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中国の大学と訴訟する日本語教師 ~クリボーがクッパ連れて来た~

まもなく10年近く勤めた大学を辞めることになった私は、最後の最後に経済補償請求の権利があることを知るも大学には相手にされず。

結果、大学相手に裁判を起こすことに。


裁判の争点

裁判そのものに費用はかからない。
通訳さえいれば自分でも戦えると思っていた。

ただ一つ心配は、私の通訳をやってくれると言った卒業生男子のことだ。
彼はこれから日本の大学院の試験をいくつか受けることになっている。

もし大学の推薦状が必要になったら?

一応大学関係に詳しい友人に聞くと、その紹介状は私が書いてもいいということだったので安心した。

しかし、一応ドス(法律家の卵)にも、「地元の弁護士」を紹介してもらい、費用だけ聞いてみた。

すると1万元という答え。

高いと思った。

労働仲裁の人から、地元の弁護士なら高くても数千元と聞いていたからだ。

まず、労働仲裁に提出した資料を全部送ってくれと言われて送った。

弁護士は申請書の二つの重大な問題点を指摘した。

一つは補償額の計算ミス。
もう一つは「約10年間の雇用関係を認める」という請求を加えること。

ここが肝心らしい。

そしてそのためにはその期間の労働許可証が必要になる。

だがしかし!

持ってない。

そもそもこれは日本から中国に行く時、ビザの申請の時に必要になる時だけ大学が私に送ってくる書類なのだ。通常は大学が保管している。

弁護士の見立てでは、この裁判で勝てるかどうかは、労働関係を証明できるかどうかにかかっているとのこと。

しかし、これも弁護士なら、外国人を管理しているところから情報を引き出すこともできるらしい。

ただ、それはしてもらわなくても自分で何とかできた。

再び労働仲裁へ

私は労働仲裁の人に個人連絡で申請書を訂正して再提出したいと伝えた。

この時は、前回いなかった若いチンピラみたいなお兄ちゃんがいて、話した感じの態度で「こいつじゃダメだ」と思い、連絡先を知っている前回の女性を呼び出した。

前回いた実習生たちはこの時はいなかった。

そう考えたら、前回実習に来ていた学生たちや、連絡交換した女性が対応してくれたのって、めちゃくちゃついてたなと改めて思った。

熱血弁護士

再提出の書類は、最初はアドバイスを元に自分で修正した。それを弁護士に送って確認してもらったら、全部完璧に作り変えたファイルを送ってくれた。

(え?結局無償で書類作成してくれてる!?)

めちゃくちゃ親切。さすが「地元棗荘の弁護士」だ!

もう私はこの時点でこの弁護士さんに頼もうと思い始めていた。

とにかく熱い人だし真面目。

私のWeChatのチャンネルにある授業動画まで見てくれた。

「あなたの授業は専門的で非常に効果が高いと思う」

その上で対価が見合ってないと私を高く評価。

さらには日中友好と中国の名誉にまで言及。

「これは中国の法治国家としての名誉がかかっている。もしもこの訴訟に負ければあなたは中国の労働保護や法治をどう思うでしょうか! 私は日中友好のためにも低価格で引き受けても構わない!」

熱い!🔥🔥🔥

返事は早いし、仕事も早いし、どんなに遅い時間でも、無料で対応する。

でもまだこの時は、「そりゃ依頼されるまでは熱心にやるよな」と思っていた。

棗荘の田舎弁護士と思いきや……

私にとって、費用は数字だけで高いとか安いとかいうものじゃない。

その費用に見合う価値があるか、納得できる価値を感じられるかというのがとにかく大事。何より、信頼して任せられるのかどうか

正直、文字だけのやりとりではわからない。そして話も難しくてだんだんよくわからなくなってきた。もうこうなったらあとは私の直感に頼るしかない!

なので私は弁護士に伝える。

「直接会ってご相談したいので住所教えてください」

すると、法律事務所の住所だけじゃなく、そこまでの行き方、道順まで細かく書いて送ってきた。

一聞けば百教えるぐらい親切に対応してくれる人でさすが棗荘人と思ったが……ん?……棗荘……じゃない!!!!!

北京やんけ!

それで納得。北京なら確かに1万元は安い。

とりあえず、近所に軽く会いにいくつもりだった私は、北京と聞いてびっくり。

それでも会わなきゃわからんって考えは変わらない。

しかし通訳なしでは会話もできない。

そこで私の通訳ゆいたんに仲裁の時同様電話通訳してくれないか頼む。

するとゆいたん、北京まで行かなくても三人でビデオチャットすればと提案。

私はあらかじめ自分の言いたいこと、質問したいことをゆいたんに文書で送った。

ビデオチャットで全集中した結果

私はもう全集中で弁護士を画面越しにガン見した。この人に任せていいか見極めるために。

好感がもてたのは、通訳のゆいたんと話がかぶると「你说」と言って、相手の話を聞こうとするところ。

私はこういうところでも人を見る。自分の言いたいことだけを一方的に言うタイプなら却下だ。

弁護士さんは忙しそうな様子だったが、こちらの質問には全部答えてくれたし、細かく丁寧な説明だった。

そして私もゆいたんも考えが甘かったことを思い知らされた。

和解なんてそもそも無理だった。

弁護士さん曰く、「和解の場合、担当者個人に決裁や責任が生じるため、高額な補償を提示しにくい。さらに、誰もが責任を負うことを避ける傾向がある」とのこと。

仲裁判断が下りれば、学校は法に基づいてその判断に従うだけ。担当者個人が賠償額の責任を負うことはない。だから大学側は「金額がいくらになっても、それは仲裁の判断であり、自分個人の責任ではない」という考え方になる。ここで初めて支払いに応じる。

ビデオチャット一時間超。

私は依頼することを決めた。

熱血弁護士若さの秘訣

依頼を決めてからすぐ弁護士さんは必要書類を作成。それをもって公証役場に行くようにと。公証役場の人もグループに入れた。ここまで秒の速さ。

さらにすごいのが、わたしの名前の「倫子」が「伦子」になってることに気づいたこと。大学もこの辺いい加減だし、労働仲裁の人も間違えてたけど、弁護士さん曰く、パスポートのサインと一致させるべき。

実際、パスポートと名前不一致でこれまで不都合もあった。

その大事なところにすぐ気づくとはさすがである。

さらに私が驚いたことがある。

45歳!?

どう見ても、20代である。

「彼は元軍人なので運動の習慣があるのかも」とドスが言う。

元軍人!?

確かになんかきびきびしてるし、なんで若く見えたかというと、見た目に疲労感が全く出てないからである。なんかシャキッとしてる。

親切なのはやはり棗荘出身の人間だからか。でも都会生活長いのか、労働仲裁で働いてる人たちみたいなのんびり感がない。なんていうかもうバリバリっていうか、私が一番気に入ったのは、とにかく仕事が早いってことだ。

とりあえず私は電話番号から振込先を調べて、依頼を決めたと同時に五千元振り込んだ。残りは成功報酬でいいと言ってもらったからだ。

すぐ振りこんでとは言われてないが、私も決めたらすぐやる人間。

お金を支払うってことは、それだけ自分がそこにコミットする意志や覚悟を表明することと思っている。

やるなら徹底的にやる

私がうれしかったのは、私の授業を高く評価してくれたことだ。

その上で、私の十年が最後に遺恨を残す形で終わるのは忍びないと。最後は自分が納得する形で終わらせてほしいと、それが一番の願いであると弁護士さんは言ってくれた。

代理人を立てるにしても、私の想いを理解してくれる人じゃないとと思っていたが、この弁護士さんはその辺よく理解してくれている。

これで私が日本に帰れば何もできないって問題もなくなった。

弁護士さんによると、学校側は「契約書にサインした時点で、内容に同意したものとみなす」と主張する可能性があるとのこと。

確かに国際部は毎回「自分たちは契約書に従ったことはやっている」と言うだけだった。

やはりプロの力が必要。この有能な北京の弁護士でダメなら私もあきらめがつく。

中途半端に権利を主張しても意味がない。やるなら徹底的にやったるぜ!

まさにクリボーがクッパを連れてきた展開。

まさか私が北京の弁護士まで投入してくるとは大学も思わないであろう。

第一ステージでゲームオーバーなんてしない。

今できることの最善を!

とりあえず、月曜は朝から公証役場に行って来る🏍










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