霞の奥に見えるもの ~京極派スペース テキスト版~
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京極派スペース
(京極派和歌をテーマにした音声配信)
の音声をもとに、内容を整理し、読み物としてまとめたものです。
スペースでは特に台本も用意していませんし、話し言葉のまま思考を進めているため、
専門用語が多かったり、要点のつかみにくかったりする部分もあります。
本記事では
配信を文字起こしし、読みやすく構成を整理、
それとは別に簡単な目次を冒頭に付けました。
無料部分では
「この回ではどんなテーマを扱っているのか」
「どこが読みどころ・聴きどころか」
などがわかるよう、全体の見取り図を示しています。
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霞の奥に見えるもの ~京極派スペース テキスト版~
今回のテーマは「霞を詠んだ京極派和歌」です。
京極派スペース「霞を詠んだ京極派和歌」
午前中に京極派スペースを開催したのは初めてです。
— 梶間和歌@令和の京極派 (@WakaKajima) February 21, 2026
霞を詠んだ京極派和歌を『玉葉集』『風雅集』からそれぞれご紹介しました。#京極派https://t.co/V9hPDLjhMx
「霞を詠んだ京極派和歌」ガイド
1.霞という歌材
和歌における排列
俳句での扱い
2.永福門院「都のかたは」――山の春と都の春
山と都の春の対比
『古今集』歌との関係
京極派歌人の古典教養
「双貫句法」について
3.伏見院「まつらが沖」――「あはれ」か「ほのか」か
異国への窓口「松浦」
「春の曙」と「霞」
「あはれなり」から「ほのかなり」へ
4.京極為子「春のひぐらし」――春を正面から描く
二句切れの呼吸
「て」での接続
陽春の景を正面から描く
5.九条左大臣女「朝日こもれる山のは」――物語と現実
古物語との関係
御子左家の和歌教養
「心のままに詠む」とは
6.京極為兼「猶奥の峰」――為兼詠の真骨頂
夕暮れの光の観察
新古今との違い
為兼叙景歌の鋭さ
7.京極為子「夕づく日かたぶく末」――歌の構造を見る
三句体言止めの問題
初心者への提言
歌の構造と響き
京極派スペース「霞を詠んだ京極派和歌」テキスト版
・ぜひスペースを聴きながらお楽しみください。
・文章だけでも読めるよう整えてあります。
・文字起こしデータをもとに整形しているため、読みにくい箇所や漢字変換などがあるかと思います(梶間がふだん仮名表記している副詞が漢字になっている、など)。ある程度整えてはありますが、諸々ご了承ください。
・本記事の書籍リンクにはAmazonアソシエイトを利用しています。
今日は霞を詠んだ京極派和歌を紹介しようと思います。
霞は春の景物として詠まれます。
立春の歌のちょっと後ぐらい、春の部の比較的早いところに霞の歌群の入っている印象があります。
春のいつ霞を詠んでもいいと思いますけど、早春のものとして詠まれることの多い印象はありますね。
せっかくなので俳句のほうも確認してみると、霞は三春の季語ですね。
俳句の春の季語は、「初春」「仲春」「晩春」、またそのすべてにおいて使うことのできる「三春」に分類されますが、「霞」は「三春」の季語なので春のいつ使ってもいいみたいです。
俳句のほうではそのようで、私の記憶と印象に頼るかぎり、和歌でもそうだと思います。
俳句を始めて4年経って歳時記を初めて買ったんですよ。
これまでお前歳時記なしでやっていたのかと怒られそうですけれども、はい。歳時記なしでも、ウェブ上である程度は季語について調べられるので。
でもやっぱり歳時記はあったほうがいいので、吉田裕子さんの句会でいつもお借りしている山本健吉『基本季語五〇〇選』というのと同じものを、このたび古本で手に入れました。
山本健吉先生という著者の方が和歌にも造詣が深く、この歳時記でも季語の多くについて和歌文脈含め解説してくださるので、
「(歳時記のなかでも)和歌さんにはそれが合うよね」と裕子さんにも言われて。
なので、趣味の俳句のためでもありますが、どちらかというと和歌の学びのためにこの歳時記を買いました。
『基本季語五〇〇選』でも、霞は特に春の早いころにどうこうとは書かれていないな。
やはり、春のいつごろのものとして詠んでも大丈夫なんだと思います。
和歌のほうで「霞」の歌群がどのへんに来るかというと、立春や早春の歌群のすぐあとぐらい。
大体の勅撰和歌集には「春上」と「春下」があり、『風雅集』などだと「春」に上中下巻がありますけど、
その上中下または上下のどの辺に「霞」が来るのかといったら、春の比較的最初のほうに来ることが多いような印象があります。
『玉葉集』をちょっと見てみたところ、
「霞」の歌群自体はあったんですが、その後のほうにも少しずつ霞の歌が入っていたので、そんなに固まっていないのかもしれない。
まずは『玉葉集』から。
早春霞といふことを
永福門院
峯の雪谷の氷もとけなくに都のかたは霞たなびく
岩佐美代子先生の『木々の心 花の心』から訳をご紹介します。
山奥では峰の雪も谷の氷もまだとけないというのに、都の方を見やれば、そちらの方はもう霞がたなびいているよ。
やっぱり山は都よりちょっと寒いので、春が来るのも遅い。
暦上のことを言えば同じ立春の日に春は来る。山だろうが谷だろうが北国だろうが都だろうが来るんですけど、
ただその“春らしさ”が来るかどうかというと、人間の決めた暦で一律ではなく、実際の気象条件によって異なりますよね。
なので、山のほうとか谷のほうとかそちらの様子と、都の様子を対比して詠んだ、ということです。
最近素晴らしいプレゼントを頂きまして。
誕生日が3月なんですけれども、少し早い誕生日プレゼントに、と読者の方が『玉葉和歌集全注釈 上』、4巻セットの上巻を下さったんです。
何回か前のスペースでこの本に言及したんです。
石澤一志先生の本に、岩佐先生のこの全注釈の文章を引用した箇所があったんですね。
その時に「この岩佐先生の本も買いたいけど、まだなかなか手が出ていない。いつかは買いたいです」ということを言ったんですが。
それを聞いておられたのか、そうじゃないのか分からないんですが、誕生日プレゼントにということで、1ヶ月も早くプレゼントが届きました。
ありがとうございます。
こちらの上巻には季節の歌が入っています。『玉葉集』の1巻から6巻までに当たりますね。
中巻には賀の歌とか旅の歌、恋の歌、下巻には雑の歌と釈教歌、神祇歌が入っています。
なので、『玉葉集』の四季の歌の勉強はこれからもう少し進みそう。
この京極派スペースでもご紹介できる部分が、これまでより多くなるかと思います。
『全注釈』でこの歌を早速見てみましょう。
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京極派スペース テキスト版
京極派和歌をテーマにした音声配信(Xスペース)を、週1回おこなっています。 その一部をテキストで読めるよう整理した記事を、こちらのマガジン…
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