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「AIで仕事は消えない」に安心していいのか──見えにくい変化を構造で読む

※本記事は構造ハブ
【保存版】努力大国・日本の正体──AI時代、決めない社会の静かな恐怖
内のAI時代シリーズ4️⃣です。



前回の記事では、冨山和彦さんの発言をもとに、
AI時代にホワイトカラーの仕事が大きく揺らぐ、
という話を書きました。

かなり強い内容だったので、
不安になった方もいたかもしれません。

今回はその続編として、
雇用ジャーナリスト・海老原嗣生さんの動画をもとに、
もう少し別の角度から整理してみたいと思います。

海老原嗣生|雇用ジャーナリスト
大手メーカーからリクルートエイブリックに入社し、新規事業の企画・推進、人事制度設計などに携わる。その後、リクルートワークス研究所にて雑誌「Works」編集長、人材・経営誌「HRmics」編集長を歴任。2008年、HRコンサルティング会社ニッチモ設立。漫画『エンゼルバンク』主人公のモデル。

https://www.youtube.com/watch?v=-IUnN1yc-FY

結論から言うと、

前回お伝えしたことの本質は、何も変わりません。

むしろ今回の内容によって、
論はより具体的になり、強固になったと感じています。



「ホワイトカラーは消えない」という安心

海老原さんの話をざっくりまとめると、こうです。

AIですべての仕事が一気になくなるわけではない。
物理的な仕事、対人的な仕事、創造的な仕事は残る。
むしろ一部の仕事は、AIによって楽になる。

これだけ聞くと、少し安心する人も多いと思います。

「なんだ、大丈夫なんだ」
「ホワイトカラー全部消えるわけじゃないんだ」

と安心する人も多いと思います。

実際、この部分は間違っていません。

AIは万能ではないし、
現場や対人の仕事は簡単には置き換わらない。

だから、

「全部なくなる」という雑な話ではない。

ここは、かなり現実的な指摘だと思います。


ただし、「誰でもできる」は少し違う

動画の中では、

AIによって長い修行がいらなくなり、
誰でも仕事ができるようになる

という話も出てきます。

でも、ここは少し誇張があります。

なぜなら、

知識と、実際にできることは別物だからです。


例えばパン作り。

知識だけなら、今はかなり早く手に入ります。
発酵の理屈も、温度管理も、配合の考え方も、
AIに聞けばかなりのところまで教えてくれるでしょう。

でも、

・生地の状態をどう見るか
・その日の温度や湿度でどう変えるか
・どこで待つか、どこで切り替えるか
・何が失敗で、何がまだ修正可能なのか

こういうものは、知識だけでは埋まりません。

ゴルフのコーチの話も同じです。

フォームを知っていることと、
実際に打てることは違う。

やり方を説明できることと、
その場で身体が反応することも違う。

コーチがプロゴルファーになれないのと同じです。

「知っている」と「できる」は別です。


営業も同じ構造になる

この話は、営業のスライドを見るとかなり分かりやすいです。

AIが顧客を分析して、

・この人にはこの話題
・このタイミングでこう提案

と指示してくれる。

その通りにやれば、
誰でもそれっぽい営業ができる。

ここだけ聞くと、

「営業もセンスいらなくなるんだ」

と思うかもしれません。

でも、ここにも同じ構造があります。


ノウハウは、もともと存在している

営業ノウハウなんて、

本屋にも、YouTubeにも、
昔からいくらでもあります。

それでも、

それを見ている人全員が
営業トップになっているわけではありません。

やり方を知っていることと、
実際にできることは別です。


AIは「正解」を出す。でも決めるのは人間

AIがやるのは、

・知識を出す
・選択肢を提示する
・最適解を提案する

ここまでです。

でも、

「今この状況で、どれをどう使うのか」

これはAIでは決められません。


AIで埋まらないもの

営業で起きているのは、

ノウハウ通りに話すことではありません。

・この人は何を求めているのか
・どこで止まっているのか
・何に反応しているのか

相手の中身をどれだけ捉えられるか。

これは、

AIの指示やテンプレでは埋まりません。


四次元ポケットの世界

AIは、四次元ポケットみたいなものです。

知識もノウハウも、
すぐに取り出せるようになる。

でも、

ここが本質です。

何を取り出すかは、自分で決める必要がある。

同じ四次元ポケットを持っていても、
誰でも優秀なドラえもんになれるわけではない。

道具を持っていることと、
その場で適切に使えることは違うからです。

そしてこれは、
知的労働でも同じです。

知識がある。
情報がある。
選択肢がある。

でも、

・何を選ぶのか
・なぜそれを選ぶのか
・どこで切り替えるのか
・何を優先するのか

ここは、結局その人の判断です。


AIで変わるのは「取り出しやすさ」だけ

今回変わるのは、

ノウハウの中身ではありません。

すぐ取り出せるようになるだけです。

それで成果が出るなら、
今の時点でみんな結果を出しているはずです。


AIによって起きるのは「差の消失」ではない

AIによって、

誰でもそれっぽくはできるようになります。

でも、
これから起きるのは、

できる人とできない人の差が消えることではありません。

中身の差が、そのまま露出するようになる。

・指示通りに動くだけの人
・相手を見て変えられる人

この差は、むしろ今よりはっきり出ます。


カンペ演劇とAI社会

今回の動画で一番重要なのは、
後半に出てくるこの話です。

演劇の世界では、本来問われるべきなのは
「どれだけ上手く暗記できるか」ではなく、
「どう演じるか」のはずです。

でも現実には、
台本を覚えることに多くの労力が割かれてしまう。

そこで、もし全部カンペ化されて、
暗記を機械が肩代わりしてくれたらどうなるか。

役者は、
暗記ではなく演技そのものに力を使えるようになる。

海老原さんが言いたかったのは、
たぶんここだと思います。

AIによって消えるのは、
仕事そのものというより、

本質ではない部分に使っていた労力

です。

暗記が必要だった世界では、

覚える人が有利でした。

でも、

全部カンペで見られるようになったらどうなるか。

問われるのは、

どう演じるか

だけになります。

これは仕事も同じです。

・知識
・暗記
・ルール

はAIが持つようになる。

だから残るのは、

その仕事で何をするのか


横文字が多くて難しそうに見えるけど

今回の動画、

アビリティなんとかとか、オーサリングとか、
横文字も多くて難しそうに見えるかもしれません。

でも、言っていることはすごく単純です。

「覚える仕事はAIに任せる」
「人間は考えて使う側になる」

これだけです。

※横文字で難しく見えるけど、
中身はめちゃくちゃシンプルな話です。

むしろ横文字にした瞬間、
分かりにくくなってるだけ。

このあたりは、前にこんな記事も書いてます。
▶横文字まみれの社会で、私たちは何を失ったのか──“真顔のルー大柴”が増える理由


安心の裏で起きていること

この動画を見て、

「ホワイトカラーは消えないんだ」
「仕事は残るんだ」
「そこまで深刻じゃないんだ」

と安心する人は多いと思います。

でも、ここが一番危ういところです。

問題は、

仕事があるかどうかではない。

問題は、

何で差がつく社会になるのか。

AIによって、

・知識コストは下がる
・手順も教えてもらえる
・それっぽいことは誰でもできる

だからこそ、

判断の差
本質を見抜く差
どう使うかの差

が、そのまま露出するようになります。

「誰でもできるようになる」は安心ではない。

ごまかしが効かなくなるということです。

・なんとなくやる
・言われた通りにやる
・深く考えない

これでも今までは回っていました。

でもこれからは、

選び方が、そのまま結果になる。


前回よりも、むしろ論は強くなった

前回の記事で私が書いたのは、

AIに消されるのは仕事ではなく、
正解を覚える人だということでした。

今回、海老原さんの動画を見て感じたのは、
その本質は変わらないどころか、
雇用の現場を見てきた人の言葉として、
むしろ補強されたということです。

・知識は外に出る
・ノウハウは共有される
・知的な単純作業は厳しくなる

という形で、
より現実に沿って裏付けてくれています。


最後に

AI時代に起きるのは、
「仕事が全部なくなる」という単純な話ではありません。

もっと静かで、もっと本質的な変化です。

変わるのは、

評価の基準です。

これまで
→ 何を知っているか

これから
→ どう使うか

その先で問われるのは、

自分で判断できるか
この場で何を使うか決められるか
本質に力を使えるか

前回お伝えしたことの核心は、やはりここにあります。

ホワイトカラーは消えない。
そう聞くと安心するかもしれません。

でも本当に起きているのは、

「何を覚えているか」ではなく、
「どう使うか」でしか差がつかなくなる社会
です。

そして、

決められない人は、
自分で選ぶのではなく、
選択の中に配置される側に回る世界です。

そこを見落としたまま安心するのは、
やっぱり少し危うい。

私は今回の動画を見て、
改めてそう感じました。


あなたへ

ここまで読んで、

「分かる。でも、どこか動いていない」

そんな感覚が残っているなら。

それは、

まだ言葉になっていない部分があるだけかもしれません。

必要なタイミングであれば、
一緒にそこを観測することもできます。

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「これでいいはずなのに」が消えない理由

2️⃣このまま働き続けていいのか分からない
AI時代、“決めてない人”は止まる

3️⃣安心しても、また不安に戻る
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