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静かな退職の時代に、仕事の幸せを考える― 働きやすさと働きがいの視点から

最近、「静かな退職(Quiet Quitting)」
という言葉を目にすることが増えました。

会社には在籍しているが、
心理的には距離を置き、最低限の仕事だけをする働き方、のことです。

この言葉はややもすると
社員個人の「やる気の問題」として語られることがあります。

しかし、経営相談の現場で会社を見ていると
少し違う景色が見えてきます。


静かな退職は社員の問題なのか

社員が力を出さなくなっている会社には
いくつかの共通点があります。

例えば
・努力が評価されない
・仕事の意味が見えない
・自分で決められる裁量がない
・安心して意見を言える空気がない

このような環境では
人は次第に「力を出さない働き方」を選ぶようになります。

やる気がないのではなく
やる気を出しにくい構造になっているのです。

静かな退職は
社員の姿勢の問題というより
組織の設計の問題のように思います。


仕事は本来、人を幸せにする

ここで思い出す言葉があります。

日本理化学工業の会長を務められた、故・大山泰弘さんは
人の幸せについてこう語っています。

人が幸せを感じるのは
1 人に愛されること
2 人に褒められること
3 人の役に立つこと
4 人に必要とされること
の四つである。

そして、愛されること以外の三つは
仕事を通じて得られると話されていました。

仕事とは
単に生活のための手段ではなく
自分の存在価値を感じる場でもあるのだと思います。

人が褒められ
役に立ち
必要とされる。

こうした実感は、
職場の環境と、仕事の意味の両方があって
初めて生まれるのではないでしょうか。

そこで大切になるのが、
働きやすさと働きがいです。


人の幸せと「静かな退職」の関係図

働きやすさと働きがい

人が力を発揮するためには
働きやすさ働きがいの両方が必要です。

働きやすさは
労働時間や待遇、職場環境などの問題です。

一方で働きがいは
自分の仕事が
誰の役に立っているのか
必要とされているのか、
という、仕事の意味の問題です。

働きやすさは「環境」の問題。
働きがいは「意味」の問題です。

この二つが揃ったとき
人は本来の力を発揮します。


静かな退職の反対とは

「静かな退職」という言葉の
反対は何でしょうか。

私はそれを
「静かな貢献」と呼びたいと思っています。

目立たなくても
誰かの役に立つ仕事をする。

必要とされる役割を
誠実に果たす。

多くの会社では
こうした働き方によって
組織が支えられています。


静かな退職を防ぐ、経営の役割

静かな退職を
社員の問題として見ると
解決策は見つかりません。

けれど、人が
褒められ、役に立ち、必要とされる。

そう感じられる仕事の場を
どう設計するか。

そこに、経営の役割があります。

人が力を発揮する会社は
結果として長く続きます。

利益を出しながら
品格を保つ経営とは
こういうことなのだと思います。

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