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自分の所有するホテルに“整えるサウナ”をつくってみた

前回は、「いつか自分が泊まりたいホテルをつくる」という私の思いが形になった話をしました。

私がホテル経営に乗り出したのは、「せっかくの滞在、旅行だからホテルでリラックスしたい」「でも、ビジネスホテルは寝るだけで、ラグジュアリーホテルはトゥーマッチ」というところにニーズがあるのではないかという気づきからでした。

“過ごしやすさ”の正体

「ビジネスホテルはただ寝る箱になりがち」という違和感を解消するためにこだわったのが、“落ち着いた空間づくり”でした。

もともと私たちが手がけるブランド買取専門店『なんぼや』やプレオウンド・ブランドショップ『ALLU』の店舗は、それまでの業界の常識を覆し、ラウンジのような雰囲気でリユースの体験を変えたと言われてきました。

リユース業を営む身として、ヴィンテージや価値のあるモノを見極める目を養ってきたこともあり、落ち着いた空間、ラグジュアリーな空間づくりには個人的にもこだわりがあります。

今回、「CINQS HOTEL(サンクスホテル)」建設に当たっては、建物の面でいくつかのこだわりがありました。

外観は、都会的な無機質な素材と、木の温もりを取り入れた自然と調和するデザイン。内装も、木の質感を生かした落ち着いた雰囲気を重視しました。

インスタでイメージを共有

「どこまで関わっているんですか?」
と聞かれることもありますが、実は壁材・タイル・家具の細部に至るまで、「こう見せたい」というこだわりをかなり発揮しています。


もちろん専門的な知識はスペシャリストにお任せですが、私は徹底的にビジュアル先行で、インスタで集めた海外ホテルの写真から好きなテイストや造形を山ほどデザイナーに渡してイメージを共有したのです。

言葉で説明するよりも、ビジュアルで説明する方が早いのは当たり前で、それをピックアップして、オンラインで簡単に共有できるのですから、良い時代になったものです。

「提案と理想のズレ」はほぼありませんでした。
仕上がったホテルの室内は、柔らかい間接照明、無垢材の温もり、エントランスをはじめ各所に飾られたアートも含めて、「明らかにビジネスホテル感はない」とご好評をいただいています。

客室に関しては機能性を重視しながら、ミニマルな美しさにこだわりました。

リゾート地のラグジュアリーホテルとは違い、客室の広さにも限りがあります。その中で、ストレスのない動線や設備の使い勝手にも気を配りました。

サウナは自分のこだわりを詰め込んで

最上階の2部屋、『SIGNATURE SAUNA ROOMS』は完全に私の趣味で、サウナにこだわりました。

サウナーと自称できるほど詳しいわけではありませんが、詳しい人に聞いたり連れて行ってもらったりしながら、国内のいろいろなサウナをめぐってきました。その中でも、“癒やし”をテーマにホテルのサイズ感にもマッチしたサウナと水風呂を設えました。


特にこだわったのは、洞窟のような内壁と、柔らかい光が漏れてくるような照明です。リラックスには適切な照度がありますが、間接照明で照度を落とすことで、短い時間でも深いリラックスができるように配慮しました。

大きなサウナ施設で素晴らしいところはたくさんありますが、一人か二人で使うならどうあるべきか。最低限の機能として何が必要か。
セルフロウリュ対応のストーブや、水温を低温に保つチラー付きの水風呂などにもこだわりました。

ラグジュアリーホテルに泊まりながら“整う”体験ができるのは、私自身が「出張先で頭を空っぽにしたい」と切望してきたご褒美でもあります。ゲストへの認識、浸透度はまだこれからですが、「予約が埋まっていないのも自分が使えるから良いかも」と思えるくらいの仕上がりになりました。

「人」の力なしに、ホテル経営は成り立たない

こうしてこだわりの建物、つまりハードの部分は整いました。
しかしそのハードを生かすのは、結局“人”です。

幸運だったのは、経営の先輩でもある父がすでにホテル運営を行っていたことでした。同業他社同様、コロナ禍ではずいぶん苦労したようですが、もう何年も数百室規模のビジネスホテル群を経営している実績がありました。

ホスピタリティに関しては、インバウンド対応も含め、スタッフに左右される部分が大きいのはみなさんもご存じの通りですが、経験のある父の会社にこの部分をアウトソースできたこと、外国人客を含む他言語での接客のノウハウをもったスタッフをすぐに揃えられたことは、事業成功の確信につながりました。

“おもてなし”は、日本が世界に誇る文化と言われますが、そうした伝統とは別に、日本基準の清潔さ、勤勉さ、ホスピタリティは世界にも誇れるものです。

文化の違いを超えて“感謝が循環する場所”をつくることが、4月に無事オープンを迎えたサンクスホテルの目指すところです。

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