【第166回】ビジネス書との出会い:見出しの次は「何」を書く? 読者を離さない6つの書き出し『大衆心理と広告技法【実践編】』
この**【ビジネス書との出会い】**シリーズでは、私が出会い、人生やビジネスの視点を変えるきっかけとなったビジネス書を、毎回1冊ずつレビュー形式でご紹介していきます。
前回(第165回)、ユージン・シュワルツの『大衆心理と広告技法』という、マーケティングの重厚な「理論書」をご紹介しました。顧客の「認知度」に合わせてメッセージを変えろ、という教えです。
しかし、理論を学んだ後に必ずぶつかる壁があります。 「理屈はわかった。で、結局、最初の1行目に『何』を書けばいいんだ?」
本日は、その悩みに完全な終止符を打つ、超実戦的な「書き出し(リード)の型」の解説書をご紹介します。
書籍と著者
本日ご紹介するのは、全米トップクラスのダイレクト・レスポンス・マーケターであるマイケル・マスターソン氏と、一流コピーライターのジョン・フォード氏による**『大衆心理と広告技法 市場を制する広告制作の理論と実践【実践編】』**(原題:Great Leads: The Six Easiest Ways to Start Any Sales Message)です。
どんな本か: シュワルツの「顧客の認知度」の理論を現場で使えるレベルにまで落とし込んだ究極の実践マニュアル。見出しの直後に続く文章(=リード)を「6つの型」に分類し、どの段階の顧客に、どの型のリードをぶつければ一番売れるのかを明明白白に示した一冊です。
導入:見出しで立ち止まらせ、リードで引きずり込む
広告やブログ記事において、「見出し(ヘッドライン)」が超重要であることは間違いありません。しかし、見出しでせっかく立ち止まらせた読者の80%は、その直後の「書き出し(リード)」で離脱してしまいます。
リードとは、文章の冒頭の10〜20%にあたる部分です。 読者はここで「この記事は自分にとって読む価値があるか? 面白いか?」を厳しくジャッジしています。ここを突破できなければ、どれだけ素晴らしい商品の説明(ボディコピー)を書いても、一行も読まれることはありません。
本書は、この「魔のリード部分」を無傷で突破し、読者を本文へ引きずり込むための「6つの強力なパターン」を教えてくれます。
本書の核:顧客の認知度に合わせた「6つのリード」
著者は、前作シュワルツの「顧客の認知度(商品や悩みをどれくらい知っているか)」のレベルに合わせて、リードを以下の6つに分類し、使い分けることを提唱しています。
ダイレクトなリード(すでに商品や解決策を知っている顧客向け)
オファー・リード:「今なら半額です」といきなり条件を提示する。
プロミス(約束)・リード:「このツールを使えば、残業がゼロになります」と結果を約束する。
間接的なリード(自分の悩みすら曖昧で、商品に興味がない顧客向け) 3. 問題解決リード:「腰痛で夜も眠れませんか?」と悩みに強く共感する。 4. 大きな秘密のリード:「なぜ、あの人は食べているのに痩せているのか?」と好奇心を煽る。 5. 予言(宣言)リード:「これから3年以内に、あなたの業界は消滅します」と大胆な事実を突きつける。 6. ストーリー・リード:「私がピアノの前に座ると…」というように、物語で無警戒な状態から引き込む。
顧客の認知度が高い(ファンやリピーター)なら、まわりくどいストーリーは不要で「オファー」を出せば売れます。逆に、全くの新規客にいきなり「オファー(割引)」を見せても無視されます。彼らには「ストーリー」や「秘密」から入り、警戒心を解く必要があるのです。
現代ビジネスへの応用 / 実践:自分の「勝ちパターン」を持つ
ブログやSNSの発信、あるいは営業のプレゼン資料で「何をどう書き出せばいいか迷う」という時間は、この6つの型を知るだけで完全にゼロになります。
型に当てはめるだけ: ターゲットが新規客なら、「今日はストーリー・リードを使おう」と決めるだけです。あとは主人公の挫折と成功の物語を書く。これだけで、文章の構造はプロのセールスライターと全く同じレベルに引き上げられます。
まとめ:前作とセットで「最強の武器」になる
前作『大衆心理と広告技法(理論編)』が「どこを狙うか」を定める高性能なレーダーだとしたら、本作『実践編(Great Leads)』は、そこに的確に撃ち込むための「6種類のミサイル」です。
「どう書くか」という戦術レベルの迷いを消し去り、読者の心をガッチリ掴んで離さない「魔法の書き出し」を手に入れたいなら、絶対に手元に置いておくべき実戦のバイブルです。
▼ 合わせて読みたい(過去の連載より)
『大衆心理と広告技法【実践編】』で学んだ「6つのリード(書き出し)」の威力を最大化し、文章全体の構造を完璧なものにするための必読リストです。
【第165回】『大衆心理と広告技法 市場を制する広告制作の理論と実践』 [選定理由:絶対的な土台] シュワルツによる「理論編」。本作の6つのリードは、シュワルツの「顧客の認知度の5段階」と完全に連動しています。誰に(認知度)、何を言うか(リード)。この2冊をセットで読むことで、コピーライティングのパズルは完璧に完成します。
【第1回】『全米NO.1のセールス・ライターが教える 10倍売る人の文章術』 [選定理由:滑り台効果の開始点] シュガーマンが説く「読者を滑り台に乗せて、最後まで一気に読ませる」という究極の文章術。本作で学んだ「強力なリード」は、まさにこの滑り台の「一番上の入り口」を極限まで滑りやすく研磨するための技術に他なりません。
【第3回】『ザ・コピーライティング――心の琴線にふれる言葉の法則』 [選定理由:見出しとの連携] リード(書き出し)を読んでもらうためには、その前の「見出し」で注意を引く必要があります。ジョン・ケープルズの35の見出しの型と、本作の6つのリードを組み合わせれば、読者の離脱を許さない鉄壁の広告が仕上がります。
【第37回】『作家の旅 ライターズ・ジャーニー 神話の法則で読み解く物語の構造』 [選定理由:ストーリー・リードの極意] 6つのリードの中でも、最も難易度が高く、同時に最も強力な威力を誇るのが「ストーリー・リード(全く無知の顧客を引き込む物語)」です。ハリウッドでも使われる「神話の法則」を学ぶことで、読者を魅了するストーリー構成力が飛躍的に向上します。
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