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凱旋門賞出走欧州馬の馬体重

※2025年10月12日 加筆・修正



※体重データ的には↑が最新です。


◆凱旋門賞は馬体重軽い馬が有利という説(日本馬)

凱旋門賞で好走・善戦した日本馬は2024年現在全頭が馬体重480kg以下(凱旋門賞前/後計測出走時)なことから、凱旋門賞で好走するには馬体重が標準(470kg前後)からそれ以下の軽い馬が有利という説がある。

成績(着順)順


馬体重軽い順

スピードシンボリは馬体重計測記録が見つかるのが翌年1970年有馬記念のみ
メジロムサシは前回計測時が1971年有馬記念(484kg)も凱旋門賞(1972年10月)により時期が近い1972年有馬記念を記述
シリウスシンボリは1987年毎日王冠時504kg


良馬場だと馬体重が重くてもよく、道悪だと馬体重が軽い方がいいのではと個人的に予想していたが、最近久々に凱旋門賞善戦したスルーセブンシーズの2023年も稍重とはいえ直線は良馬場、早い時計が出た高速馬場で、そのスルーセブンシーズが前走馬体重446kgの小柄な牝馬だったことからも、改めて凱旋門賞は馬体重が軽い方が有利説の信憑性が高まる結果となってしまっている。
あくまで日本調教馬においては。

※2006年凱旋門賞なども日本のメディアでは良馬場としている場合が多い上に実際高速馬場だったが現地基準では稍重範囲の発表で、欧州競馬の良~稍重は表記に媒体等により揺れがある。


◆凱旋門賞出走海外馬の馬体重

基本的に欧州競馬では毎レース前に馬体重の計測・発表がないため、馬体重は噂話や推測からでしか分からない。
そのため、馬体重計測発表がある日本国内競馬/香港競馬に出走経験のある凱旋門賞出走馬の馬体重を分析した。

1999年ジャパンカップ出走の凱旋門賞馬モンジューは実際の馬体重は480kg台(484kg)だったが、競馬評論家の大川慶次郎氏の見立てでは「500kg以上あると思っていた」と語っていた。
つまり、500kg前後あると思われている馬でも実際にはそんなに無い可能性があるし、逆もありうる。実際に計測しない限りは。

特に大川氏は筋肉質で立派な馬体を好んでいたので、エルコンドルパサーを倒した世界最強馬だから馬体も立派だろうという期待で500kg以上あると思っていたのではないかと思われる。(エルコンドルパサーは3歳時470kg台、凱旋門賞出走の4歳時には480kg前後に成長していた可能性があるが、調教師の弁によれば欧州滞在調教で胴長で細身になっていったということなので、逆に馬体重が減ったか変わっていない可能性もある)

凱旋門賞連覇2着1回史上最強牝馬候補エネイブルの馬体重

凱旋門賞連覇2着1回(3連続連対)など英愛仏米でG1制覇の史上最強牝馬候補・エネイブルは一説によれば500kg以上の馬体重がある大型牝馬だという話もあり(Wikipedia)、それが本当であればエネイブルは重馬場でも優勝しており凱旋門賞大型馬不利説が覆るのだが、エネイブルの実際の馬体重は不明で、馬体重500kg以上という説の情報元の内容(クリスタルオーシャンとのキングジョージでの叩き合いがヘビー級ボクサー2頭の殴り合いのようという記述)も単にサラブレッド2頭の白熱の勝負をサラブレッド平均馬体重から軽く引用して「サラブレッド=平均馬体重500kg前後の生物同士2頭の勝負、として書いているだけの可能性が高い。

欧州競馬では馬体重の発表(計測)はありませんが、近年凱旋門賞を連覇したトレヴエネイブルは共に見るからに小柄な馬でした。

https://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=55518&rf=kslp

凱旋門賞以外でも馬体重の理論(牝馬、クロノジェネシスは馬体重が増えた時に強い等)を予想に上手く組み込んでいる競馬評論家・競馬プロファイラー・キムラヨウヘイ氏の見立てでもエネイブルは小柄な馬と評されている。


🐎日本国内レース出走時の海外調教馬(凱旋門賞出走馬)の馬体重

※1984年ストロベリーロードは元豪州調教馬
その他も欧州以外の海外調教馬がいる可能性あり

馬体重軽い順




🐎香港国内レース出走時の海外調教馬(凱旋門賞出走馬)の馬体重

※2010年プラントゥールは進路妨害による7位入線失格
※ディアドラは日本調教馬だが欧州長期滞在中

馬体重軽い順


※香港の馬体重計測はレース当日ではなくレース2日前なので、10kg前後レース当日より重いこともありうる。


◆欧州調教馬なら500kg以上でも凱旋門賞好走馬は存在する

欧州調教馬でもどちらかといえば馬体重が軽い馬の方が好走例が多いといえるが、500kg以上だった馬でも1989年キャロルハウス、2007年ディラントーマスが優勝している。
特にディラントーマスは528kgとかなりの大型馬だが優勝している。
ただ、ディラントーマスは当初ジャパンカップに出走予定だったものの馬ウイルス性動脈炎の陰性が確認できなかったために出走できず、急遽香港ヴァーズへ出走となった経緯がある。
香港で凡走したように体調や調整面で万全でなかった可能性もあり、凱旋門賞出走時はもう少し体重が絞れていた可能性もある。

馬体重500kg以上で凱旋門賞好走した馬 (日本・香港レース出走)

1着:2頭 ※他490kg以上1頭
キャロルハウス 504kg(1989年 稍重)
ディラントーマス 528kg(2007年 稍重)
※エリシオ 490kg(1996年 稍重)

2着:1頭 ※他490kg以上2頭
ピルサドスキー 502kg(1996年 稍重、1997年 良)
※ホワイトマズル 492kg(1993年 不良)
※フリントシャー 492kg(2015年 良)

3着:2頭 ※他490kg以上2頭
アップルツリー 516kg(1994年 稍重)
オスカーシンドラー 510kg(1996年 稍重)
※トリプティク 492kg(1987年 堅良)
※タイガーヒル 498kg(1998年 重)

その他、ピルサドスキーが2着、アップルツリー、オスカーシンドラーが3着に入っており、欧州調教馬の場合は馬体重が重い馬でも凱旋門賞好走可能だといえる。

しかし、基本的には500kg以上の馬が好走したのは良馬場か稍重開催時であり、馬場がかなり重くなった場合には欧州調教馬でも500kg以上の馬の好走率がかなり下がる可能性も示唆される。

490kg以上の馬で重馬場以上の道悪で凱旋門賞好走しているのは1993年2着ホワイトマズル(492kg)と1998年3着タイガーヒル(498kg)の2頭。
ホワイトマズルの凱旋門賞2着はジャパンカップ出走と同年だったので凱旋門賞時と馬体重は近い状態だったと思われるが、タイガーヒルの馬体重が計測されたのは1999年ジャパンカップで、凱旋門賞3着好走は前年1998年。
1999年凱旋門賞も不良馬場ながら5着に入っているが、3着に入った前年は3歳時であり、もう少し馬体重が軽かった可能性もある。

日本調教馬でもキズナが5歳春には最高514kg、古馬以降は馬体重500kg前後を計測しているが、凱旋門賞出走(4着 重)前の3歳日本ダービー出走時は478kgだった。
キズナは故障がなければ4~5歳時にも凱旋門賞出走を計画しており、もし馬体重が500kg前後に増えた状態で再び凱旋門賞出走していたらどうなっていたかは気になる所である。





◆まとめ 馬体重が軽い方が有利という説は欧州馬でも一定の信憑性があった

欧州調教馬はコース形態や馬場状態の影響で米国・日本よりはスタミナ重視傾向が強く、体重が軽い馬が多いが、中には2002年ジャパンカップ(中山開催)優勝のファルブラヴ(538kg、凱旋門賞最高9着)のように大型の強豪馬も存在するため、馬体重が軽い馬が凱旋門賞で有利という法則は欧州調教馬には関係がないのではないかと思ったが、500kg以上の好走馬も存在するとはいえ、基本的には欧州調教馬でも460kg前後からそれ以下の凱旋門賞好走馬が多かった。

また、凱旋門賞が重馬場以上の道悪になると馬体重500kg以上の好走馬がいないことから、欧州馬でも重馬場以上の道悪になると大型馬が不利になる可能性が示唆される。
日本調教馬の場合は今の所良~稍重ですら推定480kg未満の馬しか凱旋門賞善戦例がないが、大型の日本調教馬が凱旋門賞に出走する場合も良~稍重馬場まででないと好走するチャンスはかなり少ないと言えそうである。


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