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問題原因を徹底的に追求する ー IRAC法 #208

人は、一人で成せることには限りがあります。
そのために、同じ目的を持つ人たちと組織をつくります。
しかし、目的が同じだからと言って、人格も、考え方も、人それぞれです。
その意味でも、意思の疎通のために、まずは、思考を論理的に整理することが大切です。
そのための手法は、様々ありますが、どれにも一長一短があります。
大切なのはどれが正しいのではなく、その状況に応じて、どの手法を活用すべきがが大切になってきます。

■ 「原因追求」が機能しない理由


組織において問題が発生したとき、多くの組織では原因追求が行われます。
しかし、その一方で、次のような現象も同時に起きています。

• 本質的な原因が曖昧なまま終わる
• 表層的な改善策だけが実行される
• 「とりあえずの再発防止策」で処理される

結果として、曖昧なまま放置される部分も多々あり、問題は形を変えて再発します。

この背景には、技術的な問題よりも、むしろ心理的な問題があります。
本来、原因追求は改善や再発防止のためのプロセスです。
しかし現実には、次のようなバイアスが働きます。
• 責任を問われたくない
• 誰かの責任にしたくない
• 組織内の対立を避けたい

その結果、無意識に表面的な損失を回避するために、明確な原因を避けた“曖昧な結論”が選ばれる
という状態が発生します。

しかし、この状態では、問題の再発は防げません。

ここで重要なのは、視点の転換です。
• × 誰が悪いのか(犯人探し)
• ○ なぜそうなったのか(構造理解)

原因追求とは本来、責任追及ではなく構造の解明であるべきです。

■ IRAC法を「原因追求の装置」として使う


そこで有効になるのがIRAC法です。

IRAC法は以下の4ステップで構成されます。
• Issue(問題)
• Rule(規範)
• Application(適用)
• Conclusion(結論)


法的問題を分析・解決するための「法的三段論法」に基づく思考・記述フレームワークですが、私は、原因追求のモデルとして活用しています。

● Issue(問題)
何が問題なのかを一点に絞る
ー なぜ不良品が発生したのか

● Rule(ルール)
本来どうあるべきだったのか(基準)
ー 不良品の発生を防ぐルールは存在していたか

● Application(適用)
現実はどうだったのか(ギャップ)
ー 現場でルールは守られていたか

● Conclusion(結論)
何が起きたのかを構造として言語化する
ールールがない → 制定が必要
ールールが弱い → 見直しが必要
ールールはあるが未遵守 → 運用改善が必要

■ IRAC法の本質とは…

ここで重要なポイントがあります。

IRAC法は一度適用して終わりではなく、

「本当にそうなのか?」を繰り返すことで、これ以上分解できないレベルまで原因を落とすプロセス

として機能します。

ただし、どれだけ分解しても最終的な原因は確定ではありません。

多くの場合、それは仮説です。

だからこそ必要なのは:
• 仮説として原因を置く
• 行動で検証する
• 結果で更新する
というサイクルです。

IRACは単なる思考整理法ではありません。
その本質は次の通りです。
• 曖昧な議論を構造化する
• 責任論を原因構造に変換する
• 表層ではなく深層に到達する
• 仮説として原因を扱う

問題が繰り返される理由は、能力不足ではなく適正な構造が構築されていないと取るべきです。

IRAC法はその構造を与えます。
• Issue:問いを固定する
• Rule:基準を固定する
• Application:事実を固定する
• Conclusion:結論を固定する

そしてそれを何度も繰り返すことで、
「犯人探しではなく、再発しない構造理解」に到達する思考法になります。

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