10年後も健康でいたければ、ミトコンドリアのはなしを聞け
『ミトコンデレラ(ショートショート)』
むかしむかし、ミトコンデレラという心優しい娘がいました。
ミトコンデレラは自分のミトコンドリアをとても大切にしていて、毎日新鮮な水を飲み、適度に運動し、たっぷり眠る素敵女子。
ちなみに黒髪ボブで、趣味はテニスとお菓子作り。休日は可愛いボタンとかアンティークの小物を探すのが好きで……と、とにかく素敵女子。
毎晩寝る前に「ミトちゃんたち、今日もありがとうね」と呟くと、彼女の体はエネルギーに満ち、肌はつやつや、笑顔が輝くのでした。
一緒に住む継母とその娘たち、ズボラ姉さんとゴロミ姉さんはミトコンデレラをこき使い、自分たちはタバコを吹かし、酒に溺れ、ジャンクフードを食べてばかり。ミトコンドリアのことなんて考えもしませんでした。
ある日、王宮で「健康美コンテスト」が開かれると発表されました。
優勝者には『星屑のミト・エリクサー』が与えられると聞き、ズボラ姉さんとゴロミ姉さんは大騒ぎ。
「これでわたしたちの疲れたミトコンドリアも復活よ!」
でも、毎日怠けてミトコンドリアを酷使してきた二人は、美しいドレスを着ても顔色はどす黒く、歩くだけで息切れです。
継母は「ミトコンデレラ、お前は家で掃除してなさい!」としわがれた声で一喝し、ズボゴロ姉妹を引きずってお城へ出かけて行きました。
ミトコンデレラがひとり寂しく床を磨いていると、突然キラキラしたミトコンドリアの妖精が現れました。
「ミトコンデレラ、君がぼくたちを大事にしてくれたお礼だよ。コンテストに行っておいで」
妖精が魔法のATPを振りかけて呪文を唱えます。
「あーぱつあぱつ🎶」
「それはAPTや!」
ミトコンデレラのつっこみはキレッキレです。さすが素敵女子。
すると、輝くドレスとエナジーブーツがミトコンデレラの目の前に現れました。
「夜中の12時までには帰っておいで。ミトコンドリアも休息が必要だからね」
と妖精は星型のサングラスをかけながら、念を押しました。
「だからそれ、APTや!」
ミトコンデレラのキレッキレのつっこみが澄み渡った寒空に吸い込まれていきました。
コンテスト会場に着いたミトコンデレラは、その活力と美しさで皆を魅了します。王子様は一目でミトコンデレラに夢中になり、一緒にダンスを踊りました。
ズボゴロ姉妹は妬んで足を引っ張ろうとしましたが、疲れ果ててその場で倒れる始末。全くこの2人は何をしにきたのでしょう。
時計が12時を打つと、ミトコンデレラは慌てて帰路につき、エナジーブーツを片方落としてしまいました。
翌日、王子様はブーツを持って「この靴の持ち主を探す」と宣言しました。ズボラ姉さんとゴロミ姉さんは無理やり履こうとしましたが、足はむくんで入らず、ミトコンドリア不足で立つことすらままなりません。
おずおずとミトコンデレラが試すと、なんとぴったり。
王子様は「君だったのかい。君のミトコンドリアを大切にする心に惚れたよ」と言って、ミトコンデレラを妻に迎えました。
それからミトコンデレラは王子様と幸せに暮らし、『星屑のミト・エリクサー』の力で永遠に輝き続けました。
一方、ズボゴロ姉妹は疲れ果てたミトコンドリアと一緒にズボゴロしながら、継母に嫌味を言われる日々を送ったそうです。
おしまい。
いきなりなんのはなしだよ、と思ったでしょうか?
種明かしをすると、これはAIにこんなお願いをした時の回答をもとに、手を加えた創作です。
ミトコンドリアを大切にする人と、大切にしない人の対比で創作を書きたい。シンデレラを題材に千字くらいで書いてくれる?主人公はミトコンデレラでお願い。
こんな話、「単なるパロディでしょ」って笑えるうちは大丈夫です。
でも、ちょっとでも「もしかしたら私ズボゴロ姉妹?」って思う方に聞いてみたい。
あなたは普段、ミトコンドリアのことをどれだけ意識していますか?
ミトコンドリアが喜ぶ生活をできていますか?
例えば朝起きて「ミトコンドリアくん、おはよー」とか言いますか?
ごはんを食べて、「ミトコンドリアくん、エネルギーがんばって作ってね」とかは?
運動して、「今おれのミトコンドリアがモーレツに喜んでいる!!」とか言いますかね?
たぶん、言わないですよね。
でも、冒頭のショートショートのように、ミトコンドリアを意識しない生活が続けば、あなたのからだにとって望ましくない未来が待っているかもしれません。
では反対に、ミトコンドリアが喜ぶ生活ができたら?
……なんだかよさそう、でしょうか?
申し遅れたのですが、わたし実はミトコンドリアの専門家なのです。
製薬企業でくすりの研究をする中で、ミトコンドリアの魅力にすっかりとりつかれてしまいました。
秘密保持の観点から具体的には言えませんが、それなりの年数をミトコンドリア研究に費やしています。
牧野富太郎にとっての植物、さかなクンにとっての魚、武士にとっての刀、それがマイトンにとってのミトコンドリアです。
え?例えがわかりにくい?
noteを始めてから、いつかミトコンドリアについて私が学んだことを記事にしてみたいと考えてきました。
それも、専門的な話をできる限りわかりやすく、面白く書いてみたい。
実際、調べようと思ったら教科書見たり、論文を読んだりすれば情報は取れる時代です。
でも、教科書読んで「ミトコンドリア……スキ!」ってなるJKいますか?
クエン酸回路で作られる物質名の順番を暗記して、生物おもしれーってなります?
たぶん、ならない。
少なくともわたしは高校生物に興味が持てなくて、物理と化学を専攻しました。
それでも今、生物の研究をしている。
そして、興味をもって勉強してたら、やっぱりおもしろいこと沢山あったんですよね。
例えばこれ。

ミトコンドリアって聞いたらこんなのイメージする人が多いと思います。
画像検索したら最初に出てきたし。
でもほんまはこんな形じゃないですからね。

この画像だと赤く染めた部分。このネットワークを形成してるウニョウニョがミトコンドリアです。
ちなみに、赤いのはそういう色素で染めてるだけで、ミトコンドリアに色があるわけじゃないですからね。
思ってたんと違う。ってなりません?
こういうのをもっと皆さんにも共有したいんです!
ただ、それなりの年数と経験をつぎ込んで記事を書くので、有料にします。
値段は、ミトコンドリアにちなんで3150円とします。
えっ、高い!?
そうなんですよね。これだけの金額を払えば、薄い教科書が1冊買えちゃうんですよね。
なので考えてみてほしいです。
教科書を買ったり論文を読んだりして、自分の時間を使って勉強するか。
それとも、
マイトンがいいところだけ集めて、おもしろおかしく書いた内容で、健康になるため楽しく学ぶのか。
あるいは、ミトコンドリアのことはとりあえず忘れて生活するのか。
まぁ、なかなか決断難しいですよね。
自分でも躊躇すると思う。
でもこれだけは言わしてください。
これまでnoteで書いてきた記事の中で間違いなく一番時間と労力かけてます。
単純な知識の共有だとつまんないので、そうならないように一生懸命書きました。
なので、とりあえず無料ゾーンだけでも読んでみてください。
そして、面白いと思ってもらえたら、スキだけでも押してもらえると嬉しいです。
せっかくだから、最後まで読んでやろうという心意気の方は、マイトンの『ミト渾身note』を堪能してみてください。
それでは本編をどうぞ!
ミトコンドリアはよく働く「よそ者」
わたしたちが、体を動かしたり、頭を使って何か考えるとき、ATPというエネルギーが必要になります。
ATPは、生きている以上必要になる大事な物質です。車にとってのガソリンと同じですね。
そして体内で作られるATPのうち、95%がミトコンドリアによってつくられると言われます。
逆に残りの5%が気になりますよね。
そこにはミトコンドリアの起源が関係しています。
いきなり聞きなれない単語ですいませんが、『細胞内共生説』ってご存じですか?
もともとミトコンドリアはバクテリアという別の生き物だったんです。
それが、エイリアンのようにわれわれの(祖先の)体内に入ってきて、今では仲良く一緒に暮らしている、という話です。
つまり、生きるために必要なエネルギーの95%を、外からやってきたよそ者に作ってもらっている。
それがわたしたちです。
5%しか自分で作ってないんですよね。少なっ。
なんでこんなにミトコンドリアに頼っているのかというと、話は簡単です。
それは、ミトコンドリアがATPをつくるのが上手いからです。
ATPは、酸素を使うと効率よくたくさん作れます。
でも意外なことに、私たちはもともと酸素をうまく使えません。
一方でミトコンドリアは酸素使いのプロです。
ミトコンドリアと一緒に住むようになって、初めて私たちは酸素を使えるようになったのです。
私たち人間は酸素がないと生きていけない。
皆さんそう思ってるでしょうけど、本当は酸素がなくて最初に困るのはミトコンドリアです。
ミトコンドリアがATPを作れない結果、エネルギー不足になり、私たちは死んじゃうんです。
青酸カリって聞いたことありますよね。
飲み物にちょびっと混ぜただけで窒息しちゃう怖い猛毒です。
実は、これもミトコンドリアが働けなくする薬剤なんです。
青酸カリでミトコンドリアが働かなければ(酸素を使えなければ)、私たちが窒息するのも当然ですよね。
ここまで書くと私たちが生きる上で、ミトコンドリアがどれだけ大切か分かってもらえたのではないでしょうか。ミトコンドリアがいないと、私たちは呼吸もできずに死んでしまう。
こんなミトコンドリアをないがしろにして、生活していいわけないですよね。
ここから先は、ミトコンドリアいかにがんばっているかをお伝えしつつ、ミトコンドリアが私たちの健康にどう影響するのか、さらには、ミトコンドリアに寄り添う生き方について、お伝えします。
でも、そこまで読んでも、あなたはもしかしたらミトコンドリアを愛するより、自分を甘やかしたいかもしれません。そんな方のために、最後の章では、将来わたしたちを救ってくれるであろう最新の研究についてもご紹介します。
あなたの豊かなミトコンドリアライフのために、是非最後までお読みください。
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