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Buster Bluster/Grapevine #読むバイン vol.66

 2026年4月。恒例となったGrapevineのスプリングツアーが始まり、それに合わせて『Circulator』25周年のリビジット・ツアー “IN A LIFETIME” が夏に開催されることが発表された。なんという追い風! 楽しみにしていたLINE CUBE SHIBUYAと新しい職場での歓送迎会が重ねなって血涙を流していた僕にとって、福音と呼ぶべき知らせだ。いくぞマジで今度こそ。

『Circulat∞r』

 こっそり告知で『Circulator』となっているけれど、正しくは『Circulat∞r』のはずだ。これは意図的に今回修正されたのではなく、告知に「アルバム『Circulator』(2001)」と書かれてあるのだから、単純なミスだと僕は考える。どっちでもいいじゃん? いや、よくないのだ。

 前回、「間奏4 -2001年とGrapevine- #読むバイン vol.65」で、『Circulat∞r』というアルバムタイトルと、このアルバムが持つ意味について、3つの視点から論じた。そして、「Circulator」の"o"が"∞"になっている意味について「どうせこの世はずっと同じ仕組みで回り続ける」という悲嘆と、「ずっとここに留まり考え続ける」という意志、その両極を指すのだと結論付けた。それはそれで持説に違いないのだが、この時もう一つ、大切な視点を語り忘れている。その核心こそ『circulator』の"o"が"∞"であるもう一つの意味、つまり【紛い物】としての『Circulat∞r』論だ。

【紛い物】

 もう少し言い換えれば、【正しくないもの】、【正統でないもの】としての『Circulat∞r』だ。正しくない綴りで銘されたこのアルバムは、一貫してそのテーマが通底しているように思える。Bluster虚仮脅しBuster打ちのめせと連呼する出囃子『Buster Bluster』、プラネタリウムという偽りの星を呪う『壁の星』、不協和音にいっそ呑まれようと開き直る『discord』、気圧による空気の移動に過ぎない風に想いを託す『風待ち』……。全てをここで論じ尽くさないが、このアルバムは、最初から最後まで「真っ当でないこと」をあげつらいつつ、愛おしみつつ、赦しながら、歌い上げていく。それは、前回指摘したように、地獄の蓋が開いた2001年から四半世紀過ぎた今、もっとまざまざと目の前で上映されている狂った世界で、鳴らされるべき音、歌われるべき言葉なのだと思う。

Buster Bluster Hasta la vista Master Bluster

  『Buster Bluster』田中和将/Grapevine

 和田訳で言うと、こんな感じだ。

虚仮脅しを 打ちのめせ さよならだ ペテンのマスター

 我々の、そして"今"の歌だぜ。どうなんだい君の筋肉。風よ、吹け。

【著作権について】
 本記事では、日本のロックバンドGrapevineの音楽、主にその歌詞を考察していきます。Grapevineは、歌詞については、ギターとボーカルを担当する田中和将氏が書いています。そのため、歌詞の一切については著作権者は田中和将氏にあるものと考えております。ただ、日本の著作権法には以下のような一文があります。

第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)

 本記事は、公表された著作物について、引用して批評・研究しようとするものであり、著作権者の権利を侵害するものではないと考えています。また、その意思はありません。万一、引用の仕方や分量について、著作権を侵害するような部分があると感じられた場合、ご指摘いただければ改善に努めます。
 なお、本記事の文につきましては、先に述べました著作者Grapevine及び田中和将氏の権利を害さない限り、転用して構いません。その際、ご一報頂けると嬉しく思います。


追記

 『Buster Bluster』の元ネタと思われるスティービー・ワンダーの『Master Blaster』(1980年)と言う曲を、今回記事を書くために調べてていて初めて知った。田中和将がスティービー・ワンダーを愛聴していることは『とんとご無沙汰』で知っていたけれど、僕はほとんど知らないので語る言葉がない。『#読むバイン』は極めて私的な曲解的妄想文なので、正解はこちらにあるのかもしれない。僕は書けない。誰か託した。

#Grapevine #Circulator #なかやまきんに君 #スティービー・ワンダー

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