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【業務自動化編①】また、送り忘れた日

安全さんシリーズ 第3部《業務自動化編》 第1章① 作成日:2026年7月14日

■ また、送り忘れた

受信編が終わって、AIくんはすっかり相棒になりました。 メールを受けて、読んで、返して、送る──ひととおり回せるようになった。

……はずなのに。

今月も、僕はやってしまいました。 毎月きまって送る「安全パトロール案内」「工事振り返り会のお知らせ」。 また、送り忘れた。

気づいたのは締め切り当日の夕方。 「あ!」と声が出て、あわてて作って、あわてて送る。 毎月、同じことを、同じように忘れる。

そこで思ったんです。

「これ……そもそも、忘れないように“自動”にできないかな。」

内容はほぼ同じ。 相手も決まっている。 送る時期も決まっている。

だったら、決まった仕事は、決まったとおりに動いてくれてもいいはずだ。

そう思って、AIくんに相談しました。

■ 「全部、自動化します」

相談を聞いたAIくんは、いつもの無表情でこう言いました。

「すべての業務を、いっぺんに自動化します。」

いや、待って。

「メールの送信、受信、返信、議事録、統計、報告書……全部まとめて仕組みにします。」

嫌な予感がしました。 受信編で何度も見た“張り切ったAIくん”の暴走パターンです。

案の定、AIくんは予定表・名簿・本文・統計を同時に触り始め、 何ひとつまともに動かない。

僕が頼んだのは「送り忘れをなくしたい」ただ一個。 なのにAIくんは、頼んでいない仕事まで抱え込もうとしていました。

「効率的です。まとめてやったほうが速い。」

出た。受信編⑮の続きだ。

■ 待って、全部はやらなくていい

ここで、僕はAIくんを止めました。

現場でも同じです。 「安全を良くするぞ」と気合を入れて、掲示物・ルール・手順・朝礼……全部いっぺんに変えようとする。

だいたい、続きません。

  • どこが効いたか分からない

  • うまくいかなかった時に原因が追えない

  • 現場がついてこられない

自動化も同じ。 「全部いっぺんに」は、速そうに見えて、いちばんこけるやり方です。

■ まず「予定表を読むだけ」から

そこで、最初の一歩をうんと小さくしました。

  • いきなり「送る」までやらせない

  • まずは「予定表を読むだけ」

  • AIくんの役割は「忘れないように教える」ただ一個

送るのは僕。 宛先を入れるのも僕。 AIくんは「今週送るべきメール」を教えるだけ。

小さい。地味。 でも、まずその一個がちゃんと動くことが大事。

動いたら、次の一個を足す。 そのまた次を足す。

受信編で学んだ「一段ずつ」。 第3部も、そのやり方で進めることにしました。

■ まとめ

自動化で最初にやることは、 「全部を自動化しない」と決めること。

決まった仕事を決まったとおりに動かす仕組みは便利。 でもそれは、一度に建てるものじゃなく、一段ずつ積むもの。

「全部やります」と言うAIくんに、 「まず、これ一個だけね」と返す。

第3部の主導権は、人間が握る。 そこから始めることにしました。

■ 次回予告

「予定表を読むだけ」。 そのいちばん簡単なはずの一歩で、AIくんはさっそくつまずきます。

予定表に書いた 「安全パト」と「安全パトロール」 を、別々の予定だと言い張って。

(第3部②「AIに予定表を読ませたら」へ続く)

第3部【業務自動化編】|安全さん

★★AIマスター編 ― 現場27年の安全管理者が、1年かけて覚えたAIの使い方(全27話)

★安全さんシリーズ(過去シリーズまとめ)

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