風呂上がりの着信履歴
風呂上がり、ノブからの着信に気づいた。
高校時代の部活仲間。
結婚式の二次会に呼ばれて以来……?
誤操作かもな、と思いながらかけ直す。
あの優しい話し方、旧姓で呼ばれる感じ、
ふわっと懐かしい気持ちで話し始めたのも束の間。
本題に入った。
「高校一緒だった中谷って覚えてる?」
中谷…中谷……。
「あ、1年の時同じクラスだった…かも…うーーん」
おぼろげな記憶を辿っていると、
「そうか、そのくらいだったか。」
そう続けたノブの口から聞いたのは、中谷君の訃報だった。交通事故だった。
同級生の訃報を聞くのは初めてではないけれど、全く慣れない。
いつ何が起こるかなんて、誰にもわからない。
大学を卒業した次の正月。
学科の友人と二人で初詣に行っていた。
駐車場でほぼ同時に互いの携帯が鳴った。
それぞれ別の友人から、同じ内容の連絡。
院進した同級生の訃報だった。
卒業して間もなかったということもあるが、仲の良かった学科のネットワークの温かさは、かえって事の冷たさを際立たせた。
人は最後に人を繋ぐのだろうか。
残された側に寂しさややりきれなさだけでない、何かをそっと差し出しているのだろうか。
みんなちょうど子育て真っ只中でなかなか忙しい。でも、近いうちに必ず集まろうと締めたノブとの電話。
湯上がりの背中が汗ばんで、扇風機の風を強めた。
私たちは、あの頃と変わったのかな。
案外変わっていないものが、ただ眠ってるだけかもしれないよね。
ノブとの青い思い出も置いておきます。
