#14 今日もこの店、あけときます。
〜眼鏡をかけた、カメラマン〜
ガチャ。
奥の扉が開いたっ⁉︎
現れたのは、
眼鏡をかけ、
首からカメラを下げたおじさま。
真面目そうだけど、
どこか力の抜けた、
優しい雰囲気の人だった。

店の中を見回すと、
少し不思議そうな顔をする。
「あれ?店主さんは?」
「いませんよ。もう何年も。」
「そうですか……。」
少し寂しそうに笑う。
「今は……何年です?」
「2050年ですよ。」
「2050年……」
小さくつぶやき、
ゆっくりと店内を見渡す。
「そうですか。」
僕は思わず尋ねた。
「あの、一体いつ、その扉に────」
「……あれ?」
おじさんは、
僕の言葉をさえぎるように、
カウンターへ目を向けた。
「あのポストカードは?」
「ああ、これですか。」
僕は、『ありがとう』と書かれた
いつかのおばあさんのポストカードを
手渡した。
おじさんは、
懐かしそうにポストカードを見つめる。
「これもね、
僕が撮影したんです。」
そう言って、
写真の端を指先でそっとなでた。
「え……?」
おじさんは微笑みながら、
ポストカードを静かにカウンターへ戻した。
僕は、
その写真にもう一度目を移す……
「……ということは
いつ、その奥の扉に────?」
僕は顔を上げる。
……
「あれ?」
おじさんは、
もういなかった……
カランコロン♪
────いや、鳴ってない。
店の入り口は閉まったまま。
奥の扉も閉まっている。
……
どこから帰ったんだろう……??
続く
✅夏休みの少年……
