「寺鐘」詠の出来るまで ~和歌の推敲記~
隠岐後鳥羽院和歌大賞にて古事記編纂1300年記念大賞を頂いたのを機に、梶間和歌、冷泉家時雨亭文庫に入会いたしました。
(大賞関係の記事はこちらに連載しております)
そちらの年4回の会報に、題詠の和歌を投稿するコーナーがありますほかに、折々の法要に指定の題の歌を投稿、奉納するような機会もございます。
こちらは特に撰者による採否などないようですが、投稿歌、またその形に至るまでの推敲の様子などをnoteにて公開いたします。
ご自身で和歌をお詠みになる方の参考や刺激としてはもちろん、
歌詠みさんでなくとも、いち歌人が歌を詠み、推敲する過程に触れてみたいという方はぜひお楽しみくださいませ。
「寺鐘」詠の出来るまで ~和歌の推敲記~
寺鐘 投稿歌
山深き霧に曇れるいりあひの鐘の音ことに秋そ暮れゆく 梶間和歌
「志くれてい」読者投稿のお歌は濁点を付さずに表記するようですので、
こちらは「志くれてい」読者投稿と厳密には異なりますが、濁点なしで表記しております。
参考歌
山寺の入相の鐘の声ごとに今日も暮れぬと聞くぞ悲しき 詠み人知らず 拾遺和歌集哀傷1329
夕霧に梢も見えず初瀬山いりあひの鐘の音ばかりして 源兼昌 詞花集秋112
霧深しそことも知らぬ山寺にはるかに響く鐘の音かな 後鳥羽院 正治初度百首90
おおまかな推敲過程
・各種定数歌で「寺鐘」で詠まれた先例を読み込む
・「寺鐘」題で用いるべき語や頻出する掛詞などを把握する
・完成度を気にせず歌を詠む、詠みまくる
・推敲と削除を繰り返す
第1段階
春雨の晴るれど晴れぬけしきかな霞に曇る入相の鐘
世を背く山路に志賀の花ざかり霞に曇る入相の鐘
入相の声する里に春暮れて忘れがたみの花ぞ散りける
山深みとほく落ち来る入相の鐘の音ごとに暮れぞ寂しき
木の葉散る秋をはつせのやまおろしに途絶え聞こゆる入相の鐘
ふかくたつ霧に曇れる入相の鐘の音ごとに秋ぞ暮れゆく
を初瀬や檜原に鐘は響き来て夕暮れさむく冴ゆる三日月
・「寺鐘」なので「入相の鐘」多め(「暁の鐘」もあり)
・秋か春の夕べが多め
というあたりをおおまかに把握し、完成度を気にせず詠出し始めました。
寺の鐘なので「世を背く」も1首詠みましたが、宗教色の濃すぎる詠はしませんでした。
第2段階
山深みとほく落ち来る入相の鐘の音ごとに暮れぞ寂しき
山深き霧に曇れる入相の鐘の音ごとに秋ぞ暮れゆく
ほぼ削り、絞ってゆきました。
もう一度、寺鐘 投稿歌
山深き霧に曇れるいりあひの鐘の音ことに秋そ暮れゆく 梶間和歌
和歌をお詠みになる方の参考になりましたら幸いです。

和歌の推敲記
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和歌にフルベットして生きる梶間和歌がつつがなく和歌創作、勉強、発信を続けるため、余裕のあります方にお気持ちを分けていただけますと、
私はもちろん喜びますし、それは日本や世界の未来のためにも喜ばしいことであろうと確信しております。
「この無茶苦茶な生き方を見ていると勇気がもらえる」
「こういうまっすぐな人が健康に安全に生きられる未来って、希望がある」
「この人を応援することで、人文知の明るい未来が実現しそう」
なんて思ってくださいます方で、余裕のあります方に、ぜひともご支援をお願いしたく存じます。
noteでのチップ、メンバーシップ、その他様々な形で読者の皆様にご支援いただき、こんにちの梶間和歌があります。ありがとうございます。
特に2023年、令和5年隠岐後鳥羽院和歌大賞で古事記編纂1300年記念大賞を受賞し、表彰式を含む大会のツアーに申し込んだため、ツアー代金(9万円弱)と交通費を生活費と別に工面することになりました。
皆様のご支援のおかげでそちらのツアーに無事参加。
また翌年、城南宮・鳥羽殿賞を頂きまして、こちらの表彰式ツアーにも参りました。
すべて皆様の金銭的なご支援があってこそ叶ったことです。あらためて、心より感謝申し上げます。もちろん、お気持ちでの応援も大変うれしく思っております。
こうした応援のひとつひとつが私の器を広げ、より良い和歌仕事を世界にお返しすることにつながっております。
令和5年、6年分ともに、ツアーの様子はこのマガジンに連載しております。更新をどうぞお楽しみに。
今後とも、それぞれの領分において世界を美しくしてゆく営みを、楽しんで参りましょう。
この記事を書いた人


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