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夏越の祓に寄せて ~隠岐神社奉納和歌10首~

(寛喜元年女御入内屏風)

風そよぐならの小川の夕暮れはみそぎぞ夏のしるしなりける

藤原家隆 新勅撰和歌集夏192


島根県の離島、隠岐おき海士あま町隠岐神社様のお向かいにある後鳥羽院資料館様より、「夏越なごしはらえに奉納する歌を募集します」というご案内がありました。


投稿いただいた方でご希望の方には、茅の輪をかわりにくぐることもできますというパワーフレーズ。


梶間和歌と海士町の関わりについてはこちらのマガジンをご参照ください。




夏越なごしはらえに寄せて ~梶間和歌隠岐神社奉納和歌~

夏越の祓とは

夏越の祓とはもともと、夏(四、五、六月)についたけがれを旧暦六月の終わり(=夏の終わり)に祓うこと。
水辺に出てみそぎをし、穢れを取ったり、人形や麻の大ぬさに穢れを移したり、茅の輪をくぐったりするそうです。

ちょうどこの募集の1ヶ月前、冷泉れいぜい時雨しぐれ亭文庫様の読者投稿の題が「夏祓」、つまり夏越の祓だったので、
そちらに2首投稿するために詠み、最終的に出さなかった歌が6首、手元に残っておりました。
それに4首詠み足して計10首、隠岐神社様に奉納することに。

奉納も無事なされたようですので、10首こちらに公開します。
(時雨亭文庫に出した2首については別途こちらで記事にします)


隠岐神社奉納和歌10首

思ふことみなつきはつるみそぎして岩根の波と見つる大幣おほぬさ
憂きことを早瀬に流すみそぎして夕べ涼しき波の白木綿しらゆふ
麻の葉に憂き身のとがを撫でつけてみたらし川にみそぎをぞする
早川に憂き言の葉を流しやればみなつきはつる夏祓へかな
麻の葉に厭ひし身をも撫でつけて千歳の命延べむとぞする
暮れにけり秋を急がす風たちぬ早瀬涼しき波の白木綿
すずしやとならの川瀬にみそぎして憂さみなつきの夏の別れ路
今日ばかりおなじ心にみそぎ川早瀬に秋を待つ夕べかな
今宵われ千歳を祈るみそぎして憂き身のとがもみなつきの空
麻の葉に川風見ゆる夕涼み心に秋ははや立ちにけり

梶間和歌


「水無月」を「皆尽き」に掛けて「思ふこと」「憂さ」「憂き身のとが」など「皆尽き」ると詠むのが王道と見えたので、数首はそのように収めました。

また、夏の終わりの神事なので、「もう秋のように涼しい」という詠み方をしたものも。
有名な家隆の「みそぎぞ夏のしるしなりける」も、「秋かと紛う涼しさだ。禊だけがまだ夏であるしるしだ」という意味ですからね。だから「みそぎ【は】」ではなく「みそぎ【ぞ】」なのだ。

麻や白木綿しらゆうぬさが波に見えるという詠み方もありましたので、そちらも踏襲しています。
堀河百首題で100首詠むというチャレンジにおいて荒和祓あらにごのはらへ(夏越の祓)題で詠んだ際も、この着想で詠みました。ご興味ありましたらこちらからどうぞ。


公式様による記事

隠岐神社様での和歌奉納と茅の輪くぐり(代理)の実際の様子は、後鳥羽院資料館のスタッフ様がシェアしてくださいました。


遠方に住んでいても後鳥羽院と関わる機会の頂ける昨今、本当に有難いです。
これからもなるべく年1回は来島できるよう(=隠岐後鳥羽院和歌大賞で入賞・入選するよう)がんばりますが、そうでない期間も文明の利器・インターネットを駆使して関わってゆけたらうれしいです。


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梶間和歌の出身地島根県とゆかりの深い隠岐後鳥羽院和歌大賞への応募経緯や、令和5年分の大会結果、そしてその後……noteのマガジンとして連載して参ります。
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特に2023年、令和5年隠岐後鳥羽院和歌大賞で古事記編纂1300年記念大賞を受賞し、表彰式を含む大会のツアーに申し込んだため、ツアー代金(9万円弱)と交通費を生活費と別に工面することになりました。
皆様のご支援のおかげでそちらのツアーに無事参加。
また翌年、城南宮・鳥羽殿賞を頂きまして、こちらの表彰式ツアーにも参りました。

すべて皆様の金銭的なご支援があってこそ叶ったことです。あらためて、心より感謝申し上げます。もちろん、お気持ちでの応援も大変うれしく思っております。

こうした応援のひとつひとつが私の器を広げ、より良い和歌仕事を世界にお返しすることにつながっております。

令和5年、6年分ともに、ツアーの様子はこのマガジンに連載しております。更新をどうぞお楽しみに。


今後とも、それぞれの領分において世界を美しくしてゆく営みを、楽しんで参りましょう。


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