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幻獣戦争④

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序章 絶望が希望に勝利した日――④

「……弾切れ――なわけないよな……」
 そんな馬鹿なことがあるわけがない。が、現状では理解できない現象が起きているのかもしれない。

「生き残れるかもし――いや、こんな結末で生き残りたくないな」
 脳裏のよぎった僅かな希望を軽く否定し、俺はスロットルレバーを引き予定通り大型幻獣の至近で真上に機体を上昇させる。

 ほんの数秒で機体は大型幻獣の甲羅頭頂部を見渡せる位置に到達。機体を滞空させ大型幻獣のコアを検索する。
「――あれだ」

 拡大表示するまでもなく、甲羅中央部に戦略機程度の大きさの鮮やかな朱色を放つコアらしき球体が見える。バルカンと大太刀だけで破壊できるだろうか?

「別に破壊できなくても良いか」
 自虐気味に呟き、俺は兵装(ウエポン)棚(ラック)から動く左腕で大太刀を抜きスロットルレバーを倒しコアに突撃を開始する。

 この間も大型幻獣からの攻撃はない――まさか既に死んでいるというオチはないよな? 疑心暗鬼が募る中、勢いに任せて俺はコアに上段から一撃を見舞った!

「――折れた……か」
 振り下ろされた太刀は刃の4分1を残し折れ飛んだ。機体をコアの傍に着地させ折れた太刀を投げ捨て、最後の大太刀を兵装棚から抜き放とうとした

――その瞬間!

「――何だ?」
 コックピットモニター内に警告音(アラート)が鳴り状況を確認するまでもなく、コックピットモニターの左側機体のすぐ傍に砲台のような突起物が出現していた――攻撃される!

「……っ!」
 咄嗟に俺は機体を逸らしバックステップでコアとの距離をとる。僅かな差で幻獣の砲撃は動かなくなった右腕を道連れに外れ、反射的に俺はバルカンで応射。砲台を潰すと同時にそのままコアを射撃する。弾が炸裂し爆発がコアを舞う。しかし、傷つく気配がない。

「だめか……」
 俺は射撃したまま兵装棚から最後の大太刀を抜き、刺し貫くべく真っすぐ構えスロットルレバーを押し込み突撃する。推進力を攻撃力に変え大太刀はコアに直撃するが、刃の先が潰れバルカンが尽きる。構わず俺は折れた太刀をコアに押し込むべく、スロットルレバーに力を込める。

「……どうせ最後だ。機体ごと持っていけ!」
 やけくそ気味に呟き、俺はペダルを限界まで踏み全ての推進力を攻撃力に回す。大太刀の刃は潰れながらめり込み――コアに亀裂が走る。

「仇ぐらいは取ってやるさ!」
 俺はそう叫びスロットルレバーを思いっきり押し込む。めり込み潰れる刃にさらに力が加わりコアが圧壊。光が溢れコックピットモニターを白く染める。

 俺は眩しさと死ぬことを直感し目を塞ぐ――が、何も起きなかった。爆発するかと思いきや、そんな事なくコアを破壊された大型幻獣は光を放ち霧状に霧散。空中に投げ出され機体は自動(オート)制御(パイロット)で地面に着地。目を開けると荒れ果てた現実が俺を待っていた。

 結末はとても呆気なく、コックピットモニターの一部に表示されている酷使した左腕のダメージが事実を物語る。
「ハハハハハハ、ははははははははははははは!」

次回に続く


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