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2023年宝塚記念のイクイノックスの体調、調子は悪かったのかの調査・考察


※2026年7月10日追加、加筆

◆ 2023年宝塚記念

レース直前と後の感想しか覚えてなくて忘れてたのですが、どうやら私はちゃんとイクイノックス本命だったようです。
レース前のパドックの様子見て、凄まじい貫禄だったので、これはもの凄い勝ち方するかもと思ったのは覚えています。

後方待機&外差し有利で後方待機&外差しできた神騎乗がハマった好走・優勝

レース自体は超外差し有利、先行不利
イクイノックスはスローで逃げて圧勝した前走ドバイSCとは対照的に最後方から外を回して差し切り勝ち。

それを「強い勝ち方」と評する人達もいましたが、実際にはイクイノックス以外も好走馬4頭(1~4着)全てが後方待機・追走から外を回してきた馬たち。
つまりイクイノックス、ルメール騎手は結果的とはいえ展開に完全に沿う戦法をとった神騎乗で展開にドンピシャのレースをしても僅差だったイクイノックスはもし展開に逆らう先行策をとってしまっていたら、3着以下の可能性もありました。
4着ジェラルディーナは流石にまくりが早すぎて仕掛けが早すぎましたが、それでも3着と僅差の4着。
後方で脚を溜めていた馬は大胆な戦法をとっても善戦好走しやすい展開・馬場だったと言えます。

8着以内、5着ディープボンド以外全て後方待機組。

勝ったものの内容的には仕掛け所で詰まった致命的不利があっても僅差に追い詰めたスルーセブンシーズが上で、能力適性的には本来スルーセブンシーズが勝つレースだったのをルメール騎手の好騎乗で勝たせたレースだったと思います。

中継映像だとイクイノックスが並ばれてから最後に伸びたみたいに見えますが、カメラ角度の問題で実際にはスルーセブンシーズが迫ってきたように見える場面でもまだ1~2馬身前後差があり、スルーセブンシーズが迫ったのは最後の最後です。距離が50m長ければ差されてる可能性が高いです。


◆ イクイノックスの当時の調子の評価

今となっては、2023年宝塚記念の時のイクイノックスはドバイ帰りということや夏で慣れない栗東滞在だったこともあって体調が悪かったという説が出ています。

しかし、当時の私にはその手の噂は全く記憶にありません。
結構1番人気の最強馬に逆らう人や状態や適性を疑問視する予想家も多い「競馬予想TV!」でも当時状態を不安視する声はなかったです。
不安を全て消すための栗東滞在を選択していて、動きも週を追うごとに良くなり万全に近いという考え方が多かったです。
唯一懸念があるとしたら当日の暑さに弱い可能性程度の評価でした。

レース前の調子や体調が悪い評判を今調べてみてもほぼ出てきません。
強いて言えば一週前は前走の激走と海外帰りで疲れがあり慎重に進めているので不安があるかもみたいな話は多少見付かるものの、最終追切は絶好調、確勝級みたいな絶賛記事が多いです。

当時の調教評価記事も高評価が多い

国内外GⅠ3連勝中のイクイノックス(牡4・木村)が8日、滞在中の栗東で第64回宝塚記念(25日=阪神芝内2200メートル)に向けての2週前追い切りを行った。

当地での初追い切りとなったこの日はウッドで単走。序盤は気合乗り良くハミを取っていく様子も見受けられたが、流れの中でしっかり自分のリズムをつくって、3~4角をスムーズにパス。直線を向いてから鞍上に大きなアクションは見られなくても自らギアを一段上げてグイッとひと伸び。パワフルなフットワークでゴール板を駆け抜け、6ハロン84・2―12・2秒をマークした。
 動きを見守った木村調教師は「初めての環境にもトラブルなく、順調にきています」と納得の表情を浮かべていた。

https://jra-van.jp/fun/tokusyu/g1/takaraduka/2023/training.html


ドバイから帰国後は検疫、放牧を経て5月28日に美浦へ帰厩。Wコースで2本追い切られた後、6月4日に栗東入りして5本の追い切りをこなしており、調教量に不足はない。ここ2週はWコースで僚馬と併せ、先週はルメール騎手を背に好時計で追走先着。今週は助手を背に3頭併せの真ん中に入り、手綱を軽く動かされるときっちり最先着した。十分に力を出せる仕上がりだ。

1週前追い切り
栗東・CW・良(ルメール)
7F 95.3-79.3-65.0-50.8-36.8-11.6(馬なり)
ブレッシングレイン(一杯)の内0.5秒追走・クビ先着

ルメール騎手
馬場入りからずっと冷静でした。フットワークも動きも良かったし、状態は良さそう。全てOKですね。3、4コーナーでは自分から動いていった。最後もちょうどいい動きでした」

木村調教師
「最初はきょろきょろと物見をしていたのですが、栗東トレセンの皆さんの協力もあって、なくなってきました。先週よりも慣れてきていることは確かです。このあとにどういった変化をしてくれるかが重要です」

比較的賛否のある1週前ですらルメール騎手の感触は悪くありません、どちらかといえば絶賛で、むしろこれ以上の褒め方があまり思いつきません。
まあ仮に絶不調でも連勝中や連続好走中の馬に「ヤバイです全然駄目です」なんてよほどのことがなければ言わないので、気も遣うでしょうけど。

海外帰りですが1週間前追い切りの段階から順調に仕上がっていて、今週の内容を見る限り本番に向けて仕上がった印象を受けました。
追い切りは文句なしのS評価です。

https://浅次郎競馬.com/takarazukakinen2023training-check/

・イクイノックス
1週前はルメール騎乗でCW36.8-23.4-11.6馬なり。馬場の真ん中を通して1勝クラスのブレッシングレイン強めと併せ馬。楽な手応えでスッと前に出て泰然自若のフットワーク。らくらく半馬身ほど先着。ただ、ゴール前ちょっと口を割っていたのが気になるところ。最終はCW37.4-23.1-11.3仕掛け。馬場の真ん中を通して3頭併せの中。いい気合乗りで馬体を併せ、軽く仕掛けられるとスーーーッと伸びて先着。元々調教で派手なパフォーマンスをする馬ではなく、これだけ動ければ十分だろう。1週前に見られた口向きの悪さも見せなかった好仕上がり。A評価。

https://yuta3oikiri.blog/%e5%ae%9d%e5%a1%9a%e8%a8%98%e5%bf%b5%e8%bf%bd%e3%81%84%e5%88%87%e3%82%8a%e3%83%ac%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%83%8820236-25%e6%97%a5%e3%80%90%e5%85%a8%e9%a0%ad%e8%aa%bf%e6%95%99%e8%a9%95%e4%be%a1/

イクイノックス

最終前:3ヶ月 A+
最終:栗CW 良 併せ先着 強め A+→

最終追い切り前の内容から見ていきますと、美浦トレセンで軽く調教を積んだのち、2週前追い切り前の段階から栗東トレセンへ移動して調整が進められています。C.ルメール騎手を背に行われた1週前追い切りで口を割っていた点は少し気になりましたが、動きや追い切り内容自体は良さげでしたし、海外帰り緒戦になるという点について過剰に気にする必要はなさそうですので、ほぼほぼ順調にきているというイメージで良いのかなと思っています。栗東トレセンへ移動した後はウッドチップコースと坂路併用で良く乗れていますし、こなしている追い切り内容の質も高いものが並んでいるなという印象ですので、今のところは栗東滞在調整というのが悪い方へ出ているとは思っていません。むしろ抜かりなく攻め切れており、滞在したことが良い方へ振れる可能性も十分にあると判断していますので、あともうひと追いで更なる良化を遂げてくるようなら楽しみです。その最終追い切りですが、栗東滞在調整という環境の違いがありますので、最後まで抜かりなく攻め切れたという点にはまず第一に好感が持てますし、肝心の動きもこの馬なりに良かったのではないかとみています。海外帰り緒戦に加えて、いつもと異なる環境での調整と、難易度が高い中間の過程にはなったと思うのですが、比較的上手く乗り切れたというイメージですし、Glを使うに相応しい状態に持ってこれたのではないかと判断していますので、2023年国内初戦でどれだけの走りを披露してくれるのか注目です。最後に個人的な見解を補足として述べさせていただきますと、前走で逃げたことと、1週前追い切りで口を割っていたこと、初物づくしの環境というのが諸々合わさって、悪い方に出る可能性も1つ視野に入れておくべきなのかなと考えているので、当日の気配を確認出来る方はチェックした方が良いのかなと思っていますし、ダントツ1番人気のこういった局面こそ、考えを改めるじゃないですけど、自分でよくよく思考して、この馬を強く買う方々は納得のいく状態で勝負すべきなのかなと感じます。


上記動画主の竹内氏はクッション値を理由に2023年宝塚記念ではイクイノックス軽視に切り替えていましたが、調教評価は最高級の評価をつけています。

※個人的には調教に関しては自分では映像も見たり見なかったり、時計も見たり見なかったり、
また調教専門の予想家や評論家の話も話半分で見たり聞いたりすることが多いのですが、
最も調教評価の考え方について参考にしているのが竹内氏です。

◇鈴木康弘氏「達眼」馬体診断

 未完の大器がついに完成した。鈴木康弘元調教師(79)がG1有力候補の馬体を診断する「達眼」。春のG1シリーズを締めくくる「第64回宝塚記念」(25日、阪神)ではG13連勝中のイクイノックスに異例の150点をつけた。達眼が捉えたのは進化を遂げた完熟の立ち姿
(中略)
これ以上は望むべくもない磨き抜かれた馬体。昨年の皐月賞時から馬体診断のたびに「未完の大器」と言い続けてきましたが、ついに完成の域に達しました。

直前馬体診断でも当時自己最高の150点評価。※100点満点
この秋にはこれを超える200点の評価をつけていましたが、この当時に満点をも超える150点の特別評価をした中で豪華ではないメンバーの中で意外と危ないレースになってしまったことで、秋はどこかで150点を超える点数をつけなければいけないという考えがあったかもしれません。
この当時で「完成の域」とか100点満点を超える評価をつけているので、少なくとも悪く見ようとしても、調子が悪い方向に捉えるのは難しいほど良い状態だった可能性が高いと言えます。

 各トレセンで連日、競走馬の動きを目の当たりにする東スポグループの調教班たちがここに集結。宝塚記念出走馬全17頭の追い切りを忖度(そんたく)なしの〝10点満点〟で厳しいジャッジを敢行した。果たして、栗東の記者4人の採点結果は?

【高岡功記者】
1位  ジャスティンパレス  9・3点
2位  スルーセブンシーズ  9点
3位  イクイノックス    8・8点


【清水友哉記者】
1位  イクイノックス    9・5点

【芝井淳司記者】
1位  イクイノックス    9点

【松浪大樹記者】
1位  イクイノックス    10点

https://note.com/keen_mink364/n/ne0700044ccb7

実際、宝塚記念の1週前くらいまでは、負ける可能性をかなり感じていて、関西の調教師さんからも、「イクイノックスってあんな馬なんですか? 大丈夫なんですか?」と聞かれていたほどだったんです。
いや、本当に負けると思っていました。
でも、レース週の追い切りで、「能力の7割から8割くらいは出せるかな」と思う動きをしてくれた。
それなら……の◎ではあったんですけど、それでも負ける可能性はあると。
だからこそ、イクイノックスの強さを再確認したレースであったと僕は考えています。

今(2026年)には上記の記事を書いてる松浪記者でも当時10点満点で1位にしています。忖度なしの辛口評価なら嘘でも「能力7割8割出せるかな」程度では調教の評価を10点満点とか1位にするのはおかしいはずで、これが忖度なしと謳いながら当時実は忖度してたというなら、レース後に言い始めたことも忖度なのでは?と思えてきます。
また、他の記者も大体が1位と評価高いです。

東スポでは唯一高岡記者だけ結果的に1~3着で決まった3頭を1~3位にしている上、実績・能力を考えたらイクイノックスを3位にしてジャスティンパレス、スルーセブンシーズを上位にとってるのは結果と照らし合わせるとなかなかの評価です。

仮に本当に当時のイクイノックスの調子が悪かったのだとしても、その悪かった当時の調教を高評価してしまう人達には、調子が良いか悪いかを当時も今も判断できる眼がないわけですから、後からよく見ればやっぱ調子悪かった、実は知ってたみたいなことを急に後から言われても、その今現在に出した考え方とか見方も同じように信憑性や説得力が薄くなり、結局本当のことは不明としか言えなくなります。

○イクイノックスも美浦所属馬ですが、栗東に滞在しての調整。こちらの圧巻はC.ルメール騎手が跨った1週前追い切り。6F79.3秒と80秒を切る時計なのに、ラスト1Fが最速ラップ。ラスト4Fは14.0秒、13.4秒、11.8秒、11.6秒ですから、前記したラップに0.1秒足りないだけ。正直、ここはアジャストできる範囲ですから、この馬が勝てば、14秒以下という調教適性の設定に変更すべきかも知れません。なにより、この馬自身の有馬記念で見せたような、長く良い脚を使うという走りのリズムがここに表れていると思います。そして、坂路での週末追い切りが11日に2F24.5秒、18日に2F24.2秒。いずれも4F目最速ラップを踏んでいて、素晴らしい脚力。最終追い切りのCW2F23.1秒も当然評価できます。

「競馬予想TV!」でも調教捜査官として活躍している井内さんも当時のイクイノックスの調教を高評価していました。



不調説は前走のドバイや秋の東京での強さの対比から後付けした幻想物語の可能性が高い

そもそもイクイノックスが秋に東京で凄い強さを見せてくれたから、宝塚記念の時は調子が悪かったから辛勝だったんじゃないか?という後付けの擁護をされている感が強いです。

2026年宝塚記念ではイクイノックスよりも阪神2200m向いてそうなクロワデュノール(ともにキタサンブラック産駒)でも負けてしまいました。

まあキタサンブラック産駒自体は阪神芝2200の成績悪くはないのですが、イクイノックス、クロワデュノールにとってベストの条件は阪神芝2200ではなく、イクイノックスは東京芝2000か2400、クロワデュノールは阪神芝2000なのではないかと現状思います。

2023年秋の東京でのパフォーマンスが高いことで、こんなに強い馬が恵まれた展開であんな苦しいレースをした宝塚記念は調子が悪かったのだろうと後付けで物語が作られたのだと思いますが、むしろ逆で、東京の根幹距離であれだけ高いパフォーマンスを出せるということは阪神内回りの非根幹距離ではパフォーマンスを落として当然と考えることの妥当性が高まります。

イクイノックスは小回り非根幹距離G1でいえば前年有馬記念で強い勝ち方をしていますが、あれにも微妙な部分があって輸送遅延事故で関西有力馬の多数が体調不良の可能性が高く、あれも流石ルメール騎手といえる騎乗ですが、先行不利展開をベストポジションから差しての優勝で、ルメール騎手は強い馬でも能力や適性だけに頼らないベスト騎乗率が高いからG1勝率が高いです。

イクイノックスの宝塚記念の体調不良説を言うくらいなら、有馬記念の出走馬の調子がまともだったらイクイノックスが何頭かに負けてたかもと論じる方がまだ調子理論では妥当性があります。

つまり、結局展開も合って他馬の状態不良の恩恵もあって快勝の有馬、馬場や展開が向いて辛勝の宝塚と非根幹距離G1では突っ込み所があり、一方で2023年天皇賞秋は展開と合わないレースをしても快勝していて、どうやっても強い内容でしたから、展開と合うレースができても辛勝の宝塚記念の条件とは適性の差がかなりあったと思います。

似たような話で、ディープインパクトが負けた2005年有馬記念もレース前は「絶好調」「古馬との初対戦だから過去最高の調子を作り最高の走りを披露だ」とか、そういう調子の報道が多かったはずでしたが、実際負けてしまった後は菊花賞からの疲労があったとか、調子が落ちていたんだろうみたいな話が急に出始めました。

実際には菊花賞から有馬記念は相性が良い王道ローテですし、武豊騎手がレース後負けて驚いていたくらいなので少なくともレース前時点で調子が悪いとは夢にも思っていない状態でしょう。
実は状態に何らかの不安があったのなら「少し体調に不安あったからなあ…」くらいの感想が多少は出たと思いますが、しばらく後の武豊TVの回顧でも勝てなかったことに驚きつつ心配した話をしていました。

調子やローテの問題を言うなら前走ジャパンカップをレコードで2着してる勝ち馬ハーツクライの方が苦しかった可能性もあります。
まあハーツクライ、トニービンの影響の強い馬は逆に疲れてるくらいの方がよく走る説もあるので、馬によりますが。

さらにディープインパクトは凱旋門賞でもドーピング検出による失格となった原因として風邪をひいていたとか体調が悪かったとかそれで薬を使ったとかそういう話が後から出てましたが、実際には後の報告書通りなら咳が出てたはずの日の調教後も調教師や武豊騎手のコメントは文句なしに絶好調だとか過去最高の調子みたいな言い過ぎなくらいの絶賛の言葉が並んでいます。
しかし結果的に、ドーピングを度外視しても完敗したことについて体調が悪かったんだろう、調子が悪かったんだろう、調子良ければ勝てただろうという後付けの擁護幻想物語が作られていきました。

まあ表向き絶賛していただけで、本当は体調悪かったという可能性もなくはないのですが、結局1度や2度結果的に堂々と嘘ついてた人達が後で何を言ってもそれもまた堂々とついてる嘘かもしれないので、結局全てが信用できず確かめられません。

このように強い馬とか有名な馬、ドラマのある馬には擁護したり過大評価するための幻想、物語が作られていく傾向が強くあります。

イクイノックスといえば引退後も馬体が成長している話があり、ファンはそれをもとに「やはり晩成だったんだ」「現役続行なら5歳以降もっと強くなってた」とか評価していますが、引退して種牡馬になる馬は晩成の馬でなくてもほぼ100%馬体を増やします。
競走馬の体と種牡馬の体は違うので、種牡馬としての体調を整えやすい馬体にしていき現役のようなトレーニングもしないので十キロ~数十キロ太ります。

参考:木村哲也調教師が語るイクイノックス(2026年7月10日公開)

この2026年7月公開の動画で、木村哲也調教師は宝塚記念の当時を振り返って

「コンディションは正直良くなかった」
「この調子で勝っちゃうの?」

と、当時調子が悪かったと語ってますが、この動画もJRA公式系列かつライトファン向けというのもあり、イクイノックスは種牡馬として産駒デビュー前で、今後最大の目玉種牡馬でもあるので基本的には無理にても褒め称えるくらいの扱いが自然です。
そもそも木村哲也調教師はイクイノックスでも他の馬でも恥ずかしい走りが許されない立場の実績馬では公式会見などでは調子を褒める感想は出さず、基本的に常に予防線を張るようなコメントになります。負けたら調子悪かったということにできるような形です。

そしてこれは最近の別の厩舎のとある名馬でも共通する部分があります。
イクイノックスと同じキタサンブラック産駒のクロワデュノール(斉藤崇史厩舎)です。

クロワデュノールの斉藤崇史調教師も基本的にクロワデュノールを好調と表現することはほぼありません。記憶にある中では唯一凱旋門賞の時に「ダービーに匹敵するか超えるような調子」といったような表現を出してましたが、それ以外は基本良いときでも絶賛はしない表現に留まります。
上記の木村哲也調教師が結果的に辛勝になった宝塚記念の時のイクイノックスの調子を今振り返って語った感想と似たようなことを、東スポ杯のレース前に語っていました。

「全然調子が上がってこない」
「勝ったら驚く」

という内容のコメントを出してました。

結果的には僅差ながら完勝で、相手も後に皐月賞やダービーでもライバル関係の範疇の勝負となるサトノシャイニングで、比較すると調子は問題なかった皐月賞や日本ダービーと比べてもサトノシャイニングとの着差はあまり差がなく、東スポ杯のクロワデュノールの調子がコメント通りの不調でも調子が好調の皐月賞日本ダービーと比べてクロワデュノールの相対的パフォーマンスは殆ど下がっていないことになります。
結局の所はクロワデュノールは調子が悪いと陣営がレース前に言うような状態の時と好調万全といえる時のパフォーマンスに大差がありません。

クロワデュノールといえばノーザンファーム生産馬で、これもまたイクイノックスと共通します。さらにクロワデュノールはサンデーレーシング、イクイノックスはシルクと社台系クラブ馬というのも共通し、社台系クラブ馬でノーザンファーム生産のエース級の馬となると扱いの気の遣われ方が他の馬とは違います。
同じノーザンファーム生産馬でも個人馬主のドウデュースだと良くも悪くも大胆な扱いになっていて、武豊騎手や厩舎が調教を絶賛するのが恒例でしたがこれもドウデュースの馬主と主戦の武豊騎手の関係性などがあってこそで、武豊騎手も社台系クラブ馬や他の馬主の馬の調教騎乗時はドウデュースの時ほど手放しで絶賛することはなく良くも悪くも言い過ぎない範囲のコメントに留まります。

同動画でイクイノックスの木村哲也調教師は宝塚記念だけでなく2歳東スポ杯でも

「追い切りが上手くいかなかった」
「どうやって負けた言い訳しようか考えた」

と宝塚記念についてと似たような感想を語っています。
この時は実際の当時のレース前の調教評価やコメントでも芳しくない情報も少なくなく、レース後に嘘の調子をでっち上げてる部分も多い宝塚記念とは違う状況です。
しかしこの時のパフォーマンスは実際にはイクイノックスの生涯でもトップクラスの内容で、つまるところイクイノックスも基本的に追い切りの調子が抜群でなくとも最低限やることをやれば走る馬というのを表していて、タイプは違いますが結果的に自称絶不調と自称好調でパフォーマンスで違いが出ないクロワデュノールに似ています。
ノーザンファーム外厩調整馬とくに天栄調整馬は厩舎で多少万全でない所があろうと能力を出せる状態まで持ってきている可能性が高いのでしょう。

また、年齢を考えても4歳宝塚記念と2歳東スポ杯では人馬ともに状況が違うので、2歳時はまだ馬も若く、馬と厩舎の関係も浅い時期で慎重にいかざるを得ない部分が多かったと思いますが、4歳時は馬のことを陣営は大体掴んでいる時期でもあり馬体もしっかりしてきた時期ですし、実際の当時のレース前コメントではネガティブな内容を探すのが難しい状況で、6月という時期の難しさはあったと思いますがそれは他馬も同じかつ、イクイノックスの場合は他馬と違い無理にでも宝塚記念を出なければいけない、勝たなければいけない馬ではなく、既に実績十分でドバイ関連のボーナスが入る秋のジャパンカップを最大目標として休んでもいい立場でしたから、調子に不安があるなら初の関西ということもあり、出る必要はありません。
それでも実際には当時の陣営から特に不安のあるコメントも出ずに出走していますし、結局の所は、木村哲也調教師のコメントもイクイノックスへの幻想物語に気を遣って出されてる可能性が限りなく高いと言えます。

そもそも実際に調子が悪くないレースですら、上述のディープインパクトなど名馬クラスの馬となると負けると故障してなくても故障したかもと陣営が考えたり、調子悪かったかもとか陣営関係者が後付けで理由作り上げてくることは少なくないですし、ファンも同様です。
本当の調子は馬にしか分からないので、ハードな調教が合わない馬だったらハードな調教積めて調子良く見えた時に逆に走らない可能性があり、緩い調教が合う馬なら調教の動きが悪く見える緩い調教時ほど本番では走るという可能性があります。

結果的にレース中故障して負けたのだとしても、故障したから負けたのでなく故障するほど頑張った結果その程度の負け方に収まった可能性もあり、故障しない程度の頑張りならもっと惨敗だったかもしれません。
しかしファンや馬券を買った人なら「故障しなければ勝てたかも(馬券当たってたかも)」と思いたくなりますし、ファン以外やその馬が凡走したおかげで当たった人は「故障してなくても負けてた(馬券当たってた)」と思いたくなります。

調子に関してもイクイノックスの場合は後の評価も考えると宝塚記念も調子良ければ快勝できたはずという物語に書き換えたいという部分が出ていますし、スタート出なかったというのも結果的にはスタート出てしまってたら先行不利のレースで惨敗していた可能性があり、その実際のレース展開を無視して「先行できなかった」と木村哲也調教師が語ってる部分も秋の天皇賞秋での先行有利でなくても先行して快勝できるイクイノックスの幻想を前提にして捉えていて、それは戦法云々の前にコース適性が東京根幹距離は合い、阪神内回り非根幹距離が合わないという可能性を失念してる上に実際の宝塚記念の展開バイアスを無視して語られているので、ここも幻想物語に囚われている、気を遣っている影響が出ていると思います。


◆ 評論家や予想家の思考傾向、現代の名馬の調子と傾向

2026年宝塚記念クロワデュノールも幻想予想・評価をする人が多かった

クロワデュノールに関しては私は2026年大阪杯がベストみたいな内容だったので宝塚記念ではパフォーマンス落とすだろう、だから2着だろうと予想しましたし、まあ突然の大雨での馬場悪化には驚いたものの結果的にはその部分は当たりました。
良馬場の場合は勝つ馬が仮に変わるとしても、クロワデュノールは同じ2~3着だったと思っています。

大阪杯と宝塚記念はどちらも阪神競馬場の2000m前後のレースでありながらも適性が異なります。
それはG1昇格2017年以降の10年間でも両方を勝った馬がいないこと、着順逆転が頻発していることからもすぐ分かるはずなのですが、これもクロワデュノール最強幻想のせいで、
「メイショウタバルは大阪杯を完璧に乗っても負けたんだから、同じ阪神の宝塚記念でもクロワデュノールには勝てない」みたいな話をする予想家が歴戦の人含めて沢山いましたが、同じコースでも距離200m違うだけで適性が変わるのは簡単に調べたら分かるはずで、それを競馬に詳しい人ですら怠るのは結局は前回強いと思った馬が次も強いはずという幻想に囚われてるからでしょう。

同じ阪神内回りでも距離やペース変われば適性、パフォーマンスが変わるのに東京と阪神内回りならもっと適性が大きく変わるのは当たり前で、イクイノックスでも阪神内回りでパフォーマンスを落としても不思議ではありません。


「科」学的に考える

人は考えることについてどうしても怠けたがる傾向があり、自分がそう思いたい単純な発想と論理で物事を結論付けたがる傾向があります。
例:「強い馬はどこで何やっても強いはず」「優れてる人は何やっても凄い」「駄目な奴は何をやっても駄目」

「野球好きに悪い奴はいない」とか、「顔が可愛い子は性格良い」とか「アイドルはうんこしない」とか因果関係ないことを強引に結びつけて願望で単純で大胆な結論を出したがる人は多いですが、科学的に考える必要があり、「科」というのは「分ける・分類する」ということで、単純に捉えれば分けて考えることが科学的に考えることになります。

つまり科学的に考えたら野球好きかどうかと良い奴かどうか、顔の可愛さと性格は違う価値基準なので絶対的な相関はないと考えなければいけないですし、同じ走るということでも阪神芝2000と阪神芝2200だって距離が違う上、同じ距離ですらその日の馬場とか相手、展開によって違うことを分けて考えないといけません。

近年で最もどこでも強い馬という理想の概念に近付いた馬の1頭のイクイノックスでも阪神芝2200だと勝てるけど好騎乗がなければ負ける程度になってしまうということを認めたくなくて、後から物語を無理矢理作ってしまうのだろうと思います。

私が考えることも結局は仮説で幻想ですが、
イクイノックスが好調だったと思われる2023年10~11月に、阪神芝2200で宝塚記念と同じメンバーと戦ったら同じように辛勝か負けると思います。
逆に2023年6月のイクイノックスが仮に本当に調子がそこまで良くなかったとしても、もし同じ日に東京芝2000で宝塚記念と同じメンバーで戦えば問題無く快勝をできる程度だったと思いますし、内容がファンが思うほどでなかった主要因は適性だったと思います。


昔と違って現代の大手の名馬は特筆の事情がなければ好調未満の調子でレースに出て来ない

イクイノックスとかアーモンドアイなどの最近の社台系のエースクラスの馬は基本的に能力出せないような調子ではレースに出て来ません。
仮に結果的には能力出せない調子だったとしても、レース直前段階の陣営評価では好調の範囲内と思ってる状況だからレースを使います。
2023年宝塚記念もドバイSCを勝った直後で、秋にジャパンカップを勝てば報奨金ボーナスが出るので、無理して宝塚記念を使う必要がない状況でした。それでも使って来たということは、勝ちに来て勝てる調子だったことを意味します。

現代競馬、特に中央競馬・大手の牧場や厩舎では調教技術だけでなく体調管理や体調を知る技術も進歩しているため、昔だったら本当は調子が悪いのにそれを知ることができるデータや技術がなく出走させてしまうということがありましたが、今なら少しでも不安がある状況ならばそれを感じ取ることができるデータや状況を取得する技術があると思われ、特に無理して出走させる必要のないレベルの馬に関しては出走させたが「調子が良くないことを察知できずに出走させた」という可能性はかなり減っています。
むしろ杞憂レベルの可能性ですら出走を取りやめたり、過保護傾向で、その状況で出走させて実際それなりの走りをした馬が「実は調子が悪かったのにレースに出してしまった」という可能性はかなり低いと言えます。
特にイクイノックスの場合は最大手の社台系ノーザンファーム生産馬かつNF天栄調整馬であり、2歳時から体質に関してかなり気を遣って調整させられていた馬で、そんな馬が近走連勝中の好調で特に無理してレースに出さなければいけない状況でないのにG1に出てくるということは、調子不安どころか好調だからレースに出したくて仕方が無い状況という可能性の方が高いです。

クラブ馬のイクイノックスとは違い、個人馬主で比較的レースの使い方が柔軟にも強引にもなりうる、調子悪くても出たいみたいな無理な使い方も比較的起こり得るドウデュース(ノーザンファーム生産馬)でも同年の宝塚記念は回避となりました。
ドウデュースは同年2月に同じコースの京都記念(阪神2200開催)で圧勝し、宝塚記念で高いパフォーマンスを見せそうな適性を見せていましたが回避となり、ドウデュースは当時イクイノックスらとは対照的に体質が強いという評判が多く、何故使わないのかが疑問でしたが、今となっては当時骨膜に問題が出ていたと確定的に語られています。(引退時の翌年の有馬記念取消の原因も同様らしい?)

当時前走の海外ドバイターフ出走前に跛行で取消になってしまい、一説では日本なら問題ない程度でドバイの厳しい基準の影響での取消みたいな説もあって、それが本当なら宝塚記念か安田記念に出てきていいくらいでしたが、結果的には順当な取消だったのだと言えます。
実際休養を経ても秋初戦の天皇賞秋やJCは主戦騎手負傷の影響もありますが立て直しに時間がかかっていたような調整状況とレース内容・結果でした。
(2026年シンエンペラーやミュージアムマイルが日本では問題ない程度の歩様ながら米国や香港のビデオチェックで不安視されて海外遠征を中止からそのまま休養なしに国内上半期G1に出走しており、あくまで海外基準に引っ掛かっただけで当馬比で問題ない歩様や馬体なのであればレースに出てくる可能性が高い)

つまり頑健と言われていたドウデュース(ノーザンファーム生産)も実際には当時本当にレースに使える状態でなく2023年宝塚記念を回避していたわけで、逆に体質に比較的不安があると言われていたイクイノックス(ノーザンファーム生産)は実際には調子が良いから自信持って2023年宝塚記念に出てきた可能性が高いと言えます。


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