそうした思考に一つの答えめいたものを浮かばせる機会となった。


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AIに取って代わられないものを知った夜|コマいぬ怪談 朗読「牡丹燈篭」in 熊谷珈琲店|陸前高田市

陸前高田市の熊谷珈琲店で開催されたコマいぬ怪談 朗読「牡丹燈篭」は、2025年9月6日・9月7日の二日間にわたって開催されるイベント「ブックランドさんりく」の前夜祭のような企画だった。

コマいぬ怪談 朗読「牡丹燈篭」では、文字通り朗読が行われている。仙台スクールオブミュージック&ダンス専門学校講師の芝原弘氏と岩手県を拠点に作品発表・製作・美術スタッフ・俳優などを行っている濱口芽氏の2人が、声と表情、演出によって「牡丹燈篭」の世界を表現した。

活字で描かれた世界が、現実の人間を介しておどろおどろしさを増し、聴衆の前に顕現することで、物語を読み取ることでしか感じられなかった紙の中の出来事が、現実に昇華させられる様は、驚きを通して恐怖を感じさせるほどに鮮烈であった。

音と耳で感じる読書体験は、まるで日常から切り取られた異なる世界で時間を過ごすようであり、また人間による表現の可能性を感じさせられる時間だった。声と表情、そして音で表現された物語に触れれば触れるほど、AIによって代替できないものとはまさにこうした表現でないかと思わせられる。

つまり体温の通う表現である。生きた生物と機械仕掛けのAIでは、同じ発出する音声でも、また同じ出力される表現でも、やはり生み出される世界の色彩や温度感が全く異なる。機械仕掛けの体を手に入れれば、恐らくAIでも人体同様の動きは出せるようになるだろう。

しかしながら、微細に移り変わる感情や体温を乗せた表現は、間違いなくできないだろうし、同じ肉体を持っているからこそ感動を覚える聴衆に同等の感動を与えることも難しいだろう。その意味で、やはり生きている人間とAIは明確に違うのだと思わせる。

昨今、様々な都合や事情によって、モデルや声優、演者や演出さえもAIに切り替えられていっているけれど、恐らく本質的な意味でそうしたパフォーマンス主体たる人間がAIに取って代わられることはないのではないかと考える。

なぜならば、結局のところ、人間は人間によってしか得られないものを本能的に求め、人間によってしか本来的な感動を覚えることが難しい。AIによって世界は進むどころか、巻き戻っていくのでないか。コマいぬ怪談 朗読「牡丹燈篭」は、そんなことを考えさせられる時間になった。

写真で見るコマいぬ怪談 朗読「牡丹燈篭」in 熊谷珈琲店|岩手県陸前高田市

熊谷珈琲店の看板 ver.宵闇
熊谷珈琲店
熊谷珈琲店:店内 ver.コマいぬ怪談 朗読「牡丹燈篭」
コマいぬ怪談 朗読「牡丹燈篭」チラシ
朗読劇:芝原弘氏
朗読劇:芝原弘氏 & 濱口芽氏
朗読劇:芝原弘氏 behind 濱口芽氏
朗読劇:芝原弘氏 behind 濱口芽氏
朗読劇:終幕
陸前高田市夜景
陸前高田市夜景

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