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立ち止まり、ディグり、持ち帰り、飾る──銀座 伊東屋でつくり出したアートの導線

Rotten Donuts - Digging your scene - at GINZA ITOYA

2026年5月1日〜14日、銀座 伊東屋 本店 G.Itoyaにて「Rotten Donuts - Digging your scene - at GINZA ITOYA」を開催しました。今回はそのレポートをお届けします。

創作活動と切っても切り離せない場所である “ステイショナリーの聖地” 銀座 伊東屋を舞台に、作品を“買う”だけではなく、立ち止まり、ディグり、持ち帰り、飾るその一連の体験をしていただける空間を目指しました。

このイベントでは、vision track エージェント・村山ゆかりによるレーベル「PROVOKE」、そして同じくエージェント・井手美沙音による新レーベル「frequency」が展開。

「PROVOKE」からは、“銀座”という街をテーマにした「GINZA Private by PROVOKE」を販売。エージェント自らが声をかけた17名のイラストレーターとともに作品作りに伴走。

「frequency」では、北林みなみ・山崎真理子による展示『Letters in Between あのひとの周波数』を開催し、作品展示に加え、二人のやりとりを往復書簡の形で発表しました。

私たちがエージェントとしていつも大切にしている、作り手の創造力を広げること、単なる作品販売ではなく、作り手の文脈とアートを買う人の「好き」を結びつけることを起点にイベントを作り上げていきました。


ART Digging

まるでレコードを掘るように、アートピースを “ディグる”。大量の作品の中から、自分だけの一枚を探していく没入感のある体験は、ART Digging の大きな特徴です。


GINZA Private by PROVOKE

“銀座”という街から生まれる感覚や視点をテーマにした「GINZA Private」。観光地としての銀座ではなく、その街に流れる空気や記憶、匿名性や私的感覚を、複数のクリエイターによる作品として展開しました。

「PROVOKE」のテーマは、作り手の衝動や「やってみたい」という気持ちを起点に、新たな表現を引き出すこと。エージェントが自らお声がけしたイラストレーターとともに、それぞれと対話した上で作品作りに伴走しています。

銀座の思い出の場所を描く人もいれば、銀座に漂う空気を描く人もいる。ひとつのテーマからこれほど多様な表現が生まれたことは、PROVOKEという試みの面白さを改めて感じさせてくれました。会期中は多くの作品が来場者のもとへ渡り、作家たちの新たな挑戦に対する確かな反響を感じる機会となりました。

それぞれの視点で描かれたアーティストの作品
YUKI UEBO「I LOVE GINZA ITOYA #1」
黒木仁史「ファッショニスタ」
IONA「Capturing Ginza Lights」
中尾正風「Untitled #02」

Letters in Between あのひとの周波数 by frequency

北林みなみ、山崎真理子による特別企画展。

異なる背景や視点を持つ二人の作品には、静かな感覚や記憶、言葉にならない感情が流れています。誰かが「美しい」と感じた瞬間をそっと覗き見て、「私もそう思っていた」と心の中でうなずくこと。それはまるで、ふと無線の周波数が合うような体験です。

本展示では作品展示に加え、作家同士による往復書簡を収録したフリーペーパーも制作しました。作品だけでは見えてこない考えや感覚の重なりを、言葉を通して辿ることができる内容となっています。フリーペーパーはA2ポスターとしても楽しめる仕様とし、会期中には多くの方に持ち帰っていただきました。

海外からの来場者も多く、日本の風景や個人的な記憶から生まれた作品に足を止める姿も見られました。作品と言葉を通して、それぞれが大切にしている感覚や記憶に触れ、自分自身の「周波数」に耳を澄ませるような展示となりました。

北林みなみの作品
山崎真理子の作品
額装作品はK.itoya (別館)の額装サービスとコラボレーション
その模様をご紹介する記事はこちら

Agent’s Comment

村山ゆかり(vision track)
Rotten DonutsでPROVOKEレーベルとして「Private」シリーズで参加するのも、今回で早くも3回目となりました。
今回の「GINZA Private」でも、単に“銀座を描く”のではなく、それぞれのアーティストの中にある記憶や違和感、個人的な原体験のようなものを起点に作品制作をお願いしました。同じテーマで描いていても、ここまで異なる視点や空気感が立ち上がることに、毎回アーティストの表現の面白さを感じています。
PROVOKEレーベルでは、ただのキュレーションだけではなく、そこにエージェントが介入することで起こる化学反応のようなものも面白さだと思います。アーティストの個人的な記憶や衝動がかたちになり、それがイベントに訪れた方それぞれの原風景に触れていく。
その瞬間に立ち会えることに、毎回心震わせられます。


井手美沙音(vision track)
銀座・伊東屋という歴史と文化が息づく場所で、イラストレーションやアートをどのように届けられるのかに奮闘した展示でした。
海外の来場者の方が作品を購入してくださったり、フリーペーパーを持ち帰った方が実際に部屋に飾ってくださっていたり、想像以上に多くの反応をいただくことができました。
今後も、エージェントだからこそできるストーリーの創出や場づくりを模索していきたいと思います。

Credits

Produce:ubies Inc. / vision track Inc.
Curation:ubies Inc. / vision track Inc.
Design:植田正
Photo:稲垣謙一

テキスト:井手(vision track)

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