行政書士の開業に向けて、事業計画書を作ってみた話
2025年11月、行政書士試験が終わってから合格発表までの約3か月間。
私は、ただ結果を待つのではなく、開業に向けて動くことにしました。
その中で取り組んだことの一つが、事業計画書の作成です。
事業計画書を作らなくても行政書士の仕事を始めることはできますが、私は作ってよかったと思っています。
ふんわりとしていた開業のイメージが、言葉と数字になって、具体的な形を持ち始めたからです。
誰に、何を届けるのか。
どうやって収益を立てるのか。
私の強みは何で、どう差別化するのか。
事業計画書を書くことは、自分の事業と向き合う時間でした。
この記事では、私がなぜ事業計画書を作ろうと思ったのか、何を書いたのか、そして書いたことで何が変わったのかを書いていきます。
これから開業を考える方にも、事業計画書のヒントになれば嬉しいです。
事業計画書を書こうと思ったきっかけ
最初のきっかけは、夫所有のアパートを事務所にしたい、できたら買いたい。という融資相談でした。
事務所を買いたいと思い、日本政策金融公庫や信用保証協会に融資の相談をしました。しかし、事業規模を考えると多額の借り入れは現実的ではなく、物件を買うのは諦めることに。
夫と相談して、当面は夫から借りる形になりました。
公庫と保証協会に創業融資の相談をした話は、「事務所を買おうとして、公庫と保証協会に相談して諦めた話」にまとめています。
ちょうどその頃、noteでつながった行政書士のLily先生が「創業の無料アドバイス」を先着3名まで募集していて、すぐに応募しました。
ちょうど悩んでいた時期だったので、これはチャンスだと思いました。
融資は受けないから、事業計画書を作る必要はなくなった。でも、せっかく先生に見てもらえるなら、作ってみよう。
そう思って、事業計画書を書くことにしました。
事業計画書のフォーマットは、日本政策金融公庫の創業計画書をそのまま使っています。
また、信用保証協会に相談したときに頂いた創業計画書の作り方が書かれたパンフレットを参考にしながら、とにかく書いてみることにしました。

ぼんやりした開業像を形にする
事業計画書を書いてみて感じたのは、頭の中を整理するための道具になるということです。
項目ごとに考えるたびに、ぼんやりしていた開業のイメージが、少しずつ言葉になり、形になっていきました。
「誰に、何を届けるか」を言葉にする
事業計画書を書き始めて最初に向き合ったのは、「誰に、何を届けるのか」という問いです。
書く前の私は、ぼんやりとしか考えていませんでした。
「起業支援がしたい」。そう思っていました。
しかし、突き詰めて考えると、違うことに気づきました。
私自身がフリーランスライターとして活動してきて、ゼロから始めるときよりも、軌道に乗ってから「もっと広げたい」「もっと安定させたい」と思ったときの方が、支援を必要としていました。
だから、ターゲットにしたいのは、これから始める人ではなく、もっと活躍したい人。
既にフリーランスとして活動している人を支える仕事の方が、私には合っている。
そう気づきました。
どう働きたいか、何を扱うか
取り扱う実務も、書きながら絞り込まれていきました。
「やりたいこと」だけでなく、「どう働きたいか」という視点からも考えます。
できるだけ業際問題を避けたい。専門性を磨ける領域に集中したい。
意欲のある人と一緒に前に進む仕事がしたい。
法人を相手にした方が、やりやすそう。
オンラインで完結できる業務の方が、家族との時間も大切にできる。
そうした条件で考えていくと、自然といくつかの実務に絞られていきました。
法人・個人事業主向けの手続き(会社設立や補助金など)
フリーランス(クリエイター)を支える業務
一方で、事業を伸ばす支援だけでなく、万が一の備え(遺言など)も視野に入れたい。
許認可も興味あり。検討中
このような組み合わせで、事業を組み立てていこうと考えました。
価格設定と収益の考え方
価格設定や収益モデルについても考えました。
正直なところ、まだ完全には決まっていません。ただ、方針は見えてきました。
相場を基準にしつつ、提供価値と作業時間で調整する。極端に安くして消耗するのも、根拠なく高くするのも違うと思いました。
そして、あれもこれも手を広げるのではなく、自分で決めた業務に集中する。その方が、お客様にとっても良いはずだと考えました。
まだ曖昧な部分もありますが、事業計画書に書くことで、少しずつ輪郭が見えてきた感覚がありました。
強みとリスク
競合との違いや、私の強みについても言葉にしました。
ライターとして培ってきた「伝える力」。
フリーランスとして実際に事業を回してきた経験。
この2つが、私の武器になると考えました。
一方で、課題もあります。
行政書士としてはゼロからのスタートであること。
実務経験がまだないこと。
しかし、だからこそ丁寧に発信し、学び続ける姿勢を見せることが大切だと思っています。
事業計画書は、ただの資料ではありませんでした。
頭の中のぼんやりとしたイメージを、言葉と数字に変えていく作業でした。
書き終えたとき、開業が「夢」ではなく「計画」になった気がしました。
事業計画書を書いて気づいたこと
事業計画書を書き終えて、いくつか気づきがあります。
たとえば、「書く」ことで初めて見えるものがあるということです。
頭の中で考えているだけでは、曖昧なままでした。
「なんとなくこんな感じ」で止まっていたものが、書くことで具体的な形になりました。
特に、ターゲットを絞る作業は大きかった。
書く前は「起業支援」という広い範囲で考えていましたが、書いていくうちに「既に活動しているフリーランス」に絞られました。
この絞り込みができたことで、発信する内容も、提供するサービスも、より明確になりました。
売上予測や初期費用など、数字を書く作業は正直、苦手です。
でも、数字にすることで、開業が「いつかやりたいこと」から「具体的な計画」に変わりました。
数字は仮置きです。まだまだ考えなければならないと思っています。
しかし、一度数字にしてみることで、「これくらいの売上を目指すなら、月に何件必要か」といった逆算ができるようになりました。
書き終えたとき、これで完璧だとは思いませんでした。
むしろ、これからも見直し続けるものだと感じています。
開業後、実際に動いてみて、うまくいかないこともあるはず。
そのときに、また見直して、修正していく。
事業計画書は、そういう「成長する道具」なのだと思いました。
融資目的ではなくなった今でも、作ってよかったと思っています。
言葉にして、数字に落とし込んで、形にする。
その過程で、自分が本当にやりたいことが見えてくる。
事業計画書は、私にとって「開業への地図」になりました。
事業計画書は、作って終わりじゃない
事業計画書を作り終えて、「これで終わり」とは思いません。
むしろ、ここからが始まりだと感じています。
事業計画書は、これからも何度も見返すことになりそうです。
たとえば、補助金の申請。
行政書士の先生から、開業後に使える補助金があると教えていただきました。その申請には、事業計画書が必要になるとのこと。
近々、商工会にも相談に行く予定です。
また、マーケティングの資料としても使えると考えています。
自分が何をしたいのか、誰に何を届けたいのかを整理した資料は、発信する際の軸にもなります。
発信のテーマがブレそうになったときに立ち返れる。
noteやSNSで発信する内容も、この事業計画書をベースに考えていこうと思っています。
ただ、事業計画書に書いたことを、そのまま守り続けるつもりはありません。
ターゲット、提供するサービス、集客方法。これらは、実際に動いてみながら、トライアンドエラーを繰り返していくつもりです。
ターゲットがズレるかもしれないし、想定していなかった需要が見つかるかもしれない。そのときは、柔軟に変えていきます。
事業計画書は、一度作ったらそのまま固定されるものではなく、「最初の設計図」のようなものだと思っています。
開業まで、まだやるべきことはたくさんあります。
でも、この事業計画書があることで、進むべき方向は見えています。
これから開業を考えている方がいたら、融資を受ける予定がなくても、事業計画書を作ってみてはいかがでしょうか?
頭の中のぼんやりとしたイメージが、きっと形になっていくはずです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今後もnoteマガジン「行政書士 開業までの準備記録」で、行政書士の開業準備についての体験記を更新していきます。
よろしければスキ・フォローしていただけると嬉しいです!
いいなと思ったら応援しよう!
読んでくださることが何より励みですが、チップも大切に受け取っています。
いつもありがとうございます。