「千鳥」詠の出来るまで ~和歌の推敲記~
隠岐後鳥羽院和歌大賞にて古事記編纂1300年記念大賞を頂いたのを機に、梶間和歌、冷泉家時雨亭文庫に入会いたしました。
(大賞関係の記事はこちらに連載しております)
そちらの年4回の会報に、題詠の和歌を投稿するコーナーがございます。
5回目の投稿歌もこのたび無事撰を通過し、掲載されましたので、
掲載歌、投稿歌、またその形に至るまでの推敲の様子などをnoteにて公開いたします。
ご自身で和歌をお詠みになる方の参考や刺激としてはもちろん、
歌詠みさんでなくとも、いち歌人が歌を詠み、推敲する過程に触れてみたいという方はぜひお楽しみくださいませ。
「千鳥」詠の出来るまで ~和歌の推敲記~
会報「志くれてい」掲載歌
寄る波に千鳥しは鳴く夕まくれあともなきさの須磨の浦風 梶間和歌
「志くれてい」読者投稿のお歌は濁点を付さずに表記するようですので、私も濁点なしで表記、投稿しております。
おおまかな推敲過程
・題の発表とあわせて付された、冷泉貴実子先生の解説を読み込む
・各種定数歌などで「千鳥」詠の先例を読み込む
・「千鳥」題で用いるべき語や頻出する掛詞などを把握する
・完成度を気にせず歌を詠む、詠みまくる
・推敲と削除を繰り返す
こちらもご参照ください。
第1段階
暁の鐘のひびきに先立ちて千鳥鳴くなり佐保の山里
汝もまたいねずやあらむ友千鳥あかつきちかき月の寝覚めに
都とほき浜より浜に浦伝ひ友を慕ひて鳴く千鳥かな
千鳥なく霜夜の床の月影に思ひあかしのうらなつかしさ
夜を寒み思ひあかしの浦波に声立てそむる友千鳥かな
須磨の浦に月をながめてなぐさまず夕べさびしく千鳥鳴く比
夜を寒みおもひあかしの浦千鳥片敷く床になくなくぞきく
寄る波に千鳥しば鳴く夕まぐれあともなぎさの須磨の浦風
・『源氏物語』「須磨」「明石」を踏まえたり
・寂しさ、友恋しさ、都恋しさを詠んだり
といったことを意識しました。
第2段階
都とほき浜より浜に浦づたひ友を慕ひて鳴く千鳥かな
千鳥なく霜夜の床の月影に思ひあかしのうらなつかしさ
夜を寒み思ひあかしの浦波に声立てそむる友千鳥かな
寄る波に千鳥しば鳴く夕まぐれあともなぎさの須磨の浦風
この段階で4首に絞りました。
第3段階
都とほき浜より浜に浦づたひ友を慕ひて鳴く千鳥かな
夜を寒み思ひあかしの浦波に声立てそむる友千鳥かな
寄る波に千鳥しば鳴く夕まぐれあともなぎさの須磨の浦風
あかつきの須磨の浦みに波よせてあとなき浜になく千鳥かな
空冴えて月照り勝る須磨の浦に寝ねずや千鳥友を恋ひ鳴く
1首削り、2首詠み足しました。
会報「志くれてい」投稿歌
寄る波に千鳥しは鳴く夕まくれあともなきさの須磨の浦風
あかつきの須磨の浦みに波よせてあとなき浜になく千鳥かな
濁点を消し、こちらの2首を投稿しました。
そして、無事撰を通過したのが、
もう一度、会報「志くれてい」掲載歌
寄る波に千鳥しは鳴く夕まくれあともなきさの須磨の浦風 梶間和歌
2024年1月の「千鳥」詠
夜をさむみい寝ずやあらむ浜千鳥ひとり明石の浦伝ふなり 梶間和歌
「堀河百首」チャレンジで2024年に詠んだものです。
ご参考までに。
和歌をお詠みになる方の参考になりましたら幸いです。

和歌の推敲記
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