『源氏物語』学習ノート2026年第3回 ~國學院大學オープンカレッジ~
國學院大學オープンカレッジで受講している、文法学者小田勝先生の『源氏物語』講座の学習記録です。
文法の観点から『源氏物語』を学ぶ、そんな積み重ねを残してゆけたらと思います。
『源氏物語』学習ノート2026年第3回 ~國學院大學オープンカレッジ~
時間が経ってしまいましたが、國學院大學オープンカレッジでの『源氏物語』3回目の講義、とてもおもしろかったです。
— 梶間和歌@令和の京極派 (@WakaKajima) June 19, 2026
特に興味深かったのは補助動詞「をり」のニュアンス。
卑語的なニュアンスを汲み取らなければいけないとのことで、そもそも『源氏物語』では11例のみだそう。
短歌で補助動詞「をり」を使う人に
— 梶間和歌@令和の京極派 (@WakaKajima) June 19, 2026
「文語なら助動詞『たり』『り』を使えば? 」
「口語なら『~ている』と言えば? 」
と毎回思うのですが、
理由はこれまで「和歌に馴染まないから」以上に言語化できなかったのですよね。
今後は
— 梶間和歌@令和の京極派 (@WakaKajima) June 19, 2026
「文法学者の小田勝先生が補助動詞『をり』は卑語的とおっしゃいました。あの長い『源氏』で用例は11例だそうです。あなたは卑語のつもりでこの珍しい表現を使いましたか? 」
で通します。#歌の詠み方
「否定するからには否定する意味がある」
— 梶間和歌@令和の京極派 (@WakaKajima) June 19, 2026
という点も、「花も紅葉も」を引くまでもなく、そのとおりだなと。
「夕顔」巻において、空蝉の内面はやたら描かれるのに夕顔については源氏目線で描かれる……これも本当にそう。
だから空蝉は女性ファンが多く、夕顔は男性人気が高いのだろう。
「こんなこと言いたくないんだけどね」と前置きされたら、それは言いたいこと伝えたいことなのであって、
さて、否定とは。
「否定するからには何かが始まるはず」
会話や文章でもそうですが、音数の限られる和歌という言語芸術においてはなおのこと考えたいテーマです。
女性のリアルな内面の描かれる空蝉には「ああ、わかる……」と女性読者が共感し、
男性(光源氏)の目線で描かれる夕顔には(女性のリアルがない=謎が多いので)「理想の女性! かわいい! 好き! 」と男性読者が恋をする。
サンプル数は少ないですが、私の身の周りでも空蝉好きな女性と夕顔好きな男性は複数確認しております。
空蝉さん、きちんと読むと、(女性にはあるあるですが)男性には見せたくない、ちょっとずるい本心も描かれているのですよね。
きちんと読まないと
「光源氏に迫られ一度関係を持ってしまったが、夫のある身を思いその後源氏を拒み続けた貞女」
のようなステレオタイプで捉えてしまうことになるのですが。
貞女と呼べるのかどうか微妙な本心まで丁寧に描かれているからこそ、空蝉は多くの女性に好かれるのだと思います。
あと、そんなに美人でないのに嗜みゆえに上品に見える点も、そんなに美人でない自覚のある多くの女性には希望が持てますしね(私だよ)
補助動詞「をり」については、その後『伊勢物語』の深草の里のエピソードに
「鶉となりて鳴きをらむ」
を発見。
たしかにこれも、去ろうとする男に対して女性が卑下しつつ健気さを訴えるニュアンスを汲み取ってよさそうです。
だから文法はおもしろい。やめられない。
軽視する人たちとは、きっと一生理解し合えないし、それでよいと思う。
『源氏物語』学習ノート ~國學院大學オープンカレッジ~
2025年國學院大學夏の集中講義
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