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「仕事」って何だろう~大学生がつづる、コミュニティマネージャーとの対話から得た“幸せな働き方”

武蔵野大学ウェルビーイング学部の学生たちと社会人による対話の企画。今回は、2年生の秦宇宙こすもさん1年生の久野木葵衣あおいさんが、ワークスタイリングでコミュニティマネージャーとして働く阪田裕子さんと、仕事や「働く」について語り合いました。対話からどんなことを感じたのか。学生の2人がつづりました。ぜひ最後まで読んでみてください。


コスモ×裕子さん

裕子さんに感じた、心の中の「余白」

こんにちは、秦宇宙です。

私は、目の前の人の「Doing(何をしているか)」よりも「Being(どうありたいか)」に結びつく「思いや経験」を本人から聞けることが嬉しいです。

そう感じるようになったのは、これまでにありのままの私を大切にしたいと想ってくれる人にたくさん出逢えたからです。私と真剣に向き合おうとしてくれる人に出逢えたことで、他の誰かになろうとしなくても、このままの私で良いんだと思うようになったり、目の前の人を大切にするにはどうすれば良いんだろうと考えたりするようになりました。

だからこそ、私も裕子さんのありのままを大切にしたいと思い、裕子さんが本当にやりたいことを見つけた時の想いに興味を抱きました。

秦宇宙さん(コスモ)

大学卒業後、ラジオ局で番組を作っていた裕子さん。コミュニティマネージャーになるまでの経緯を話してくれました。

ラジオの番組制作はすごい楽しかったんですけど、とても忙しくて。「ラジオ局でずっと働きたいか」とか「ここで仕事するために生まれてきたのか」ってなった時に、ちょっと分からなくなって。「1回仕事辞めてみよう」と思って東京に来ました。そこでいろいろ自分のことを知ったり、自分がやれることが分かったりしてきた時に、「こういうことをやりたいんですよね」って知り合いの人に話したんです。そしたら、「それってコミュニティマネージャーじゃない?」って教えてもらって。

阪田裕子さん
ワークスタイリング・コミュニティーマネージャー。大学卒業後、ラジオ局にて10年間、番組制作を担当。2015年に上京、フリーランスに。ラジオ制作、ライティング、交流会の企画・運営を行う。現在は3つのコミュニティに携わり、イベントや交流会の運営も。

裕子さんが今の仕事を始めたきっかけがさらに気になって、「『こういうことをやりたい』って、どんなことだったんですか?」と尋ねました。この質問は心から知りたいと感じたことでしたが、まるで誰かの言葉を借りているような感覚もありました。これまでに影響を受けてきた表現が自分の中に溶け込み、自然と自分の言葉として出てきて、その言葉で裕子さんの想いを引き出せたことがとても嬉しかったです。

裕子さんは、こう答えてくれました。

みんなで和気あいあい、その場を楽しく過ごしたり。目の前にいる人たちに必要な情報を伝えたり、話を聞いたり。そんなことがやりたかったんです。

裕子さん自身から語られる言葉は、魅力的でした。裕子さんは「世の中のめんどくさいを楽しめる」といった状況の捉え方をしていて、常に心の中に「余白」があるように感じます。裕子さんの「余白」は、反対に「世の中のめんどくさいを楽しめない」と感じる人を救い、裕子さんの姿を見て救われる人がいるのだと感じました。

これは、私の「世界平和」という将来の夢とも重なります。みんながゆとりの中で笑顔になれたり、大切な人と大切な時間を過ごせたりする。そんな豊かな日常に感謝しながら暮らせること。それが私の世界平和の仮決めです。今関わっている人も、これから関わる人も、みんな私の大切な人として「世界平和の仲間」にしたい。そんな世界観を、裕子さんのお話から感じました。

仕事とは「楽しめるもの」

取材の場に一緒にいたカズさん(*ウェルビーイング学部准教授の中村一浩さん)が、裕子さんに「仕事って楽しいものですか?」と尋ねたんです。

裕子さん:私にとっては今は楽しいものだけど、人によっては自己犠牲しなきゃいけないとか、歯食いしばらなくちゃって思ったり、楽しいことしてお金稼げるわけがないと思ったりする。でも私は楽しいものだと信じたいし、みんながそう思ったら、もっと素敵な世の中にはなりそうだなと思います。

カズさん:裕子さんは仕事は楽しむものだと信じたいし、そこに向かってやっているんだろうなと思って。僕も仕事は楽しむものだと思っているので。

裕子さん:そうですね、楽しめるものですね。今の仕事は自分の心を揺らしてくれるようなことが詰まっているから楽しめていると思うけど、同じ仕事でもそうじゃないって思う人もいるかもしれないし、私自身も楽しめない時期がありました。だから捉え方次第なのかなと思います。

裕子さんの「そうですね、楽しめるものですね」という言葉を聞いたとき、素直に相手の言葉を受け取る姿勢と、だけど「私はこう」という軸を感じました。裕子さんは私にとって「桜色の棒付き綿あめ」のような存在です。ふわふわとしていて優しい温かいものを纏っているのに、ちゃんと軸があるから相手も安心して話し出せるんだろうなと感じました。

一度しか会ったことがないから、まだ私の知らない裕子さんもいるとは思うけど、今私の前にいる裕子さんと100%で向き合えたように感じられて嬉しかったです。裕子さんと出会えて、「無理して『わからない』に向き合うよりも、『わからない』ことを楽しんで味わえるくらい、ゆとりを持てた方がいいな」と思えるようになりました。

あおい×裕子さん

マイナスだった「働く」のイメージが変わるまで

ウェルビーイング学部1年の久野木葵衣です。私は仕事に対してマイナスのイメージを持っていました。「辛いことが多く、自分の気持ちや考えは置いといて周りに合わせて人間関係をうまく作っていく」「ストレスが多くなる場所」・・・。ですが、裕子さんと話すうちに、そのイメージが真逆へ変わっていきました。裕子さんは、コミュニティマネージャーという仕事について話してくれました。

ワークスタイリングは「すべてのワーカーに幸せな働き方を」ということを大切にしています。でも、幸せって人によって違うもの。「これがあなたの幸せ」なんてことは提示できないけれど、イベントをしたり雑談をしたり、いろいろな方法で会員さん同士がつながったり、「ちょっと元気になった」「ここに来るとホッとする」と感じたりしてもらいたくて、この仕事をしています。一度つながったら「あの人がいるかもしれないから、また来よう」とか「話せる人がいるこの場所に来ようかな」って感じてもらえたら嬉しいし、その人にとって働きやすいとも思うんです。

この話を聞いたとき「もー好き!!」とときめきました。少し憂鬱な仕事にも、ゆるくつながった人やコミュニティマネージャーさんがいることで、ワクワクする気持ちが混ざる気がしました。誰かに会えて、その人も頑張って働いていると思ったら「自分も頑張ろう」と励まされるとも思いました。

久野木葵衣さん(あおい)

対話の途中、裕子さんと顔なじみの会員の方が通りがかり、実際にこんなことを話してくれました。

ここ(ワークスタイリング)だと新しい考えや意見を聞ける。好みの人だけと会う関係より、ここでは思いがけない出会いがあって、自分にはない意見や新しい考え方に触れられる。それが人生を豊かにすると思うんですよ。

この場に来なければ出会わなかったはずの人や意見に触れられることに、とても惹かれたし、「あ、まさに今、思わぬ出会いをしたな」と感じました。

私自身にとって、人とのつながりは元気の源のような存在です。友達と話す機会が減った時期には不安や孤独を感じたけど、再びみんなと関わることで充足感や活力を取り戻せた経験があります。だからこそ、自分だけでは出会えなかった人や意見に出会える場に強く魅力を感じます。新しい価値観や考え方、思わぬ出会いがそこから広がっていく。その可能性こそが、裕子さんたちが作っている場の大きな魅力だと思います。

自分の凸凹を活かせる場がきっとある

裕子さんに、仕事に対する印象の変化についても聞きました。

大学生のときは学校の先生になることだけを目指していたけど、教育実習で『私には向いていない』と気づいて。だから、そのころは『働く』ということをちゃんと考えていませんでした。そこからラジオの仕事に出会ってがむしゃらに働いて、フリーランスになったとき、自分には「できること」と「できないこと」の凸凹が激しいことを知って。でも、コミュニティマネージャーになって、できる限りのことをやると人に喜んでもらえることが分かった。自分の凸凹を知ることも大事だし、それを活かせる場所もあるって思えたんです。

裕子さんの話を聞いて、安心しました。私はまだ仕事への考えがしっかりしていなくて焦りを感じていて、「大学生のうちに何を仕事にするか選ばないといけない」と思っていました。だけど、社会人になってからの方が、自分の向き不向きや仕事のことについて分かりやすくなると知り、今すぐに決め切らなくてもいいという余裕が心にできました。

裕子さんと話してすっごい楽しくて、ニコニコで沢山の感情がありました。「仕事って意外と楽しそうで、行事前の学生とそんなに変わらないんじゃないか」「自分は、これからの大学生活でどんな経験をしていくんだろう」とプラスなことをたくさん考えていました。そして、今回の取材のように「とりあえずやってみる」ということがどれだけ大切なことか実感しました。この成功体験を活かして、たくさんの挑戦をこれからもしていきたいです!


ウェルビーイング学部の学生たちとの対話。ぜひ、こちらもご覧ください。