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「山月」詠の出来るまで ~和歌の推敲記~

隠岐後鳥羽院和歌大賞にて古事記編纂1300年記念大賞を頂いたのを機に、梶間和歌、冷泉家時雨亭文庫に入会いたしました。
(大賞関係の記事はこちらに連載しております

そちらの年4回の会報に題詠の和歌を投稿するコーナーがあるほか、折々の法要に指定の題の歌を投稿、奉納するような機会もございます。
こちらは特に撰者による採否などないようですが、投稿歌、またその形に至るまでの推敲の様子などをnoteにて公開いたします。

ご自身で和歌をお詠みになる方の参考や刺激としてはもちろん、
歌詠みさんでなくとも、いち歌人が歌を詠み、推敲する過程に触れてみたいという方はぜひお楽しみくださいませ。




山月やまのつき」詠の出来るまで ~和歌の推敲記~

山月 投稿歌

衣打つ声のひひきに澄みまさり隠れもやらぬ山の端の月 梶間和歌

「志くれてい」読者投稿のお歌は濁点を付さずに表記するようですので、
こちらは「志くれてい」読者投稿と厳密には異なりますが、濁点なしで表記しております。


おおまかな推敲過程

・各種定数歌で「山月」で詠まれた先例を読み込む
・「山月」題で用いるべき語や歌枕などを把握する
・完成度を気にせず歌を詠む、詠みまくる
・推敲と削除を繰り返す


第1段階

雲払ふ風立ち初めて山の端に見えみ隠れみ月出でにけり
晴れにけり名残の雲も薄くなりて山風清き秋の夜の月
都より草の枕にいく夜経ていま更級さらしなの月出でにけり
ころも打つ声のひびきに澄みまさり隠れもやらぬ山の端の月
関守はるをとどむるすべをなみ月かたぶきぬ不破ふはの中山
出でやらぬ月のうらみをさし添へて尾上をのへにひびくさを鹿の声
雲晴れぬ山松風に見えそめて鹿のほそく出づる月影
けにけり虫の音よわる風すぎて雲まに出づる山の端の月
更けにけり犬もしづもる道のべに澄みこそわたれ秋の夜の月
飽かぬかなひと夜をかけて澄みめぐりかたぶく月を眺め果つとも
松風にむら雲ほそくなびきつつ飽かぬ光に出づる月影

特定の歌枕を入れるか入れないか、悩みます。


第2段階

雲払ふ風立ち初めて山の端に見えみ隠れみ出づる月影
晴れにけり名残の雲も薄くなりて山風清き秋の夜の月
都より草の枕にいく夜寝ていま姨捨をばすての山の月影
衣打つ声のひびきに澄みまさり隠れもやらぬ山の端の月
関守は入るをとどむるすべをなみ月かたぶきぬ不破の中山
出でやらぬ月のうらみをさし添へて尾上にひびくさを鹿の声
雲晴れぬ山松風に見えそめて鹿の音ほそく出づる月影
更けにけり虫の音よわる風すぎて雲まに出づる山の端の月
更けにけり犬もしづもる道のべに澄みこそわたれ秋の夜の月
飽かぬかなひと夜をかけて澄みめぐりかたぶく月を眺め果つとも
峰の松にむら雲うすく風ふきて飽かぬ光に出づる月影


第3段階

雲払ふ風立ち初めて山の端に見えみ隠れみ出づる月影
晴れにけり名残の雲も薄くなりて山風清き秋の夜の月
衣打つ声のひびきに澄みまさり隠れもやらぬ山の端の月
雲晴れぬ山松風に見えそめて鹿の音ほそく出づる月影
更けにけり虫の音よわる風すぎて雲まに出づる山の端の月
峰の松にむら雲うすく風ふきて飽かぬ光に出づる月影

削り始めました。


第4段階

衣打つ声のひびきに澄みまさり隠れもやらぬ山の端の月
雲晴れぬ山松風に見えそめて鹿の音ほそく出づる月影
更けにけり虫の音よわる風すぎて雲まに出づる山の端の月
峰の松にむら雲うすく風ふきて飽かぬ光に出づる月影


もう一度、山月 投稿歌

衣打つ声のひひきに澄みまさり隠れもやらぬ山の端の月 梶間和歌


和歌をお詠みになる方の参考になりましたら幸いです。


和歌の推敲記


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この記事を書いた人

photo by ミカアンドロイド

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