もふもふ、かわいくて賢い羊たち。映画『ひつじ探偵団』英・米、2026年
最初に予告編をみたときから、心を鷲掴みにされたので、公開をものすごく楽しみにしていました。文字通り、指折り数えて公開2日め。ようやく見ることができて、感無量です。気になっている人は、ぜひ映画館でどうぞ! 大きなスクリーンで見ることをおすすめします。
この作品のどこに惹かれたか。そりゃあ、もう私は大の羊好き。学生時代にシルクロード一人旅して、羊肉ばっかり食べていました。元気がでるには羊肉が必要で、毎年冬になると、近所の中華食材屋さんでラム肉1kgの塊で買って、焼いて食べているくらい。
そして、私はヒュー・ジャックマン大好き。『グレイテスト・ショーマン』は何度も劇場で見て(noteを確認したら6回も見てた…)、DVDも購入して見ているくらい。なんでしょうね、好きです。理屈じゃなくて、心の栄養的な。
そんなわけで、この映画はかわいい羊たちの、元気がでるドタバタコメディなんだろうと思って見に行ったのですが、とんでもなかったです。かなりニンゲン社会を風刺するような部分がたくさんあって、寓話的で、でもちゃんとミステリーで。すごく見応えがありました。
以下、少しだけネタバレ含みます。
まず、最初のライオンさんが「メェ~!」と鳴くオープニングから、やられてしまいました(ちょろい)。緑の広がる素敵な風景。かわいい羊たち。頼もしい羊飼いのヒュー・ジャックマン。しかも、彼は毎日、羊たちのミステリーを読んでくれるんです。うらやましい。
そんな彼が、何者かに殺されてしまい、羊たちは犯人を探すことを決意します。彼がいつも読んでくれていたミステリー小説を手がかりに! 勇気を出して、牧場を出て、ニンゲン世界を調査開始。
この映画のみどころの一つは、羊からの見たニンゲン世界の描写だと思います。ジョーク的に笑えますけど、よくよく考えると結構シュール。大昔、日曜学校に行っていたときに、何度も聞いた羊飼い(=神父)と羊(信者)のたとえ話が懐かしい。世の中にムダな知識はないですね。
映画を見た後に思い返してみても、けっこういろんな聖書のメタファーがありました。わからなくても、全然楽しいけど、キリスト教とか聖書とかを知っていたら、かなり深く楽しめます。『教皇選挙』好きな人なら、この映画も結構いけそう。
嫌なことは忘れて、死んだら雲になると信じていた羊たち。悲しいことを覚えているのは、辛いこと。でも、大好きなご主人の死を忘れない。仲間の「死」を受け入れる。楽なことを選択しない。自分たちで考える。このあたり、さりげなく重かったりします。
この映画の羊たちの常識は、「冬生まれ」は仲間はずれ。でも、そんなセバスチャンが、最初から最後まで孤高でかっこよくて、仲間を護る。一番小さい名無しのチビちゃんが、とっても賢く活躍する。こういう物語は最高。
私は、映画も小説も、ミステリーは最後まで騙されるのを楽しむタイプです。今回もしっかり騙されて、楽しむことができました。たった一人の、若くて頼りない巡査が、羊たちのおかげで成長するなんて、胸熱です。
そして、最後はしんみり泣かされました。羊のリリイの賢さと愛情深さ。彼女とチビ・ジョージが寄り添うシーン。そして、雲になってみんなを見守るセバスチャン。切ないけれど、とても素敵なシーンです。ああ…
この映画には原作があると知ったときから、映画を見た後に読むことに決めていました。どうも、映画と原作はかなり違うらしいので、一粒で2度おいしいなら、ますます楽しみです。
邦題:ひつじ探偵団(原題:The Sheep Detectives)
原作:レオニー・スバン『ひつじ探偵団』
監督:カイル・バルダ
主演:ヒュー・ジャックマン、ニコラス・ブラウン、ニコラス・ガリツィン、モリー・ゴードン、エマ・トンプソン他
制作:アメリカ・イギリス(109分)2026年
