新しいランニングコースを見つけた|パロマ瑞穂スタジアムが、市民に開放されている【まち事004】
まち事004|スタジアムは、イベントのない日も動いている。
柿落とし直後の新スタジアムを、ランニングシューズで走ってきた。
世界レベルのスタジアムを、無料で走っている。
また、ほとんど知られていない。
柿落とし直後のスタジアムへ
2026年4月19日、名古屋グランパス対アビスパ福岡戦で柿落としを迎えたパロマ瑞穂スタジアム。満員の2万8924人が詰めかけた、あの熱狂からほどなくして、私はランニングシューズでそこに向かった。
イベントのない平日。スタジアムは静かだった。

MIZUHO-LOOPという発見
パロマ瑞穂スタジアムには、「MIZUHO-LOOP」と名付けられた8の字型の歩廊がある。スタジアム3階のコンコースと隣接するレクリエーション広場をつなぐ回遊路だ。

イベントや大会が開催されていない平常時は、このコンコースがランニングやウォーキングのルートとして無料で開放される。
全席屋根付きのスタジアムだから、天候に左右されない。雨でも走れる。夏の直射日光を避けられる。日焼けを気にする必要もない。屋外のロードとは違う、快適なランニング環境がそこにある。

今日、10キロ走ってきた。まだ認知されていないのか、利用者は少なく、快適に走ることができた。
足音は消える。ゴムチップ舗装が衝撃を吸収する。観客のいないスタンドを横目に、自分だけが走っている感覚があった。
そして——風が気持ちよかった。このスタジアムは風の通りにも配慮して設計されており、走りながら自然な風を感じることができる。
健康も、運動も、わざわざ時間を作る時代から、日常に組み込む時代に変わっている。その文脈で言えば、このスタジアムの開放は、名古屋の市民生活に静かに変化を起こしている。
スポーツパークとしての瑞穂
パロマ瑞穂スタジアムは単独で存在しているわけではない。

周辺には野球場、ラグビー場、プール、テニスコート、アーチェリー場など15のスポーツ施設が集積する「パロマ瑞穂スポーツパーク」の中核施設だ。名古屋グランパスのホームスタジアムであり、今年秋に開催されるアジア・アジアパラ競技大会のメイン会場でもある。
国際大会の陸上競技会場として整備された施設を、市民が無料で走れる。これは単純に、すごいことだと思う。
タウンアーキテクトとして言えば、スタジアムを「イベントがある日だけの施設」ではなく「日常的に開かれた場所」として設計した点が、この施設の最も重要な価値だ。スタジアムが市民の日常に溶け込む——これが、まちにとって理想的なスポーツ施設のあり方だと思っている。
八事からのアクセス
八事からは約3キロの距離。地下鉄名城線で2駅だ。
さらに、スタジアムの1階は時間貸し駐車場になっている。車で来て、走って、帰ることもできる。アクセスの選択肢が広い。
私の新たなランニングコースのひとつとして、定期的に活用していきたいと思っている。
名古屋に、新しい「装置」が生まれた
【まち事003】で書いたように、スタジアムは感情を設計する装置だ。
しかしパロマ瑞穂スタジアムは、それだけではない。感情と行動の両方を設計する装置だ。熱狂の舞台と、静かな朝のランニングコースが、同じ空間に共存している。
私は名古屋グランパスのサポーターだ。
Jリーグが開幕した1993年、中学生だった私はこのスタジアムに通い始めた。ピクシー(ドラガン・ストイコビッチ)とリネカー、本田、楢崎、玉田、闘莉王、吉田麻也——グランパスのレジェンドたちの試合を、この場所で生で観てきた。
そのスタジアムが、新しく生まれ変わった。そして今、試合のない日に私はここをランニングコースとして走っている。試合の日も、試合のない日も、ここは私のホームだ。
名古屋に、新しい「装置」が生まれた。
使わない手はない。
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