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『喝采』 執筆後記 御巣鷹への想いと残された者の生き様

初めての投稿に温かな「スキ」をいただきました。
本当にありがとうございます。
物語の余韻が冷めぬうちに、書き手としての「舞台裏」を少しだけお話しさせてください。

物語の舞台は昭和後半。
バブルの足音が聞こえ始めた時代です。
当時は女性の社会進出にはまだ高い壁がありました。主人公・響子を「自立」「強気」な女性として際立たせるために、「起業への野望」という脚色を加えました。
響子=作者。
当時の私を知る友人からは
「アンタ、若い頃そんなこと考えてたの?」
と驚かれましたが、実際の私は次の給料日で何を買おうか楽しみにしている、ごく普通の会社員でした。
(起業のキの字も考えていなかった!)
響子の設定以外は、すべて私の実体験です。
山頂の小屋で起きた「拍手喝采」――。
信じていただけないかもしれませんが、あの日、私は確かにあの音を聞き(感じ)、温かな光に包まれました。
私には特別な能力などありません。
けれど、あの瞬間の「怖さのまったくない、圧倒的な歓迎」だけは、40年経った今も、肌が覚えているのです。

多くの方から
「響子のその後が書かれていないが……」というご質問をいただきました。
響子は起業したのか?
成功したのか?
さて、皆さんはどう思われますか?
実は明かさないことこそが、私のこだわりでした。
物語の最後の一節を、もう一度思い出してください。
「我が家の温もりへと預けに行った」
この一文をどう咀嚼されるかは、読者の皆様の想像にお任せしたい。
それが、私の選んだ「オチ」なんです。
皆様がどのような未来を響子に重ねたか、ぜひコメントで教えていただけたら嬉しいです。

『喝采』で描きたかったのは、身近な人の死を受け入れられないまま歩んできた、一人の人間の「生き様」です。
険しい山道、容赦ない豪雨、先のない濃霧……。
それらはすべて、決して楽ではない人生の山谷のメタファー(比喩)でした。
結びに代えて・・・、御巣鷹の尾根は、訪れるたびに何かしらの「ヒント」というお土産をくれる場所です。
ハイキング向きの気楽な場所ではありませんが。
もし機会があれば、ほんの一瞬、目を閉じて手を合わせてくださるなら・・・。
これ以上の供養はありません。

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