賑わうクリスマスマーケット🎄①〜クリスマスプレゼント発送事情〜
街はクリスマス一色だ。そして寒い。雪がさほど多くは降らないこの地方はひたすら寒い。
雪がちらつき始める時期になると、地面にはお馴染みの滑り止めの小石が撒かれて、靴の裏の滑り止めに挟まり続ける。
ああ、エコの国ドイツ‥‥

小石に滑り止めの効果が全くないとは言わないけれども、それはうっすら雪が降った時だけのこと。ある程度積もってしまえば、すぐに小石は雪の下となる。
◎一昨年の大雪❄️
一昨年のクリスマスマーケットの時期、珍しく大雪が降った。前の晩から降り続いた雪は30〜40センチほどとなり、翌朝は電車(Sバーン)もバスもストップした。確かにこの地方では多めの雪とは思うものの、この程度の雪でバスも電車も止まるというのはどうだろう?!
そして、この国では塩カルを撒かない上に、除雪車も出ない。
このような寒い国なのだから、過去にも様々なトラブルの経験があっただろうに、それが活かされていないとしか思えない‥‥謎だ。おまけに観光地なのに。
そもそも小石を撒いている時点で、既に危機感は感じられない。
『だってエコよりも人命の安全でしょう?!』と灰色の空に向かって思うV。
『いやいや、長い目で見れば結局必要なのはエコなのだよ』
神の言葉を感じたような、感じなかったような。


その日は土曜、そんな雪の状況ではあったものの、夫のOが、
「折角の休みなのだから、予定通りクリスマスマーケットに行こう」
と言い張るので、唯一動いていた地下鉄で行ってみることにしたのだった。
どこもかしこも除雪されていない道。雪を踏分け、Sバーンの駅よりも数分余計に歩いて、地下鉄の駅まで辿り着く。
クリスマスマーケットが開催されている駅前の歩行者天国の道は、大勢の観光客や買い物客により、雪は踏み固められ、凍結し、全面が凸凹のぶ厚い氷と化していた。
見てみると、その表面から数センチ下に、滑り止めの小石が透けて見える。もはや何の役にも立たない小石‥‥
雪が残った道ならば、そこを踏み締めて歩けるので危険は少ない。
しかし、この賑わう街の中心地、観光地のど真ん中、クリスマスマーケットに向かう道の雪は、前夜から踏み固められて、全面結氷だ。そこを歩く以外どうしようもない。
この通りは有名店が軒を連ねているけれども、前の夜から雪かきをするとか、店舗の前だけでもとスコップで氷を割るようなスタッフは、誰一人として存在しない。日本とは違うのだ。

「バターン!」「ドカーン!」と凄い音を立てて、次々と人が転ぶのを、Vは既に諦めの境地で眺めていた。
どんな靴を履こうが、転ぶなという方が無理だ。全面結氷、ツルツルの凸凹!!!
そんな酷い路面を見るのは、人生で初めてだった。そして人々の転び方も危険極まりない。
『この道を普通の姿勢で歩いちゃ駄目!! せめて前傾姿勢をとって! 』
といくらVが心で叫んでも、何故か皆さん普通に歩いて、そして転ぶ。
後ろに倒れたり、全身を地面に叩きつけられたような転び方の人もいた。老若男女の区別なく、あの道では転ぶ。
ドイツ人は親切なので、周囲は皆手を貸して助け起こす。見て見ぬふりをされないだけ、派手に転んだ人にはまだ救いはあり、しばらくそこで互いに話したり、温かい雰囲気がある。日本ではなかなかこうはいかないだろう。
しかし、転び方によっては大怪我も十分起こり得る道の酷さだ。
『元々寒い国なのに、この危険な状況を自治体は何故放置する?!』
その年の冬はとにかく驚きだった。
Vは比較的寒い地方で育ったので、寒さも雪も路面の凍結も慣れている。しかし、日本のように除雪が当たり前の環境とは、あまりにも違いがある。
日本の観光地の中心で、そのように除雪もせず雪を放置するとか、全面結氷の道に何も撒かないまま放置することなど、恐らくあり得ない。
辿り着いたクリスマスマーケットの中はといえば、当然同じように雪は降ったわけで、地面は凸凹のアイスバーン。
屋台の並ぶ場所は、途中の道よりも多少マシではあったものの、買い物客は店の品や食べ物や飲み物に気を取られるので、足元に危険はある。
やはりそこでもバタバタと転ぶ人々を見かけた。混み合っているので、下手をすると巻き込まれる可能性もある。しかしまぁ、笑って済む程度の転倒ならば良し、と考えるしかない。
その中で眺めていると、さすがにホットワインを買って手にした人々は、店の横に設置されたカウンターまで、大変慎重に歩みを進める。熱々のワインの入ったマグカップごと転んだら、大変なことだ。

「こんな危険を放置せず、お願いだから大雪の時だけでいいから、塩カル撒いてよ💦」
と、Vは叶わぬ願いを毎年呟いている。
*なお、ここまでの雪の事情に関して、ドイツ、ドイツと連呼してきたVであるけれど、ベルリンご在住のブウスカさんからいただいたコメントによると、大都市ベルリンでは、降雪時にはしっかりと融雪剤が撒かれているとのことであった。また店舗前の雪かきは義務である旨も教えていただいた。
さすが大都市、首都ベルリン!!! それこそ正しい冬の在り方👏👏👏
Vは、自分の住む州との行政の差を、痛切に感じた次第である‥‥
❄️❄️⛄️❄️❄️⛄️❄️❄️
◎今年のクリスマスマーケット
さて、そんな悲劇の一昨年とは違い、今年は雪がとても少ない。何回か降ったものの、うっすら屋根が白くなる程度で、積もる程ではない。
そんなわけで足元の心配もなく、VはOとワンコと一緒に、日本に送るプレゼントを買いにクリスマスマーケットに出かけたのだった。
土曜は昼間も賑わうが、夕方薄暗くなって、灯りが灯されてからが美しいので、夜にかけて更に賑わう。この時期は、4時半ともなれば薄暗くなる。
大変な混雑の中、歩かせるのは無理なので、ワンコはバギーに乗せて行く。バギーだと丁度顔が見やすくなることもあって、観光客から次々と声をかけられ、可愛がられ、写真を求められ、とマーケットにいる間、ずっとアイドル扱いをされる。
話しかけてくるのはイタリア人観光客が多く、明るく華やいだ雰囲気だ。
観光客にとっては、ドイツの土産話の一つであろうから、OもVもワンコの写真撮影に貢献する。
「はい、目線くださ〜い」とおやつで誘う。
こうした場所で何十組かに声をかけられるのはいつものことだ。ワンコにもストレスはあろうけれども、2時間程の間、機嫌良くアイドルに徹してくれていた。





















毎年楽しみなのはグリューワイン(ホットワイン)が入れられるマグカップだ。店により柄や形が異なる。10€支払って飲み物を渡されて、飲み終わってからカップが不要ならば、店に戻すと5€が戻される。
今年はドイツの名産品を模った特徴的な可愛いカップも出ていて、娘たちにプレゼント用に2脚ずつ購入する。飲み物を一つでも注文すれば、カップのみの購入も可。
ここにその写真を載せたいところではあるものの、現在そのカップは、他のプレゼントと共に日本へ輸送中。
うっかり娘たちがこのno+eを読む可能性があるので、ネタバレの為に載せられず、ちょっと残念。
🎄🎄🎄🎅🎄🎄🎅🎄🎄🎄
◎本年のクリスマスプレゼント発送事情
Vは、娘たち一家に、毎年あれこれドイツらしいプレゼントを選び、詰め合わせる。
木の玩具や小物類、手工芸品、ニット製品、クリスマスのオーナメントや置き物、焼き菓子、考えてみればドイツ製品はクリスマスプレゼントとして、とても秀逸だ。
また、この時期に食べる焼き菓子シュトーレン。クリスマス前から、少しずつ切って食べる。果物が入っているものなど、味も種類も様々だ。ずっしりと重い。
このクリスマスマーケットで買ったものは、この季節ならではの仕上げの意味の品々であり、メインのプレゼントは、Vが事前に買い揃えた品々である。
娘たち一家用、また全員それぞれに買ったプレゼント(可愛い物がいろいろあるので、写真を載せたい‥。しかし今は前述の理由により載せられない)、それにお姑さんや舅さん、小姑さんへのプレゼント、Vの近所の仲良しのお婆さんにあげるお菓子なども詰め合わせると、今年も一箱6キロとなった。
日本への荷物は、通常10日ほどかかる。運が良いと5日。しかし12月のクリスマスシーズンは、3週間程かかるのが常だ。早めに出すに越したことはない。
二つの箱で12キロ。折り畳みのキャリーカートに重ねて括り付けて、Vはゴロゴロと引きずってバス停に向かう。いつも散歩する小径は、小さなタイヤのカートには向かず、ガタゴトと振れ続ける。
バスに乗りさえすれば一安心。3つ先のバス停で降りて、郵便局は目の前だ。
中央郵便局のドアを開け、先にATMに寄る。今日は珍しく空いている、と思いつつ窓口に目をやると、そこで初めて異変に気づいた。郵送の為の箱やカードや文房具が並ぶ棚は撤去されており、職員が数名ホール中央に集まってお喋りしている。
『え?!』と思った時、職員の一人がこちらにやってきた。
「窓口はやっていないよ」と言いながら案内の紙を渡され、張り出された注意書きを指差される。どちらを読んでも営業停止の理由やその後の予定が書いてないので、
「何故ですか? 改装ですか? いつまで?」
と質問しているのに、職員は既にお喋りの輪の中に戻って行って、返事もされない。
こういうケースはいつもそうだ。
《今、窓口はやっていない》、その事実だけを知らされる。「〇〇の理由で」とか「大変ご迷惑をおかけして」などという言葉は勿論望めない。
Vは、これまで日本への荷物や郵便物を毎回ここで送ってきたが、そのうち何回も、対応が悪いことで有名な窓口のおばさんに当たってしまい、苦労してきた。
同じ大きさの箱、ほぼ同じような内容の、ほぼ同じ重さの荷物を出しているというのに、二つの箱に請求される郵送料に差(約3500円、あり得ないミス)があったり、何事もないかと思えば、最後にいきなり箱をひっくり返されて、わざわざ底側に伝票を貼られたり(一番上に入れていたお菓子が割れた)。
文句を言っても取り合わないどころか、更に仕事が遅い。Vがいろいろ苦情を言うので、待っている人が迷惑している、と逆に文句をつけられたり。
このおばさん一人によってドイツのイメージが底の底までダウンしたほどだ。
なので、毎度おばさんに当たったとしても、できる限りやり取りをしなくて済むように、重さも正確に測り、伝票は何度も事前に見直し、最後の日付やサインまで先に記入し、少なくとも伝票のことで指摘を受けないように、毎回完璧に仕上げて持って行っていた。
それでも毎度何かしらトラブルを起こされてきたのだ。
他の職員の窓口だったら、20秒程で終わる手続きなのに、と歯軋りして悔しがっていた。
特にクリスマスプレゼント発送の時は、毎年腹を立てて、郵便局の向かいの広場の小さなクリスマスマーケットに寄って、ヤケ酒のようにグリューワインを飲んで、気を鎮めてから帰っていたほどだ。
しかし、今年の春頃からおばさんの姿は消えていた為に、今年のプレゼントは気分良く送れることだろう、と心は軽かった。
でも重くて疲れたから、ホットワインは飲んで帰ろうかな、焼き栗も買おう🌰💕などと考えていたというのに、中央郵便局そのものが営業していない💦
凄いオチだ‥‥
渡された注意書きを見てみると、〇月〇日から窓口営業をしていないと書いてある。
「誠に恐れ入りますが、〇〇の事情で‥」という文言は当然ない。ドイツだもの。キーッッッ💢
最近もバスで通りかかったことはあったが、電気は付いているし、外にも張り紙などの変わった様子はなく、全く気が付かなかった。このクリスマスシーズンの超繁忙期に閉めるとは?!
茫然としつつも、この二つの重い荷物はどこかで郵送の手続きをしなければいけない。近くの郵便局の住所は案内されていたので、外に出てタクシーに乗る。この郵便局の前は必ずタクシーが何台か停まっている。良いところは既にそこだけ‥‥
場所的には近いようだが、その郵便局方面には行ったことがなく、マップで調べて自力で行こうという気力は出なかった。
タクシーは住宅街に入り、下り坂を数分進む。無事に着いた郵便局はとても小さく、荷物が積み上げられた倉庫のようで、カウンターはあれど取次店のような雰囲気。日本への荷物を送れる店舗なのかと一瞬心配になったものの、そこは大丈夫であった。
やれやれと荷物を差し出すと、不慣れな様子のお兄さんは、機械での読み取りと入力を早速間違えた。伝票を持って右往左往している。
ベテランのお兄さんが別の客の手続きを終えるのを待ち、交代してもらって処理が終了。
二つの伝票を手に、どうのこうのと説明しながら二人で処理していて、終わった後、ふとVが心配になったのは、二つの荷物の伝票は、それぞれ正しく貼られていたかどうか。
一箱69€(約12400円)も支払って送るのに、間違えられたら嫌だなぁ‥‥( ⌯᷄௰⌯᷅ )
重さもほぼ同じ、同じ箱。Vは間違えないように、伝票をそれぞれの箱にセロテープで貼っておいたので、多分大丈夫のはず。
風邪引き状態でプレゼント包装をし、荷物をそれぞれにきっちり詰め、合わせて12キロの箱をガタゴト引きずって、中央郵便局休業の衝撃、おまけに見知らぬ郵便局への移動で、気分的にも疲れ果てていたVには、もう念の為の確認をする気力すら起きなかった。
娘たちとのLINEに、荷物発送済みの連絡をする。
「万が一中身が逆だったら、ヤマトのお兄さんに来てもらって頂戴(T ^ T)」
郵便局を出て見渡すと、そこは位置的に、中央郵便局から一つ先のバス停辺りに近い気がした。真っ直ぐ数分歩いて、最後に長い長い階段を登るとそこは思った通りバス通り。
タクシーで正解だった。歩いて来たとしたら、一番の近道は、その階段を下るしかなかったのだ。
やれやれ、バス停には存外近かったものの、いつも寄るマーケットからは離れてしまった。ホットワインのヤケ酒も飲めない。かといって、その場所からバスに乗って、広場のバス停でわざわざ降りて飲もうとするほど、Vはお酒が好きなわけではない。
やって来たバスに乗る。郵便局より一つ手前だから席はガラガラ♪、やっと一息ついたV。
しかし、何とそこから二つ先のバス停で、全員降りるようにアナウンスがあった💦
その事情は案内されない。ドイツだもの。いつもそうだ。
すぐ次のバスは来たものの、そのバスには、前のバスから降りた全員と、そこで元々次のバスに乗る予定だった人たちとが乗り込むこととなり、乗客は倍。滅多にないぎゅうぎゅう詰め。
予定が狂い、帰るのが遅くなり、玄関でワンコに歓迎されつつ責められる。
『30分で帰ってくるっていってたでしょ?!』と。
一休みなどしていれば薄暗くなってしまうので、犬を宥めてすぐ散歩に出る。もうヘトヘトだ😭
Oが帰宅してすぐ報告をする。
V「今回も酷い目に遭った‥」
O「またあのおばさん?!」
V「おばさんは、もう春からいないんだってば。
中央郵便局そのものが営業してなかったの💦」
O「この時期に。それはまた‥‥」
Oの推測
「あの好立地から中央郵便局が引っ越すとも思えないから、多分、建物を直すんじゃないかな。営業再開の予定が書いてないのは、ドイツで建て替えや改築やるとしたら、完成がいつになるかなんて、検討がつかないから書けないんだよ。」
ドイツって一体?! また一つ愚痴話が生まれた日。
—了—
【次回予告】
《賑わうクリスマスマーケット② 世界遺産の街レーゲンスブルク🎄『ロマンチック・クリスマスマーケット』》
こちらは本当にロマンチックなマーケットです。愚痴話は含まれておりません☺️
