ライターの私が、本名からペンネームに変えた理由
ライターとして活動していると、どの名前で仕事をするかについて考える機会があると思います。
私自身も、これまでに何度か活動名を変えてきました。
現在は「小花絵里」というペンネームで活動しています。
これは本名ではありませんが、本名に限りなく近い形にしています。
なぜ、あえてそのような名前を選んだのか。
本名で書いていた時期もあります。
そこからペンネームに切り替えるまでに、いくつかの出来事がありました。
今回は、本名からペンネームに変えるまでの経緯と、今もペンネームを使い続けている理由を時系列で振り返ります。
最初は「ERI」として書き始めた
私がライターの仕事を始めたのは、会社員時代に副業をしていた頃です。
クラウドワークスを通じて、記名記事を書く仕事を受けました。
その案件では、記事に掲載する著者プロフィールを提出する必要がありました。
そこで初めて、ライターとしてどの名前を使うかを考えることになったのです。
最初につけたのは「あずさ」という名前でした。
なぜこの名前を選んだのかは、今となっては覚えていません。
それくらい、深く考えずに決めた名前だったと思います。
当時は、インターネット上に本名を出すことに抵抗がありました。
自分で管理しているブログなら記事を削除できますが、他社のメディアに掲載された記事は、あとから「やっぱり消したい」と思っても自分の意思だけでは消せません。
そのことに怖さを感じていました。
一方で、本名以外にどのような名前を使えばよいのかもよくわかっていませんでした。
いったん「あずさ」で書き始めたあと、本名の名前部分をローマ字にした「ERI」へと変更しました。
こちらにも、特別な意味があったわけではありません。
その後は、本名での執筆が条件となっているメディアでは本名を、それ以外では「ERI」を使うようになりました。
実績が二つの名前に分かれてしまい、同じ人が書いていると気づかれにくいことには当時からうっすらと気づいていました。
ただ、どちらかに統一すべきなのか、統一するとしたらどちらがよいのかまではわからず、そのまま使い分けていました。
当時の私はライターとして長く活動することも、自分の名前で実績を積み上げていくことも考えていませんでした。
「ERI」は将来を見据えて選んだ活動名ではなく、本名を出したくない私がひとまず選んだ名前だったのです。
先輩ライターの助言で、本名に切り替えた
フリーランスになる前後、Twitterで活動名について投稿したことがありました。
そのとき、すでに活躍していた先輩ライターから返信をいただきました。
正確な言葉は覚えていませんが、「本名の方が仕事につながりやすい」という趣旨の内容だったと思います。
経験を積んでいる方からの助言だったため、まずは本名を使ってみようと考えました。
本名をインターネット上に公開することへの抵抗や、身元を知られる怖さがなくなったわけではありません。
それでも、仕事のためなら仕方がないと思い、本名で活動することを選びました。
名義の切り替えは、新しく受ける仕事から始めました。
もともと本名で書いていた案件もあったため、これから本名を使えば、別々になっていた名義を少しずつそろえていけるとも考えました。
一方で、「ERI」名義ですでに公開されていた記事はそのまま残しました。
さまざまな掲載先に連絡し、名義変更をお願いするのは面倒に感じたためです。
これからライターとして仕事を続けていくなら、本名で実績を積み上げる方がよいのだろう。
記事が増えれば、いつか名前で検索されるようになり、そこから新しい仕事につながるかもしれない。
当時の私は、そんな未来を思い描いていました。
本名で書いてみて気づいた問題
本名で書いた記事が複数のメディアに掲載されるようになった頃、自分の名前を検索してみました。
出てきたのは私の記事ではなく、お花や花柄のワンピースでした。
私の苗字は、漢字一字の「花」。
姓名の区切りが当時の検索エンジンにはうまく伝わらず、人名として認識されにくかったのかもしれません。
名前に旧字体が使われていることも、検索結果がまとまりにくい一因だったのではないかと思います。
プロフィールをそのまま反映してくれたメディアでは旧字体で掲載されていましたが、別のメディアでは新字体になっていました。
私が提供したプロフィールをコピーしたか、メディア側で名前を入力し直したかによって、表記が分かれていたのではないかと思ってます。
旧字体の名前を持つことで困った経験は、それまでにも何度かありました。
そのため、「今回もまたか」という感じでした。
自分の記事を見つけるために、検索方法を変えながら熱心に探したわけではありません。
「この人に頼みたい」と名前を検索する人が、完全に一致する表記が見つかるまで手間をかけて探してくれるとは思えなかったからです。
ライターは、私のほかにもたくさんいます。
それよりも気になったのは、検索結果の下の方に、私が書いた記事を無断転載したような怪しいサイトが表示されたことでした。
本名を検索しても正規の記事には簡単にたどり着けないのに、無断転載と思われるサイトは見つかる。
かなり嫌な気持ちになりました。
抵抗を押し切って本名を公開したのに、名前で検索しても自分の記事にはたどり着けない。
むしろ、無断転載サイトの方が見つかりやすい。
これでは、本名にした意味がないのではないか。
と、感じるようになりました。
仕事の上で、実際に大きく困ったことがあったわけではありません。
ポートフォリオには「ERI」名義と本名の両方の記事を載せていましたし、プロフィールを見れば同一人物だとわかる状態ではありました。
それでも、本名を使い続けるべきか、別の名前に変えるべきかという迷いは消えませんでした。
とはいえ、すでに本名で書いた記事は増えていました。
ここでまた名前を変えれば、実績がさらに分かれてしまいます。
これまで本名で積み上げてきたものを手放すような気もして、すぐには決断できませんでした。
しばらくは迷いを抱えたまま、本名で活動を続けました。
出産休業を機に、本名に近いペンネームへ
1人目を出産したあとは、子どもが年少で入園する頃まで休業するつもりで、仕事はいったんすべて止めていました。
ただ、当初の予定よりもかなり早い段階で、またライターとして働きたいという気持ちが出てきました。
復帰を考える中で悩んだのが、執筆者プロフィールに載せる名前です。
本名で再開することには、かなり抵抗がありました。
名前については、休業前からずっと悩んでいました。
検索しても自分の記事にたどり着きにくいことや、怪しい無断転載サイトの方が表示されてしまうことも気になっていました。
ただ、それ以上に大きかったのは、本名で書き続けること自体がもう嫌になっていたという気持ちです。
仕事のためだからと自分に言い聞かせてきましたが、休業を挟んだことで、本名で活動することへの違和感をはっきり自覚するようになりました。
本名で書いた記事を手放すようで、迷いはありました。
それでも、当時の活動歴はまだ1〜2年ほどです。
これから新しい名前で、また積み上げていけばいい。
仕事復帰を機に名前を変えることにしました。
ただし、まったく別人のような名前にするつもりはありませんでした。
これまでの実績とのつながりを残したかったですし、何より自分の名前を気に入っていたため、読みは「えり」のままにしました。
本名をもとに苗字と名前の漢字を少し変えて、「小花絵里」という名前をつくりました。
漢字を選ぶ際には、好きだった人物や作品からも影響を受けています。
苗字は、大好きな少女漫画家である小花美穂先生から。
名前の「絵里」は、モーニング娘。の亀井絵里さんや『ラブライブ!』の絢瀬絵里ちゃんが好きだったことから選びました。
新しい名前を使い始める前には、同じ名前で活動している人がいないかも確認しました。
すでにその名前を使っている人の検索結果を、あとから邪魔したくなかったためです。
2020年当時、少なくともGoogleやSNSで検索した範囲では、同名で活動している人は見当たりませんでした。
そこで、新しく受ける仕事から「小花絵里」を使い、SNSやプロフィールもすべて変更しました。
すでに公開されていた記事についても、連絡できる範囲で名義変更をお願いしました。
変えてもらえた記事もあれば、本名のまま残っている記事もあります。
仕事上の契約や本人確認には本名を使い、記事やSNSでは「小花絵里」を使う。
現在は、そのように使い分けています。
掲載名としてペンネームを使うことについて、これまでメディアから変更を求められたことはありません。
名前を変えてからは気持ちが軽くなり、以前よりも発信しやすくなりました。
検索されにくさを解消したかったことも、ペンネームに変えた理由の一つです。
ただ、最後に決断を後押ししたのは、もう本名で活動したくないという自分自身の気持ちでした。
行政書士になっても、発信ではペンネームを使い続ける理由
行政書士として活動するにあたり、SNSやnote、ブログの名前まで本名へ変更するか、改めて考えました。
資格業であれば、本名の方が信頼してもらいやすいのではないか。
登録名と発信名もそろえた方が、依頼者にとってわかりやすいのではないか。
そう考えて、本名への変更を具体的に検討しました。
もちろん、行政書士としての登録や契約、依頼者への対応で本名を使うことには迷いはありません。
悩んだのは、ライターとしての記事や、note、SNSまで本名に統一するかどうかでした。
結局、発信名まで本名へ戻すことには、どうしても気が進みませんでした。
仕事上の支障があったからではありません。
単純に、本名をオンライン上で大々的に使いたいとは思えなかったからです。
苗字と名前を並べたときの見た目のバランスや読みにくさ、検索との相性も以前から気になっていました。
もっと読みやすく、発信名として使いやすい本名だったら、そのまま使い続けていたかもしれません。
そこで、行政書士としての正式な場面では本名を使い、ライターとして記事を書くときや、note、SNSで発信するときは「小花絵里」を使うことにしました。
本名を隠しているわけではありません。
オンライン上で少し探せば、私が本名で書いた過去の記事にもたどり着けますし、自分のホームページからもリンクを貼っています。
必要な場面では、きちんと本名を示しています。
それでもペンネームを残したのは、これまでのライター活動や発信を、これからの行政書士としての仕事にもつなげたかったからです。
「小花絵里」という名前で続けてきた記事やnote、SNSを見てもらえば、私がこれまで何を考え、どのような仕事をしてきたのかをまとめて知ってもらえます。
行政書士用に別の発信名やアカウントを作り、活動を分けて管理するよりも、これまでの延長線上で発信を続ける方が自然だと考えました。
私の今の目標は、今暮らしている北陸、地元の関東など、場所にこだわらず好きな場所で働くことです。
行政書士の仕事も、オンラインを中心に広げていきたいと思っています。
そのためにも、これまでのライターとしての発信とこれから始める行政書士としての活動を切り離さず、一人の仕事としてつなげていきたいです。
正式な場面では本名を使い、オンライン上の発信では「小花絵里」を使う。
今の私には、この使い分けがいちばん自然に感じています。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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