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会議でパッと意見が言えないのは能力不足じゃない。「器用貧乏」が見えすぎて引き起こす『処理落ち』の正体

前回の記事で、プロジェクトを前に進めるために「まずはとりあえずのモック(的)をドンと置こう」というお話をしました。

しかし、そう頭ではわかっているのに、いざ会議の場になると、
「あれもこれも考えなきゃいけない気がして、パッと自分の意見が言えない…」
と、言葉に詰まってしまうことはありませんか?

かつての私はまさにそうでした。スパンと方向性を決めて発言できるリーダーを見て、「自分は頭の回転が遅いんだ」「言語化して整理する訓練が足りないんだ」と落ち込んでいたものです。

ですが、自己分析を深める中で、ある事実に気づきました。
会議で言葉に詰まってしまうのは、本当に能力不足や場数不足なんだろうか、、、
自分のOSが、周りが見えすぎるがゆえの「処理落ち」を起こしているだけなのかもしれない。

今回は、器用貧乏な人ほど陥りやすい『処理落ち』というバグの正体と、そこからの生存戦略についてお話しします。


あなたは「見えすぎている」から言葉が出ない

もしあなたが、様々な業務をそつなくこなせる「器用貧乏」タイプだったり、色々な立場の人の気持ちがわかってしまうタイプなら、要注意です。

こういうタイプは、会議の場で一つの議題が出た時、プロジェクト進行中にいろんな意見が出た時、
無意識のうちにものすごい量の「変数」を拾い集めてしまいます。

「あの人の過去の発言からすると、この意図があるんじゃないか」
「この手段をとった場合、あっちの部署のリスクはどうなる?」
「案件の背景をどこまで共有してから話すべきか…」

現場の泥臭い人間関係から、システムのエッジケースまで、ありとあらゆる変数が一瞬で見えてしまう。
そして、あなたの根本は真面目で優しいからこそ、
「そのすべてを拾い上げ、みんながハッピーな答えを出さなければ」とインプットの完璧主義に陥ってしまうのです。

そんな周りが見えすぎているあなた!
めちゃめちゃストレスを溜めやすいタイプではないですか???

脳内キャパシティを超える「処理落ち」というバグ

大量の変数を拾い集め、それを頭の中で「直列処理」して一つの言葉にまとめようとする。
当然、そんなことをすれば脳のキャパシティを簡単に超えてしまいます。

パソコンが重すぎる動画データを読み込んでフリーズしてしまうように、
自分自身のOSが身動き取れなくなり、アウトプットが遅延する。
これが「頭の回転が遅い」と錯覚してしまう『処理落ち』の正体です。

会議でスパンと断言できるリーダーは、決して頭の回転がずば抜けて速いわけではありません。
「不要な変数を切り捨てる(あえて他者の意図を無視する)」勇気があるだけなのです。
すべてを拾おうとする器用貧乏な人ほど、皮肉にもこの処理落ちの罠にハマってしまいます。

言葉で返すのを諦め、「モノ」に肩代わりさせる

では、すべてが見えてしまう器用貧乏な私たちは、どうやってこの処理落ちを回避すればいいのでしょうか?

私の答えは、「リアルタイムの言葉で完璧に返すこと」をスパッと諦めることです。

すべての変数を言葉にして誰かを伝えようとするから、フリーズするのです。
であれば、無理にその場で言葉にするのではなく、一旦変数を持ち帰る。そして(AIなどの客観的なツールも交えながら)大量の意見や変数の中から「どれが本質的な課題なのか」「本来の目的に合致するものはどれか」を見出していく。

そうして見えすぎたノイズを整理し、抽出した本質的な要素だけでとりあえずの「荒削りな絵」を作ってしまうのです。
システム構成図でも、箇条書きのメモでも構いません。

そして、その絵(モック)をテーブルにドンと置き、決断と議論を「モノ」に肩代わりさせる

自分がすべての変数を背負って完璧な説明をするというバグから抜け出し、未完成のモノを出して、アジャイルに周りを巻き込んでいく。これが、前回お話しした「カオスな意見を分析し、最初のモックを立ち上げるプロセス」の裏側にある、本当の狙いです。

前回の記事のこの辺の具体的な話でした。

  1. 意見の収集(カオスをそのまま集める)

  2. AIによる客観的分析

  3. モックの生成

「器用貧乏」はアーキテクトとしての最強の武器

「色々なことが中途半端にできてしまう」
「周りが見えすぎて板挟みになってしまう」

器用貧乏であることは、組織の中で損をしているように感じるかもしれません。
しかし、「大量の変数を拾い上げることができる」というのは、カオスな状況を整理し、裏側から構造を組み立てる「アーキテクト(設計者)」としては、紛れもなく最強の才能ですよ。

その才能を、言葉によるリアルタイムの処理で消費してフリーズしてしまうのはもったいない。
ぜひ、「言葉」ではなく「モノ(モック)」に変換して、そのカオスな場をコントロールする側に回ってみてください。


【次回予告】
器用貧乏という自分の強みと、「アーキテクト思考」という戦い方(OS)の輪郭が見えてきました。
では、その強みを「どこで(どんな環境で)」活かせばいいのでしょうか?
やりたいことが見つからないと悩むあなたへ、次の一手を見つけるための「違和感のコンパス」についてお話しします。

#自己理解 #キャリア #仕事術 #アーキテクト思考 #器用貧乏 #処理落ち #モックドリブン #生存戦略

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