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【Z世代のリアル】「BeRealの次はこれ!」 Z世代がハマる最新アプリ「Setlog」と、若者が人間関係を「狭め続ける」理由

「最近、みんな『Setlog(セットログ)』ってアプリ使ってるよね?」

大学生が集まるシンクタンクコミュニティ「若者の研究所」(主催:バイデンハウス)で開催された座談会でのこと。参加していた学生たちから、突如としてそんな言葉が飛び出しました。

驚いたのは、その認知度の高さとスピード感です。まだ世間一般にはそれほど認知されていない最新アプリにもかかわらず、その場にいた10数名の学生のうち、知らなかったのはわずか2〜3人。女の子だけでなく、男の子も含めて「あ、俺も入れてる」「知ってる」と口々に答え、急激に話題が盛り上がったのです。

今、彼らの間で爆発的に流行しているこの韓国発の最新Vlogアプリ。一体、何がそこまで彼らを引きつけているのでしょうか。
そのユニークな機能と、彼らにここまで支持される背景を解説します。

「よっ友」から「した友」へ。若者のシビアなアカウント事情

まず前提として・・・
今の若者たちにとって、SNSごとに繋がる相手をシビアに使い分けることは、もはや日常の「マナー」となっています。大学生コミュニティ「若者の研究所」の学生たちから話を聞くと、彼らの間にはリアルとデジタルが連動した、明確な人間関係のグラデーションが存在していることがわかります。

若者に限らず幅広い世代に波及しているInstagramですが、筆者と同い年の31歳以上くらいの世代では、1つのアカウントを持っている、あるいは仕事用・プライベート用での2アカウント保有がだいたいの利用アカウント数かと思います。

一方で学生からすると、男女限らず、だいたいの学生が最低2つのプライベートアカウントを持つことは今や「当たり前」。3〜5個以上持っている、という猛者もいます。彼らはこれを以下のように器用に使い分けています。

① 名刺用アカウント(繋がる相手:「よっ友」「ゆる友」)
キャンパスですれ違った時に「よっ」と会釈だけ交わす知り合い未満の「よっ友」や、大人の名刺交換感覚で繋がる「ゆる友」とつながる用のアカウント。
Instagramの「本アカウント(本アカ)」がこれに該当し、フォロワーは数百人規模。誰に見られてもいいオフィシャルな自分を置く場所です。

② 友達の裏アカ(繋がる相手:「した友」)
サークルや地元の仲良しなど、本当に仲良くなった「した友(親しい友達)」だけに限定したInstagramの「サブアカウント(サブアカ)」。フォロワーは数十人程度で、ここから少しずつ素を出し始めます。

③ 友達の裏の裏アカ(繋がる相手:本当の身内)
本当に気を許した3〜4人だけにしか教えない、完全に毒を吐いたり、不格好な素顔を見せたりできる場所。

このように、若者たちは「誰にどこまで素顔を見せるか」を、アカウントを3つほど駆使して驚くほど器用にふるいにかけています。
この使い分けの延長線上に登場したのが、1日1回ランダムに届く通知に合わせて「加工なしの日常写真」を投稿し合う「BeReal(ビーリアル)」であり、そしてさらにその先にある、別の新星アプリ「Setlog」なのです。

インスタから「BeReal」へ。そしてなぜ、さらに「Setlog」なのか?

ここで大人の読者なら「インスタの裏アカがあるなら、そこで素顔を見せ合えば十分では?」と思うかもしれません。しかし、若者たちはそこからさらに別のアプリへと人間関係を絞り込んでいきます。

BeRealとは・・・2022年ごろから大流行し、今や若者の定番となったアプリが「BeReal(ビーリアル)」です。これは、1日1回ランダムな時間に一斉に通知が届き、2分以内に「今いる場所の風景」と「自分の自撮り」を同時にパシャリと撮影して共有し合う仕組み。過去に撮った写真はアップできず、フィルターなどの「盛り加工」も一切できないため、文字通り「ありのままのリアル(BeReal)」を晒し合うのが特徴です。

参考:筆者のBereal。職場の喫煙所から自宅のベッドまで、日常を写している

インスタの裏アカが「仲の良い人に見せるための、ちょっと着飾った日常」だとすれば、BeRealは「寝起きだろうが、すっぴんだろうが、勉強机に向かってどんよりしていようが、すべてを隠さず見せ合える、より狭くクローズドな関係」として重宝されてきました。

しかし、そんなBeRealすら「広がりすぎて気を遣う場所」になってしまった今、さらにその奥の“究極の超クローズド空間”として若者たちが移動し始めているのが、新星アプリ「Setlog(セットログ)」なのです。

1時間ごとに2秒。「BeRealの次」に流行る最新アプリとは?

Setlogは、日常を「断片的に記録する」ことに特化したソーシャル型Vlogアプリです。「盛った写真」を投稿する従来のSNSとは真逆のコンセプトで、その仕組みは驚くほどシンプルですが、独自の「縛り」があります。

  • 1時間ごとに届く通知に合わせて「約2秒」の動画をその場で撮るだけ(過去動画のアップロードは不可)。

  • 1日の終わりには、撮影した動画が時系列で自動的に1本の「ミニVlog(日常動画)」になる。

  • 最大12人まで同じ部屋に参加でき、友達が「今、何をしているか」が分割画面でリアルタイムに並ぶ。

さらに最大の特徴は、同じ時間にそれぞれの場所で撮影した友達の動画が、1つの画面にきれいに「コラージュ(分割)」されて表示される点にあります。スクロールして友達の投稿をわざわざ探しにいく必要もなく、パッと開くだけで、その時間にみんなが何をしていたかが1画面で一目瞭然になるのです。

若者の研究所、研究員のSetlog。日常を事細かに切り取る

インスタのサブアカやBeRealを超えて、なぜ彼らはこのアプリへと居場所を移し続けているのか。座談会で飛び出したリアルな本音から、その理由が見えてきました。

ズバリ!若者が「Setlog」にハマる3つの本音

① 動く日常が「可愛い」から、なんとなく始めた

「友達のストーリーに(完成した動画が)上がってきて、可愛いなと思って始めた」

若者の研究所 研究員

大がかりな動画編集やBGM追加すらできない不自由なアプリですが、だからこそ1日を2秒ずつ切り取った動画が勝手に繋がるだけで、どこかエモくて「可愛いVlog」が完成します。その飾らないラフな仕上がりがインスタのストーリーなどでパッと目を引き、口コミとして広がっています。

② 他人の目を気にしない「クローズドな関係」が心地いい

「クローズドで、限られた人数でできるのがいい」

若者の研究所 研究員

Setlogは最大12人という少人数制。不特定多数の「よっ友」や「ゆる友」に向けて自分を大きく見せる(映えさせる)必要が一切ありません。しかも、それぞれの場所で過ごしているはずの友達の日常が、1つの画面にコラージュされて「同じタイムライン」を共有している感覚になれる。ただ部屋でダラダラしている瞬間や、移動しているだけの2秒の素の日常をそのまま流せる、本当に親しい人だけの「閉じられた空間」が今の若者に選ばれています。

③ 「BeRealすら気を遣う」ようになった若者たちの避難所

BeRealは友達じゃない人が増えてきて、上げるのに気を遣う。Setlogは、そこからさらに限られた友達用って感じがしていい」

若者の研究所 研究員

かつて「ありのまま」を共有するクローズドな場所として流行したBeRealも、流行して「よっ友」や「ゆる友」が紛れ込んできた結果、いつの間にかインスタの名刺用アカウントと同じように「知り合いに見られても恥っずかしくない自分」を取り繕う、少し気の遣う場所になってしまいました。

④「サボり癖」のある自分をゆるく律するツールとして

また、座談会では「細かい日常タスクやマルチタスクがどうしても苦手な自分の特性に、このアプリがピッタリハマった」という興味深い声もありました。
掃除や料理、書類の整理など、一人だとつい後回しにしてサボってしまう面倒な家事やタスクも、1時間ごとに事細かに動画に収めていく。そうして「友達が見てくれている」と意識するだけで、退屈で苦手なはずの日常雑務がポップな『イベント』に様変わりするといいます。
「友達が見て応援してくれているから、サボらずに続けなきゃ」という適度なモチベーションが、自分の生活を規則正しく整えるトリガーになっているのです

一見、1時間ごとに通知が来るSetlogの方が「余計に疲れそう」に思えますが、実はここに逆転の気楽さがあります。静止画であるBeRealは「自分の顔がどう写るか」をどうしても意識してしまいますが、Setlogは「たった2秒の短い動画」。手元のご飯や、歩いている足元、めくっているノートを一瞬映すだけで成立するため、気負わずにさっと撮って出せます。さらに、BeRealのように無理に自分の顔を出す必要すらありません。

「1日1回」の写真共有ですら、知り合いが増えたことで身構えてしまう。だったら、本当に気を許せる超クローズドな仲間だけで集まり、「顔出しもいらない、たった2秒の生存確認」を1時間ごとにゆるく重ねる方が圧倒的にラク。そう気づいた若者たちが、今Setlogへと大移動しているのです。

【今回の示唆】人間関係をあえて「狭める」ことで、自分の機嫌を守る若者たち

インスタのアカウントを細分化して「ゆる友」と「した友」を分け、BeRealを使い、そこからさらに狭い「Setlog」へと潜っていく。この若者たちの行動を見つめ直すと、彼らが人間関係をあえて「狭く、狭くコントロールしている」ことが分かります。

しかし、これは決して彼らが「人間関係を希薄にしたい」からでも、冷めているからでもありません。むしろ、本当はもっと「気楽に、ずっと繋がっていたい」という素直な欲求の表れです。

大人世代が学生だった頃、学校が終われば友達の家に集まって、一人はゲームをし、一人は漫画を読み、ただ「同じ部屋の空気」をダラダラと共有していた時間がありませんでしたか? そこには会話の義務もなく、自分を良く見せる必要もなく、ただ一緒にいるだけで満たされる「あの頃の放課後のたまり場」があったはずです。

今の若者たちにとって、あまりに繋がりすぎてしまったSNSは、常に誰かに見られているような、少し息苦しい場所になってしまいました。知り合いが増えすぎたインスタやBeRealでは、どうしても「ちゃんとした自分」を保つために、無意識のうちにエネルギーを使ってしまいます。

だからこそ、彼らは「Setlog」という最大12人の狭い部屋に集まり、デジタル上に「あの頃の放課後のたまり場」を再現しているのです。

それぞれの場所で別のことをしながらも、1つの画面にコラージュされた同じ時間を過ごす。わざわざ顔を作らなくても、足元やノートの2秒をパッと映し合うだけで、「みんな今、それぞれの場所で生きてるな」と、ちょうどいい温度の安心感をもらうことができる。誰にも気を遣わずに、自分の機嫌をよく保っておくために、彼らはこの狭い繋がりを大切に選んでいます。

「冷めている」「薄い付き合い」と上の世代の物差しで切り捨てるのは簡単です。しかし彼らは、本当に大切な友達だからこそ、互いに負担にならない「2秒の空気の共有」を重ねることで、誰にも邪魔されない気楽な居場所を、スマートに守り抜いているのです。

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若者の研究所、「2026年5月20日」発売のku:nel (クウネル)さまに取材いただきました

所長の三上と研究員の石崎・渡邊が取材を受けています。
ぜひご購入ください!(感想をお待ちしております!)

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若者の研究所ではZ世代をテーマとしたコンサルティングをおこなっています。以下よりプロジェクトのご相談を承っております。

若者の研究所について

若者の研究所は、株式会社バイデンハウスが運営する、多様な背景を持つ若者(Z世代)で構成された、シンクタンク・コミュニティです。マーケティング、テクノロジー、文化、歴史、哲学、アート、社会科学など・・・。学術的に。文化横断的に。私たちの「多様なn=1」視点を提供します。

Z世代の価値観をZ世代が深掘り。“ディープ”な調査レポートを毎月発行

高校生・大学生による若者シンクタンクコミュニティである「若者の研究所」では、毎月様々なテーマに対し、Z世代の思考・価値観・行動の傾向に迫る定性分析を行い、調査レポートを発行しています。Z世代は1996~2010年生まれ(現在13〜27歳)の若者を指し、日本の総人口の約14%、世界では人口の約32%を占め、Y世代人口を上回っています。現代社会において、Z世代調査などZ世代に関する情報は溢れています。しかし、価値観が多様化する中で「Z世代は〇〇である」と一括りに理解することが難しいのが事実です。「若者の研究所」は、そんな多様な彼らの行動や価値観をより深く掘り下げた独自調査を、Z世代の当事者の目線から発信していきます。

この記事の監修者

石崎 健人 | 株式会社バイデンハウス マネージング・ディレクター
若者の研究所 研究員。外資系コンサルティング・ファーム等を経て現職。バイデンハウスの消費財、ラグジュアリー、テクノロジー領域のリーダーシップ。生活者への鋭い観察眼と洞察力を強みに、生活者インサイトの提供を得意とする。2022年より株式会社バイデンハウス代表取締役。2025年よりインタビュールーム株式会社(リサート)取締役。アドタイにてZ世代の誤解とリアル。「ビーリアルな、密着エスノ記」連載中。

この記事を書いた人

三上広葉 | 株式会社バイデンハウス マネージング・ディレクター
若者の研究所 所長。新卒でバイデンハウスに入社。Weiden HausのFood & Beverage、Beauty & Cosmetics、Social mediaのリーダーシップ。 Z世代、サブカルチャー、海外トレンドへの幅広い知見を強みにZ世代マーケティングの支援を得意とする。2025年より株式会社バイデンハウス取締役

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