見出し画像

姿勢に関するネット情報の8割は誤り④よい姿勢を意識しなさいーは間違い




1  良い姿勢をするように意識していませんか?



私が姿勢の話をすると、
「いつも良い姿勢をとるように気を付けています」
という答えが返ってくることが多い

「右肩が下がっていますね」「体が左に傾いていますね」
というと、「姿勢を正すようにしているのですが・・・」
と皆さん気にはしておられるようで、まっすぐにするように
気を配っておられるご様子。

確かにネットにも、
「日常生活や仕事中に「良い姿勢」を意識することが大切である。」
そして、
「悪い姿勢に気づいた都度に直しましょう!」
と、書いてありますね。

でも、これって何かおかしいと思いませんか?
背中が丸まったり、傾いたり、捻じれたりするのは、
日頃の癖が原因なのでしょうか?

姿勢が悪くなることや体がゆがむのは、
結果であって原因ではないはずです。
それなのに、結果である姿勢の悪さを
気を付けて直していることに意味があるのでしょうか?

姿勢が悪くなったり、体がゆがむ原因を無視して、
形だけ取り繕っても、痛みや不快な症状は改善されません。

雨漏りした時、床をきれいに拭いても
根本的には意味がないことと同じです。


2 良い姿勢を取ろうと意識するほど体が歪む!?


実は、良い姿勢を取ろうと意識するほど
体がゆがむ傾向があります。

例えば、頭の上や背中の後ろで手を組んで、
背筋を思い切り伸ばしたとします。
背中の筋肉は、強く引き伸ばされます。

筋肉が引き伸ばされ過ぎると、
反射が起きて縮んで元に戻ろうとします。
そのため、伸ばしたつもりがかえって
筋肉が縮んで背中が丸くなることも
ありうるわけです。

また、左に傾いている人が右に体を傾けて
バランスをとろうと気を付けたとします。

脳は、体が右に傾けられていると察知して、
左に傾けてバランスをとろうとします。
その結果、右に傾けたつもりが、
かえって、左に傾いてしまうことも起こりかねないのです。

また、良い姿勢を取り続けることは、
交感神経が絶えず緊張している状態にあるので、
筋肉や神経が過緊張することで、体もゆがみやすくなります。

「足を組む」「立て膝をする」「あぐらをかく」
など、つい取ってしまう姿勢の癖は、
体がリラックスする姿勢です。

その姿勢をとることにより、体をメンテナンスして、
疲れてこわばった体が リセットされるのです。

むしろ、ゆがみをリセットさせる行為なので、
疲れたら足を組んだり、立て膝をして
リセットさせることをオススメします! 


3 痛みを我慢して動かすと体は歪んで動けなくなる


「膝の痛みのある人は、痛みがあっても歩かないと歩けなくなる」
「腰の痛みのある人も、動かないと体が固まって動けなくなる」
「四十肩・五十肩の人も、痛みを我慢してでも動かさないと、
肩が固まって上がらなくなる」
などの記事を、ネット上でよく目にします。

よく考えてみてください。痛みや動きの悪さには原因があります。
原因を解決しないで、やみくもに動かしたり歩いたりすれば
かえって悪くなることも多いのです。

たとえば、ぎっくり腰、寝違えなどは、
筋肉の急性のけいれんであることが多く、
けいれん状態にあるのに無理に動かすことで、症状は悪化します。

また、四十肩・五十肩も、
腱の硬化や関節包の柔軟性の低下などにより
腕や肩関節の動きが悪くなるわけです。
その状態で無理に肩を上げたり回したりすれば、
肩は「動かしてくれるな!」というが如く、腱や関節は拘縮し、
さらに、石灰が沈着するなどして、ますます固まってきます。

膝の痛みを我慢して歩くことで、
膝の変形の原因となる〔O脚〕がひどくなったり、
腕や手先を使い過ぎることで
巻き肩がひどくなることにも つながります。

腰の痛みを我慢して動くと、全く動けなくなることや、
脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアに移行することもあります。


もちろん、ギプス固定後の関節拘縮、脳梗塞の後の麻痺、
脳の誤動作による痛み、運動不足により筋肉や関節が固まる場合、
動かしたり歩いたりする方が良い場合もあります。

四十肩・五十肩の緩解期、関節炎・関節捻挫の回復期など、
痛みは無くなってきても、可動制限が残る場合には、
動かす方が改善を早める場合も多いです。

しかし、やみくもに動かしたり、歩いたりするのではなく、
原因や状態にあった方法で動かす必要があります。

何より、痛みの出ている原因を解決するのが先決です。
痛みが無くなれば、頑張らなくてもまた動けるようになります。

これらの一例をもって、
「すべての疾患、痛みが、体を動かすことでよくなる」
というネット情報により
誤解を生んでいるのは問題だと思われます。


4 筋トレすると体のゆがみや痛みが治るという誤解


筋トレをすることで、骨盤や肩甲骨のゆがみが整って、
背筋がまっすぐになるという誤解、
筋トレをすると膝や腰などの痛みが無くなるという誤解。

以前、武田真治さんと筋トレのテレビ番組にも出演されていた
大学教授の先生の講習会にて、
「私は筋トレを一日に 5、6時間してきましたが、
その結果、背骨や膝の軟骨がほとんど無くなり、
夜中に痛みにより何度も目が覚めます」と告白され、
「筋トレをすることで痛みが無くなること、先ずありません」
と断言されたのが衝撃的でした。

体のゆがみは、筋肉の緊張バランスにより起こってきます。
そのため、筋トレよりはストレッチ系の方が効果的です。

その1「ネット上にはびこる都市伝説」でお話しましたように、
「伏臥上体反らし」が苦手な人が、背筋を強くする筋トレを
いくら頑張っても全く効果がないのは、
サバンナの八木さんの「伏臥上体反らし」の結果や
競艇選手になる試験を受けた際に、
「上体反らしができない」という理由で
何度も落ち続けた青年の例からしても明白です。

「伏臥上体反らし」が苦手な人は、生まれ持った前重心の人
「伏臥上体反らし」が得意な人は、生まれ持った後ろ重心の人
で、努力しても、限界があるのです。

また、筋肉や神経が過緊張した状態で筋トレをすることで、
痛みもさらにひどくなることも少なくないのです。

筋トレは、老化防止、転倒防止などには効果があるものの、
歪みの矯正や痛みの緩和に効果がないといえます

「何にでも筋トレは効果がある」というのは、
ネット情報が生んだ誤解といえますね。


5 痛みやゆがみは重心を中央に寄せることで改善する


痛みやゆがみは、
前後、または左右の重心が、真ん中より
許容範囲を超えてズレたことで起こってきます。

例えば、後ろ重心がひどくなると、
骨盤が後傾して腰が後ろに曲がり、へっぴり腰になります。
右重心の偏りがひどくなると、
右脚が長くなり、立った時には右の骨盤が上がり、
時計回りに骨盤がねじれます。

これらのゆがみにより、体の各所に痛みや症状が発生します。
これらは、重心を中央方向に寄せることで改善できます。

その方法としては、私は反射を用いる方法で行います。
まず、自分のズレている方向に骨盤や肩甲骨を動かします。

前重心の人は息を吐きながら、
前傾側の腸骨を さらに前傾させるように動かした後、
息を吸いながら 刺激を解いた時に 
後傾側に戻ろうとする作用を利用して
重心を真ん中に寄せます。

後ろ重心の人は 息を吐きながら、
後傾側の腸骨を さらに後傾させるように動かした後、
息を吸いながら 刺激を解いた時に 
前傾側に戻ろうとする作用を利用して、重心を真ん中に寄せます。

女性の患者さんが、新型コロナウイルス感染症に罹った際、
ひどい咳き込みにより、腰に響く痛みが発生し動けなくなったそうです。
自宅待機期間のため、病院や私の施術所にも行けなかった際に、
この方法により楽になったのだそう。

前重心の人は
右側の腸骨を
特に意識して前傾させる

後ろ重心の人は
左側の腸骨を
特に意識して後傾させる

 

前重心の人は
左側の腸骨を
特に意識して前傾させる

後ろ重心の人は
右側の腸骨を
特に意識して後傾させる  

左右の重心の偏りに関しては、
右重心のタイプの人は 右に骨盤をスライドさせ、
左重心のタイプの人は、左に骨盤をスライドさせるよう動かします。
この動作を、息を吐きながら行います。

刺激を解いた時、骨盤が逆方向に戻ろうとする作用を利用して、
息を吸いながら 重心を真ん中に寄せるように誘導します。

右重心タイプ


左重心タイプ

ネットの情報では、動きにくい方向に、
頑張って動かすように心掛けることを推奨しています。
動きにくいのには原因があるのに、それを無視して
動かすように努力するほど体は壊れます。

このように、まずは、やりやすい側に動かすことが重要で、
いきなり動かしにくい側、ゆがみの矯正方向に動かさないことが、
セルフケアの秘訣です。

いきなり、無理に矯正しようとする刺激は、
逆効果になるリスクがあります。

動かしやすい側に 可動いっぱいまで動かして、
戻ろうとする作用を利用して矯正する方法が、
リスクなく目的を確実に行える方法といえます。


#創作大賞2026 #オールカテゴリ部門



いいなと思ったら応援しよう!