16.『外貨インカム投資』のポイント② お伝えしたい投資の要諦と留意点
『外貨インカム投資』について、前提としてお伝えしておきたい投資上の要点があります。本記事では、誤解が生じやすいポイントを4つの観点から整理します。
1. 為替との向き合い方
外貨を用いた資産運用において、為替を無視することはできません。
本手法は、円高局面でのエントリーが有利な投資法です。
為替は一定のサイクルで動くことが多いものの、現在のような歴史的な円安水準に近い局面では、エントリーが難しいと感じる方もいるでしょう。
そのため、
今すぐ、短期で利益を得たい方
為替差益で利益を得たい方
にとっては、期待と異なる可能性があります。
しかし、長期投資の前提で市場を見れば、円高局面はどこかで訪れます。
そのチャンスが、年に一、二度しか訪れないこともあります。
それでも、そのタイミングを待って資金を投下できるかが、分かれ目になります。
ドルコスト平均法を採る場合は、開始タイミングに神経質になる必要はないでしょう。ただし、円高を狙ってエントリーする場合と比べると、平均取得単価が上がる可能性があります。
また、スワップを狙う時には、選択する通貨を誤らないことが前提です。
特にトルコリラのように、長期下落が続く通貨でスワップを狙うのは、高金利であっても非常にリスクが高い投資になります。
スワップの定期収入よりも、通貨の価値の目減りの方が激しくなることが考えられるからです(本の中では、リスクについても書いています)。
従って、状況によっては「エントリーしない」という判断も最適解です。
2. スワップについて
外貨インカム投資の二つ目の柱が、スワップです。
スワップは、FXで得られるインカムです。
「FXはギャンブルだ」という根強い偏見があります。
人によっては、ここで「ギャンブルに誘導された」と感じてしまう方もいるかもしれません。
私自身、長らくFXに偏見を持っていました。仕組みを知らずに誤認していた一人です。
スワップ投資でやっていることは「外貨を保有し、金利差を受け取る」というシンプルな戦略です。レバレッジは抑え、長期でインカムを積み上げる。
感覚としては、効率的な外貨預金に近いイメージです。
仕組みを正しく理解すれば、スワップは金利差から生まれる収益という点で、債券と同じ金利収入型のインカム資産と捉えることができます。
■ 新興国通貨とリスク
私は新興国通貨の運用を通じて、債券からの利金を上回るスワップ収益を得ています。一方で、新興国には、固有のリスクがあるのも事実です。
そのため本の中では、一部の新興国通貨についての知見もまとめています。
もっとも、私はリスクが存在しない金融資産はないと考えています。
安全資産と考えられてきた日本円という現金でさえ、インフレや円安で価値が目減りしているのは周知の通りです。
私がスワップと外国債を「対」で扱っている理由は、本質はどちらも「金利を取りにいく行為」だからです。
金利動向を読むという一点に軸足を置けば、両方の投資判断に活かせるだけでなく、ポートフォリオ全体の収益とリスクをよりコントロールしやすくなります。
だからこそ、私はこれらを同じ戦略の中で扱っています。
3. 本で税制を同時に扱った理由
スワップは、株式や投資信託とは税制が異なります。
スワップで得た収益は、「先物取引に係る雑所得等」に分類され、申告分離課税の対象です。
FXスワップで収益を得た場合、原則として確定申告が必要です。
手間はかかりますが、その一方で、所得計算の際に「必要経費」を差し引くことができるのです。
もちろん、FXの所得との関連性が説明できることが前提です。それでもこれは、債券や株式投資にはない特徴の一つと言えるでしょう。
私は投資の学習に相応の費用をかけてきましたが、税制まで含めて体系的に扱った本は多くないと感じていました。税の理解を深め、節税によって残せたお金もまた、自ら生み出した価値の一部だと考えています。
本書では、FXの偏見の影に隠れがちなスワップの魅力も含め、金利・通貨・税制という三つの軸を、一つの構造として整理することを目的としました。
なお、本書では副業における節税についても触れています。
4. データと根拠について
投資の世界では、根拠が不明瞭な噂やニュースがよく流れます。
本書では可能な限り一次データや元データを辿り、執筆時点で確認できる根拠に基づいて解説しています。
さらに、デスク上でのリサーチに加え、現地視察による裏付けとして、海外へ直接足を運び、自分自身の目で見て判断した経験を反映させています。
最後に
外貨インカム投資は、長期投資が前提の手法です。今すぐに稼げることを謳う内容ではありません。
しかし、投資手法を知っていれば、チャンスが来た時に動くことができます。知らなければ、チャンスに気づくことすらできません。
私は、ポートフォリオに含めるインカムの種類を分散する術と、税の知識を知っておくことは、今後の投資人生において、無駄になることはないと考えています。
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皆様の声をもとに、今後もより質の高い情報発信を目指していきたいと思います。
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本の概要や構成、書いた背景などについては、別記事でもまとめています。
➡13.『外貨インカム投資』のポイントと本の内容
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