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『源氏物語』学習ノート2026年第4回 ~國學院大學オープンカレッジ~

國學院大學オープンカレッジで受講している、文法学者小田勝先生の『源氏物語』講座の学習記録です。
文法の観点から『源氏物語』を学ぶ、そんな積み重ねを残してゆけたらと思います。




『源氏物語』学習ノート2026年第4回 ~國學院大學オープンカレッジ~


知らざりし我が恋草やしげるらむ昨日はかかる袖の露かは

九条良経 六百番歌合恋上一番左、601

今朝までもかかるおもひはなきものをあはれあやしき我が心かな

慈円 六百番歌合恋上一番右、602


「六百番歌合」におけるこの番について、

右方申云、左歌「かかりし」とこそ言はまほしけれ。
左方申云、右歌「今朝までもかかりつる」とこそ言はまほしけれ。

と左右の方人かたうどが相手方の歌に対して難を述べたそうです(自分方の歌の難は棚に上げて)


・昨日のことは「かかりし(袖の)露」(「き(連体形『し』)」)
・今日のことは「かかりつるおもひ」(「つ(連体形『つる』)」/動詞によっては「ぬ(連体形『ぬる』)」でしょう)

と表すべきであるという中古の常識が、「六百番歌合」のころにも有効であった、
とこの例からもわかるようです。

(その他いくつも例を出していただきましたが、一番わかりやすかったのがこれなので他は割愛します)


和歌は中古語で詠むのが基本なので和歌の人は言うまでもないとして、

短歌のほうでも、
「私は上代語で詠んでいます」
などの特殊なこだわりを持つ人以外、文語文法で短歌を詠むならふつうは中古語で詠んでいるという想定でよいと思うので、

見境なく「き(し)」を使いがちな現代人に、
文法の観点からより説得力をもって「それ、変ですよ」「これは適切です」と、今後は言えそうです。


『源氏物語』学習ノート ~國學院大學オープンカレッジ~


2025年國學院大學夏の集中講義


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この記事を書いた人

photo by ミカアンドロイド

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