1999年、インターネットの波に乗れなかった自分へ
1990年代後半。堀江貴文さんはオン・ザ・エッヂを立ち上げ、インターネットビジネスの最前線を走っていた。三木谷浩史さんは楽天市場を開設し、「ネットで物が売れるわけがない」という常識をひっくり返そうとしていた。藤田晋さんはサイバーエージェントを創業し、広告の未来をインターネットに賭けていた。
同じ頃、自分は何をしていたか。
エロ画像を探していた。
ダイヤルアップ回線の「ピーヒョロロロ」という音を聞きながら、画像が上から1センチずつ表示されるのを息を止めて待っていた。目の前にはたしかに同じインターネットがあった。可能性は全員に等しく開かれていた。でも自分には、それが「時代を変えるもの」には見えなかった。
見えていた人たちが先に動き、見えなかった自分は、回線速度に一喜一憂していただけだった。
あれから25年以上が経って、もう一度、同じ種類の波が来ています。
今度はAIという名前で。
そして今回は、見逃しませんでした。17年間続けてきたEC・Web運用の経験にAIを掛け合わせて、2社目となるMirai&株式会社を起業。2025年7月のことです。
この記事は「AIを学んだら人生が劇的に変わった」という話ではありません。もう少し地味で、でもたぶんもっと大事な話です。AIに触れたことで「自分にはこの選択肢もあったのか」と気づいた、その感覚について書きます。
AIを学んで変わったのは、スキルではなく「見える景色」だった
きっかけは、スペインのグラナダでした。アルハンブラ宮殿で有名なあの街で、ちょっとした買い物のために路上パーキングに停めた。10分くらいだからいいか。戻ってきたら、ワイパーにAirPodsくらいの小さなレシートが挟まっていた。薄い文字のスペイン語で、正直ゴミかと思った。念のためChatGPTに画像を送って聞いてみたら「駐車違反の通知です。罰金は2〜3万円ですが、すぐ支払えば5ユーロで済みます」と返ってきた。支払い方法を聞いたらそれも案内してくれて、その場で完了。言葉のわからない異国で、AIが通訳兼弁護士兼秘書になった瞬間でした。
帰国してから、AIへの関心が一気に変わりました。「業務を楽にするツール」ではなく、「自分の判断力を拡張するもの」として見え始めたのです。
17年間、EC運営とWeb運用の現場で積み上げてきた知見。自分にとっては当たり前の知識です。ただ、AIを介したとき、その「当たり前」が別の角度から動き始めました。
たとえば、自分の頭の中にあるSEO設計の判断基準。言語化してAIに渡してみたら、記事制作の進め方が根本から変わった。自分一人では月に数本が限界だった作業が、AIとの協業で倍以上のペースに引き上がりました。
変わったのは「できること」の量ではありません。「自分の経験がどこまで届くか」の射程が変わったのです。
17年分の経験は、自分の手と頭だけで使う限り、一人分の仕事にしかならない。でもAIに渡せば、その経験を別の場所で、別の時間に、同時に動かせる。
この気づきが、2社目の起業につながりました。「AI人格」という商標を取得し、プロンプト設計を中核にした事業を立ち上げた。Upworkで海外案件にも挑戦した。どれも、AIに触れる前には想像すらしていなかった選択肢です。
ただ、自分だけの話なら「運が良かったですね」で終わる。ここからは、同じことが今、社会全体で起きているという話をさせてください。
AIを活用できる人材を、企業はどれくらい求めているのか
IPA(情報処理推進機構)が発表した「DX動向2025」によると、日本企業の85.1%がDX推進人材の不足を感じています。85%です。つまり、あなたが今働いている会社もこの中に含まれている可能性が高い。AIやデジタル技術を業務に活かせる人材を、ほとんどの企業が探し続けている状態です。
「AIに仕事を奪われるのでは」という不安をよく耳にします。でも、現場で起きていることはその逆です。
レバテックが企業担当者1,000名・IT人材3,000名を対象に実施した「IT人材白書2026」を見ると、4割超の企業が前年よりIT人材の採用数を増やしていました。AI導入済みの企業に絞ると、約7割が「今後さらに増員する予定」と回答しています。AIを入れた企業ほど、人を減らすどころか「もっと欲しい」と感じているわけです。
世界に目を向けても傾向は同じです。世界経済フォーラムの「仕事の未来レポート2025」は、2030年までに世界全体で現在の総雇用の14%に相当する新規雇用が生まれると予測しています。その牽引役がAI・データ関連の職種です。
ここで強調しておきたいのは、「AIエンジニアになりましょう」という話ではないということ。
求められているのは、プログラミングの専門家だけではありません。自分の仕事にAIをどう組み込むか考えられる人。AIの出力を評価して、修正方針を出せる人。つまり「今の仕事の経験値 × AI」ができる人です。
エロ画像を探していた頃と構造は同じです。インターネットはプログラマーだけのものではなかった。今のAIも、使う側に回るのに特別な学歴や資格は要りません。
起業、転職、副業。AIスキルが開く3つのドア
自分の場合は起業でした。でもそれは、17年のEC経験とAIの掛け算がたまたま「事業化」という形になっただけで、全員が起業すべきだとは思いません。
AIスキルが開く扉は、起業だけではないからです。
たとえば転職。先ほどのレバテックの調査では、IT人材の約6割が転職によって年収アップを実現しています。100万円以上上がったケースも約2割。AIを業務で使いこなせるかどうかが、転職市場での評価を分ける時代に入っています。
たとえば副業。自分はUpworkという海外クラウドソーシングで、AIスキルを活かした案件を獲得しました。最初の半年は月1,500ドル(約24万円)の継続案件。クライアントの本国から担当者が来日するほど信頼関係が深まり、業務拡大で次の半年は月2,000ドル(約32万円)に上がりました。さらに新しい提案も進んでいます。AIを使いこなせることが、国境を越えた仕事の入口になったのです。
そしてもう一つ、見落とされがちな選択肢があります。「今の会社に残ったまま、立場を変える」ということ。
DX推進人材が足りないと感じている企業が85%。ということは、社内で「AIを使って業務を改善します」と手を挙げるだけで、役割が変わる可能性があります。AI活用の旗振り役を担える人材は、まだ圧倒的に少ないのが現実です。
転職するかどうかは、後から考えればいい。副業を始めるかどうかも、起業するかどうかも。大事なのは「自分にはこんな選択肢もある」と知っていること。それだけで、日々の判断の質が変わります。
「選択肢を持っている」という安心感の正体
インターネット黎明期、自分には選択肢が見えていませんでした。目の前にチャンスがあったのに、それをチャンスだと認識できなかった。
AIに触れて最も変わったのは、年収でも肩書でもなく、「いつでも動ける」という感覚です。
今の仕事が好きなら、続ければいい。もし状況が変わったとき、AIスキルがあれば「次の一手」を自分で選べます。起業でも、転職でも、副業でも、社内でのポジションチェンジでも。
その感覚があるだけで、毎日の仕事への向き合い方が変わります。「ここにしかいられない」と思って働くのと、「ここにいたいからいる」と思って働くのは、同じ場所にいても景色がまるで違う。
25年前、エロ画像を探していた自分に声をかけられるなら、こう言うと思います。
「お前が見ているその画面の向こうに、人生を変えるものがあるぞ」と。
でも、当時の自分にはきっと伝わらない。
だから、今この記事を読んでいるあなたに言います。今あなたが触れているAIという技術の向こう側に、まだ見えていない選択肢があります。それは転職かもしれないし、副業かもしれないし、起業かもしれない。あるいは、今いる場所での新しい役割かもしれない。
大事なのは、今すぐ何かを決めることではなく、「選べる自分」になっておくことです。
あの頃見逃した波を、もう一度見逃す必要はありません。
あとがき
種明かしをします。この記事は、AIを使って書いています。
Greenさんから広告案件のお話をいただいて、企画の方向性を決めて、構成を組んで、本文を仕上げて、修正を重ねて公開まで。かかった時間は、小一時間でした。
AIを使っていなかった頃の自分なら、丸一日かけて書く原稿です。テーマを決めて、構成を考えて、データを調べて、一文ずつ悩んで、読み返して直して、また悩んで。それが一日がかりの「力作」になる。
今は、自分の考えや体験をAIに伝えて、一緒に組み立てていく。自分の頭の中にあるものを引き出す相手がいるから、形になるまでが速い。中身が薄くなるわけではなく、「考える時間」と「形にする時間」の比率が変わるのです。
この記事で「AIで選択肢が増えた」と書いてきました。
その一番身近な証拠が、今あなたが読み終えたこの記事そのものです。

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僕がAIに魅せられた理由は↓
