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【AIマスター編・第2話】「うちのやり方」は、お手本を何十個も見せて教える

Part 1 Copilotの正体(2/5)|完全無料

前回の答え合わせ

前回、こう聞いた。

Copilotに「うちのやり方」を教えるとしたら、何を渡しますか。
①言葉で説明する ②先月の議事録をそのまま見せる ③どちらでもない

答えは②に近い。実物を見せるのは正しい。だが、"1個"では足りなかった。

私は最初、①をやった。「うちの議事録は、まず開催概要を書いて、次に報告事項を項目ごとに並べて……」と、言葉で一生懸命に説明した。

うまくいかなかった。 当たり前だ。新人に電話口で書式を説明して、正確に再現してもらえるだろうか。無理だろう。見せた方が早い。

では、先月の議事録を1個見せればいいのか。——やってみた。少し良くなった。だが、まだ"惜しい"。

たまたま先月の議事録が、いつもと少し違う調子だと、AIはその1個の癖まで、真似てしまう。1個だと、その1個に引きずられる。

答えは、もう一歩、先にあった。


何十個も、まとめて見せたら、別人のように変わった

行き詰まって、ふと思った。

「そもそも"うちの議事録らしさ"は、言葉で説明できるのか?」

書く順番、まとめ方、載せる項目、力の入れどころ。——こんなものを、いくら言葉で並べても、伝わりきらない。"らしさ"とは、そういうものだ。

そこで、言葉で説明するのを、いったんあきらめた。かわりに、こうした。

過去に自分が手で仕上げた"良い出来"の議事録を、1個や2個でなく、まとめて全部、Copilotに見せた。

数えたら、何十個もあった(私の場合、ある帳票では57個たまっていた)。それを、お手本として渡した。

「これが、うちの議事録です。この"感じ"に、そろえてください」。

——結果は、おどろきだった。

Copilotが、別人のように変わった。

言葉で「うちのやり方で」と100回頼んでも届かなかった、あの"感じ"。それを、何十個ものお手本から、するっとつかんだ。かたい教科書的な議事録が消えて、うちの調子に、そろってきた。

AIは、説明されるより、実物を"真似る"方が、ずっと得意だったのだ。


なぜ、1個でなく"たくさん"なのか

考えてみれば、人も同じだ。

「良い挨拶をしなさい」と言葉で言われるより、先輩の良い挨拶を、何度も見る方が、身につく。しかも、1人の先輩だけを見ると、その人の癖まで真似てしまう。何人もの良い挨拶を見て、はじめて"共通する良さ"が分かる。

お手本も同じだった。

  • お手本が1個だと、AIはその1個に寄りすぎる。たまたまの癖を"正解"だと思ってしまう

  • お手本が何十個あると、AIはその全部から、"共通している調子"をつかむ。1個1個のブレが打ち消され、"うちらしさ"の輪郭が、くっきりする

お手本は、「良いものを、たくさん」。 数が、らしさの輪郭を、はっきりさせる。

これも、新人と同じだ。「うちのやり方だ」を、言葉で語るのでなく、良い実物を、たくさん見せる。 それだけのことだった。


型:「うちのやり方」は、良いお手本を"複数"見せて教える

  1. 言葉で説明しようとしない。実物を見せる。 「順番は〜」と説明するより、良い実物を渡す方が速い

  2. 1個でなく、"良いものを複数"渡す。 1個だと、その癖に引きずられる。多いほど、共通の型が伝わる(3個でも10個でも、多いほどいい)

  3. 「内容でなく、"調子・型"を真似て」とはっきり言う。 個々の中身に引きずられるのを防ぐ

  4. お手本は、日ごろから"良い実物"をためておく。 わざわざ作らない。過去に自分が手で仕上げた良い出来のものを、1か所にためる。それがそのまま、お手本の山になる

渡すものがない場合

前例がまったくない仕事なら、まず自分で何個か作る。 それが次からのお手本になる。最初は手間だが、その分、2回目以降が楽になる。

📊判断ポイント

| 場面 | やること |
|---|---|
| 形式を言葉で説明したくなったとき | 説明をやめて、実物を見せる |
| 実物を1個だけ見せたのに"惜しい"とき | 良いお手本を、複数(できれば何個も)渡す |
| お手本を渡すとき | 「内容でなく、調子・型を真似て」と指定する |
| 普段から | 良い出来の実物を、1か所にためておく(次のお手本になる) |
| 出てきたものを見るとき | "うちの調子"に、そろっているか |

📋チェックリスト(今日から使える)

  • [ ] 形式を言葉で説明しようとしていないか(実物を見せる方が速い)

  • [ ] お手本は1個でなく、複数渡したか(1個だと引きずられる)

  • [ ] 渡したお手本は、**人が仕上げた"良い出来"**のものか(悪い例を混ぜない)

  • [ ] 「内容でなく、調子・型を真似て」と伝えたか

  • [ ] 良い実物を、次回のためにためておく仕組みがあるか

📝応用問題

今回も一つ考えてみてほしい。

あなたが良いお手本を何個も渡して、AIに議事録を作らせたとする。出てきたものを見て、最初に確認すべきなのは次のどれか。

  • ①文章の中身が正しいか

  • ②日付や数字が今月のものに変わっているか

  • ③そもそも自分が頼んだとおりの形になっているか

私は、この確認を怠って大失敗した。 ある月、AIは「できました、確認もしました」と報告してきた。だが実際には——

答えは次回の冒頭に書く。先に自分の答えを決めておいてほしい。

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