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[keiさんに挑戦)春を探し!に来た鬼(パート2)


「あ〜あ僕は何故こんな場所にいつも立っていないといけないの?
閻魔様に告訴しても無視されるし、上司からはパワハラを受けるし
やだな〜。僕は顔は怖いけど本当は心優しいんだよ。
地獄に堕ちてくる亡者を睨みつけるなんて、もう嫌だよ」
と、愚痴を言っているのは、地獄の門番をしている鬼太郎だ。
この鬼太郎、昔 桃太郎という子供との決闘に敗れ、
地獄の門番に成り下がった赤鬼である。

心が沈む鬼太郎は、さりげなく上を見上げる。
地獄は地面の下にあり、地上を見ることはできないのであるが、
何故か地面の割れ目から、地上が見えたのだ。
それは、厚く黒い雲の隙間から青空が見えるみたいに。

「何だか、地上は楽しいそうだな。暖かそうだし。
歌を歌っている人もいるよ。
行ってみたいな〜あの地上へ。
楽しそうだな、みんな」
と、思いがけなく声が出てしまう。
その声は天に棲む毘沙門天様に聞こえていた。
毘沙門天は戦の神様ではあるが、心優しき神であった。
「可哀想な鬼だ。桃太郎に負けたぐらいで、酷い扱いをされているな。
よし、わしが助けてやろう。おい彼に救いの手を差し出してやれ」
と、一匹の蜘蛛に命じるのでした。
実は毘沙門天と閻魔大王は犬猿の仲。
毘沙門天は閻魔大王の嫌がる事を積極的にしているのです。

命令を受けた蜘蛛は、体中に力を込めて糸を地獄の底まで垂らしていきます。

鬼太郎の頭の上に、何だか粘ついた物が堕ちて来ました。
「何だこれは?蜘蛛の糸みたいだが。
うん、これは間違いなく蜘蛛の糸だ。
そういえば、ここに来た亡者の芥川何とかが『蜘蛛の糸』
という小説を書いていたな。これを登って行くと地上に出られるのか?
よし、ダメ元で登ってみよう」
鬼太郎は渾身の力を込めて地上に登っていきます。
希望は勇気に変わり、そして実践へと変わります。
見事に鬼太郎は地上に出る事ができました。
桜の花びらが風に舞っています。
どこからか、陽気な唄声も聞こえます。

「ここは、暖かいな〜地獄は寒い所だけど
何故こんなに暖かいんだろう。みんな陽気に楽しんでいるみたいだ。
地獄とは全く違う。人間ってそんなに悪者ばかりじゃ無いんだなぁ。」
と、疑問を持ちながら歩いていると、赤い顔をした男と出会いました。
「まずい、人間だ隠れなければ・_・」
と、辺りを見回しても何も隠れる物はありません。
…人間の事だ、ビックリして逃げて行くだろう…
と、高を括っていたのですが、
「おい、そこに居る鬼!
お前はここで何をしているのか!
ハロウィンならもう終わったぞ」
と、怒鳴っています。
…ハロウィン?ハロウィンって何かしら…
と、思っていると男は、一升瓶を手に持って
「おい、この俺の酒を飲め!」
と、命令口調です。
…一体このおじさんは何者だろう…と思いつつ
鬼太郎はおじさんから、盃を受け取って酒を一口飲みました。

「美味しいですね。これって何ですか?」
と聞く鬼太郎に
「黙ってもう一杯飲め」
と、酒を注いでくれました。
酔いが回ってきたのか、鬼太郎も陽気になっていきます。
「おじさん、さっき言っていたハロウィンって何ですか?」
「ハロウィンっていうのは、お化けの格好して楽しむお祭りだよ。
でも、今は春だから、お前は一体何故そんな格好しているんだ?」
「僕は変装何てして無いです。本物の鬼です。
今地獄の底から来たばかりの鬼ですよ。」

「なに!鬼だと。馬鹿言うな!この世に鬼などいてたまるか?
嘘を言うと許さないぞ」
と、おじさんは大声をあげて鬼を恫喝しています。
おじさんの目は異常でかなり酔っぱらっているみたいです。
「嘘じゃ無いです。この手帳を見てください。
これは地獄に堕ちた人の名簿です。」
と、鬼太郎は決して見せてはいけない手帳を酔いの勢いで
おじさんに差し出しました。
「なに〜、地獄に堕ちた者の名簿だって?
どれどれ、何人かの名前が書いてあるな。
う〜ん、麻原彰晃ってあのオオムのヤツか、彼なら地獄に落ちるだろな」
と、感心の眼差しに変わっています。
「う〜ん、ここにトランプとあるが、まだ死んでいないぞ。
高市早苗も書いてあるぞ」
「これは、予定者のリストです。」

「・__・〆。」

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