広島県の宿泊税「月計表」の書き方を完全解説【記入例つき】
2026年4月、広島県で宿泊税がスタートしました。
Airbnbで民泊を1〜2件運営している、個人オーナーや小規模事業者の方にとって、初回の申告が一番の関門ではないでしょうか。
月計表って、結局なにを書けばいいの?
日ごとに全員分を書き出すの?
課税対象と課税対象外は、どっちに入れる?
Excelの様式をダウンロードしたけど、欄の意味がわからない
県の手引きPDFは39ページあり、民泊のように1〜2施設を回す立場からするとオーバースペック気味です。
広島県内で宿泊税の計算システムを稼働させている立場から、月計表に絞って、書き方と提出までの流れを記入例つきでまとめました。4月分(=最初の申告対象)のタイミングを前提にしています。
月計表ってそもそも何?
月計表は、日ごとの宿泊数を課税対象と課税対象外に分けて書き出した内訳表です。
納入申告書(税額を書く書類)の根拠資料として、申告書に必ず添付します。月計表なしでは申告書は受理されません。
ざっくり言うと:
納入申告書 = 月の合計と税額を書く「まとめ」の紙
月計表 = 日ごとの内訳を書く「明細」の紙
この2枚がセットです。なお納入申告書の書き方は前回の記事で解説しているので、あわせて読んでみてください。
📎 前回の記事:広島県の宿泊税、申告書の書き方を記入例つきで解説
月計表の入手方法
月計表の様式は、広島県の公式ページからExcel形式でダウンロードできます。
📎 様式のダウンロード:宿泊税に関する手続
ページ内に「宿泊税月計表」のリンクがあるので、そこからExcelを取得してください。
任意の様式でもOK、というのはあまり知られていないポイントです。日ごとの宿泊数が「課税対象」「課税対象外(6千円未満)」「課税対象外(修学旅行等)」の区分で記載されていれば、県の様式にこだわる必要はありません。
たとえば、自分のGoogleスプレッドシートで管理している集計表をそのままPDFにして提出しても、記載事項が揃っていれば受理されます(手引きP33に明記)。
ただし、初回はトラブル回避のため、公式のExcelをそのまま使うことをおすすめします。
月計表に書く4つの項目
月計表に記入するのは、大きく分けて次の4項目です。
① 施設名と賦課番号 — 宿泊税特別徴収義務者証票に記載されている10桁の番号
② 宿泊月 — 対象月(例:令和8年4月)
③ 課税対象の宿泊数(日ごと) — 1人1泊の宿泊料金が6,000円以上の宿泊数
④ 課税対象外の宿泊数(日ごと) — 「うち1人1泊6千円未満」と「うち修学旅行等」に分けて記入
ポイントは、課税対象外も「6千円未満」と「修学旅行等」の2列に分けて書くことです。1列にまとめて書くと差し戻しの対象になります。
また、数える単位は「人数」でも「部屋数」でもなく、「1人1泊」です。2人で1泊なら2泊、1人で2泊なら2泊とカウントします。この数え方は納入申告書の宿泊数欄とも共通です。
記入例:Airbnb民泊の4月分
具体的にイメージできるように、民泊のよくあるケースで記入例を作りました。
前提シナリオ
1施設運営の民泊(Airbnbメインで販売)
4月の延べ宿泊数:45泊
うち37泊が1人1泊6,000円以上(課税対象)
うち8泊が1人1泊6,000円未満(課税対象外 / 6千円未満)
修学旅行等の該当なし
月計表はこんなイメージになります(日別の数字は代表日だけ抜粋)。
施設名:やどぜいハウス広島
賦課番号:0123456789
宿泊月:令和8年4月
日付 課税対象 課税対象外 日計
(6千円以上) (6千円未満 / 修学旅行等)
3日 2 0 / 0 2
5日 3 1 / 0 4
8日 1 0 / 0 1
10日 2 2 / 0 4
12日 3 0 / 0 3
15日 2 1 / 0 3
18日 2 0 / 0 2
20日 3 1 / 0 4
22日 2 0 / 0 2
25日 4 1 / 0 5
27日 3 0 / 0 3
29日 3 1 / 0 4
30日 7 1 / 0 8
...
合計 37 8 / 0 45税額の計算はシンプルです。
課税対象 37泊 × 200円 = 7,400円
課税対象外の8泊は税額ゼロです。ただし、宿泊数そのものは月計表と申告書の両方にちゃんと書く必要があります。「税金にならないから書かなくていい」ではありません。
よくある間違い3つ
民泊オーナーさんからの相談で特に多い、ありがちなミスを3つ紹介します。
ミス1:食事代込みの料金で6,000円判定してしまう
宿泊税の課税対象か否かの判定は、宿泊料金のみで行います。
食事代 → 除外
消費税 → 除外
入湯税 → 除外
サービス料・清掃料 → 宿泊料金に含める
たとえば、Airbnbの掲載価格が5,800円(宿泊料金のみ・税抜)で、別途清掃料500円を取っている場合、合計6,300円 → 課税対象になります。
逆に、素泊まり5,500円+朝食500円の合計6,000円プランなら、宿泊料金は5,500円のみなので課税対象外です。
「総額いくらもらったか」ではなく、「宿泊料金としていくら受け取ったか」で判定する、という違いに注意してください(手引きP5-6)。
ミス2:部屋数で数えてしまう
これは特に「1部屋貸し切りの民泊」で起きがちです。
4人グループが1部屋を1泊利用した場合、1部屋ではなく4泊として数えます。宿泊税は「人・泊」単位で課税されるため、何人泊まったかを必ず把握する必要があります。
Airbnbの予約画面では「ゲスト数」が明示されているので、そこを拾います。予約ごとに「ゲスト数 × 泊数」を計算して、日ごとに積み上げていくイメージです。
ミス3:申告書の合計と月計表の合計が一致しない
月計表の合計欄(課税対象・課税対象外それぞれ)は、納入申告書の宿泊数欄と完全一致させる必要があります。
ズレる原因で多いのは:
月計表を手書きで修正したけど合計だけ更新し忘れた
Excelの合計式が切れている行がある
申告書を先に書いてしまい、後から月計表を作ったら数字が合わなかった
おすすめは月計表を先に作って、その合計を申告書に転記する順番です。逆にすると必ず合わなくなります。
ズレたまま提出すると、県税事務所から内容確認の電話が来ます。初回からつまずかないよう、提出前に合計欄を指差し確認しましょう。
月計表と申告書のつながり
念のため、月計表と納入申告書の関係を整理しておきます。
施設ごとに月計表1枚+納入申告書1枚のセットを作る
月計表の合計 =(ア)課税対象、(イ)6千円未満、(ウ)修学旅行等、の3区分
申告書の宿泊数欄にも同じ3区分で転記する
申告書の税額 = (ア)の宿泊数 × 200円
2施設運営している場合は、セットが2組必要です。1枚の月計表に複数施設をまとめて書くことはできません。
また、税額ゼロの月(たとえば4月は宿泊ゼロだった)でも申告書と月計表の提出は必須です。宿泊数ゼロの月計表+宿泊数ゼロの申告書、という組み合わせで出します。
提出方法と期限
月計表と納入申告書を揃えたら、いよいよ提出です。
期限:翌月末日まで
4月分(4/1〜4/30の宿泊)であれば、5月31日が期限です。月末が土日祝の場合は翌営業日に繰り延べられます。
提出先
西部県税事務所 宿泊税課
〒732-0052 広島市東区光町二丁目1-14
TEL:082-207-3103
提出方法は3つあります。
eLTAX(電子申告) — 地方税ポータルシステムからオンライン提出
郵送 — 西部県税事務所 宿泊税課へ送付(消印有効)
窓口 — 西部県税事務所に直接持参
eLTAXで電子申告・完納した場合、通常の報償金に加えて上乗せ措置があります。毎月の作業が続くことを考えると、最初にeLTAXの利用者IDを取得しておくのがラクです。
3か月まとめて申告する特例もある
毎月の申告が負担に感じる場合、一定の要件を満たせば3か月ごとの年4回申告に切り替えられます。
3月・4月・5月分 → 6月末日
6月・7月・8月分 → 9月末日
9月・10月・11月分 → 12月末日
12月・1月・2月分 → 3月末日
主な要件は、直近12か月の宿泊税額が360万円以下であることと、特別徴収義務者になってから1年以上経過していること。小規模な民泊であれば1年経過後に申請できます。
ただし、令和8年度に限り、宿泊施設の営業開始から1年以上経過していれば、特別徴収義務者としての登録が1年未満でも申請できる経過措置があります(手引きP14)。4月より前から営業している施設は確認してみてください。
申請には「宿泊税申告納入期限特例適用者指定申請書」を西部県税事務所に提出します(手引きP13-14)。
ただし、1年目はこの特例が使えません。初年度は毎月の申告を続けることになるので、月計表作成のルーティンを早めに確立しておきましょう。
月計表作成のコツ:毎日付ける
月末にまとめて作ろうとすると、予約が入るたびに税込・税抜を見返したり、ゲスト数を数え直したり、思った以上に時間がかかります。
おすすめは毎日(または予約確定ごと)に1行ずつ月計表を埋めていく運用です。
予約が入ったら、チェックイン日に合わせて月計表にメモ
その時点で課税対象か課税対象外かを判定しておく
月末にはほぼ完成している状態にする
この運用にしておくと、月末に慌てて電卓を叩くことがなくなります。Excelに日別の簡単な入力欄を作っておくとさらに楽です。
まとめ
月計表の書き方をおさらいします。
1. 公式Excelをダウンロード(任意様式でもOK)
2. 日ごとに「課税対象」「6千円未満」「修学旅行等」を記入
3. 合計欄を計算
4. 納入申告書の宿泊数欄に合計を転記
5. セットで西部県税事務所に提出(翌月末日まで)
大事なのは「課税対象・6千円未満・修学旅行等の3区分で、日ごとに人泊単位で数える」というルール。これさえ守れば、様式そのものは難しくありません。
初回の申告は戸惑うかもしれませんが、ルーティンに組み込んでしまえば毎月の作業は30分〜1時間程度で済みます。
📎 様式ダウンロード:宿泊税に関する手続
📎 制度の全体像:宿泊税制度の概要
📎 前回記事:申告書の書き方を記入例つきで解説
※この記事は広島県が公開している条例・手引き等の一次情報をもとに作成していますが、内容の正確性を保証するものではありません。実際の手続きや判断については、西部県税事務所 宿泊税課(TEL: 082-207-3103)にご確認ください。
📊 広島県の宿泊税、まだ手計算ですか?
CSVアップロードだけで計算・申告書作成を自動化する「やどぜい」、事前登録受付中です。
👉 やどぜいの先行登録はこちら
Xで最新情報を発信中 → @yadozei
