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老いを編集する|アラフィフが実践する、抗うことと受け入れることの技術【整事002】

整事002|老いは止められない。でも、編集できる。

結婚式に二人で撮った写真を見た。
自分が別人のようだと思った。いや、別人ではない。これが老いだ。


老いは、突然やってこない。

気づいたときには、もう取り返せないところまで進んでいる。


気づきの原点

子供の頃、親の若い頃の写真を見て、当時の親と別人だと感じた記憶がある。

あの違和感の正体が、今ならわかる。老いとは連続的な変化だ。気づいたときにはもう、かなり進んでいる。

40を過ぎて、その感覚が自分自身に向いてきた。妻と出会った頃の写真を見たとき、胸に刺さるものがあった。二人とも、あの頃とは違う。時間は、等しく流れている。


若さとは何か

顔の造形が整っているより、若いだけで美しい——そう気づいたのはいつ頃だったか。

肌の張り、艶、筋肉のつき方、体毛の色と艶と太さ。これらが複合的に重なって「若さ」という印象を作っている。整形では補えない、生命力の総体だ。

科学的に言えば、老化の主な要因は3つだ。細胞が酸化する「酸化ストレス」、余分な糖とタンパク質が結びつく「糖化」、そして慢性的な炎症。これらが肌のコラーゲンを破壊し、筋肉を衰えさせ、見た目の老いを加速させる。

紫外線による「光老化」は、肌老化の原因の約8割を占めるとも言われている。さらに、成長ホルモンは30歳前後から減少し始め、筋肉・肌・骨の修復力が徐々に失われていく。老いは生物学的な必然だ。

そして、見落とされがちな老化の本幹がある。

血管だ。

「人の老化は血管から始まる」とも言われる。動脈硬化は30代から始まるとされ、血管が弾力を失い硬くなることで、全身への酸素と栄養の供給が滞る。肌のくすみ、疲労感、脳のパフォーマンス低下——その多くは血管の老化と直結している。血管年齢が若い人は、見た目も若く見えるという研究もある。
極論を言えば、心臓さえ元気で血管が若ければ、人は長く生きられる。逆に言えば、血管を老化させることが、あらゆる老いを加速させる。肌や筋肉のケアと同様に、血管を意識することがアンチエイジングの核心だ。有酸素運動、禁煙、アルコールを控えること、糖化を防ぐ食事——これらはすべて、血管を守るための行為でもある。


名古屋人と見栄とアンチエイジング

名古屋人は見栄っ張りで、お得なことが好きだと言われる。つまり、「合理的に見栄を張る文化」だ。無駄に高いものではなく、意味のある選択で自分をよく見せる。その気質が私にも確かにある。コスパよく若く見られたい。でも気づけば、その「見栄」が美意識を磨く原動力になっていた。名古屋という土壌が、私のアンチエイジング哲学をつくったのかもしれない。


老いに抗う実践

だからといって、何もしないわけにはいかない。

私が日常的に実践していることを、正直に書く。

食と身体(=酸化・糖化を抑える)
アルコールは日常的に摂取しない。アルコールはアセトアルデヒドの生成によってレム睡眠を妨げ、脳の修復プロセスを阻害する。翌朝の脳のパフォーマンスが落ちること、アトピー性皮膚炎の肌が痒くなることも理由だ。昼はサラダチキンとおにぎり2個と野菜ジュース。タンパク質を意識している。素焼きナッツで抗酸化。

睡眠(=成長ホルモンを最大化する)
7時間確保している。睡眠中、特に入眠後の深いノンレム睡眠の時間帯に成長ホルモンが最も多く分泌される。これが細胞の修復、肌の再生、筋肉の維持を担っている。睡眠は最もコストのかからないアンチエイジングだ。

肌のメンテナンス(=光老化を防ぐ)
皮膚科に通い、乾燥防止のローションを処方してもらっている。化粧水と乳液。日焼け止めは必須だ。ビタミンCと亜鉛のサプリメントも摂っている。ビタミンCはコラーゲン生成を助け、亜鉛は肌の修復に関わる。おじさんでも、アンチエイジングは大事だ。

歯のケア(=慢性炎症を抑える)
歯周病は慢性炎症の一種だ。全身の老化を加速させる。口腔ケアは見た目だけでなく、身体全体の老化速度に関わる。

運動(=脳と肌を同時に若く保つ)
マラソン、テニス、自転車、できるだけ歩く。運動習慣のある人はそうでない人に比べて脳の萎縮が緩やかとされている。立命館大学の研究では、筋力トレーニングが40〜50代において肌の弾力性と真皮の厚みを改善することも確認されている。運動は脳にも外見にも直接効く。

血管の健康を意識する
「人の老化は血管から始まる」という言葉がある。
動脈硬化は30代から始まるとも言われており、血管が老いれば脳も心臓も老いる。有酸素運動時に血管の内皮細胞から放出される一酸化窒素は、血管をしなやかに保ち、動脈硬化を防ぐ。マラソンも自転車もウォーキングも、実は血管の筋トレだ。


自転車とランニングには、もうひとつの効用がある。車ほど速くないから、まちを体感できる。風景が目に入り、匂いがあり、人がいる。身体を整えることは、まちをどう歩くかを決めることでもある。タウンアーキテクトとして、身体を動かしながらまちを読む——これが私にとっての理想的な移動だ。


老いを「編集」する技術

老いを編集するとは、時間によって変化する身体を、意図的にデザインし直すことだ。

抗うだけでは疲弊する。老いを受け入れながら、見た目を設計する発想が必要だ。

視線をコントロールする
大きめの黒縁メガネを使っている。他人の視線をそこに集中させ、顔の老化を目立たなくする。これはデザインの発想だ。弱点を隠すのではなく、強みに視線を誘導する。

服装をキャラクターにする
トレンドに左右されないモノトーン中心。体に合ったサイズ。服装のテイストを固定することで、キャラクターを作る。清潔感は絶対条件。匂いにも気を使う——パフュームは、第一印象の重要な要素だ。

髪型で毛量を編集する
毛量が減った事実は変えられない。しかし、それを活かしたスタイルを選ぶことはできる。遠目に見て「キレイな雰囲気」を演出することを目標にしている。


まだやっていないこと

正直に書く。取り組めていないが、やった方が良いと思っていることがある。

睡眠の「深さ」改善:7時間は確保しているが、就寝前のスマートフォンをやめること、寝室を完全に遮光することはできていない。深いノンレム睡眠の質を上げる余地がある。

HIIT(高強度インターバルトレーニング):マラソンやテニスはやっているが、短時間で細胞レベルの老化抑制効果が確認されているHIITはまだ取り入れていない。

腸活・発酵食品:腸内環境は肌・脳・免疫すべてに影響する。ヨーグルトや味噌などの発酵食品を意識的に摂ることができていない。

NMNサプリメント:細胞の修復や長寿遺伝子の活性化に関わるとして注目されているサプリだ。価格は高いが、検討している。

やっていないことを書くのは、完璧な人間ではないからだ。老いとの戦いは、常に進行中だ。


受け入れることの哲学

老いに完全に抗うことは、科学的に不可能だ。

筋線維一本の発揮する力は、どれだけトレーニングを続けても加齢による低下を止められないという研究がある。生物学的な変化には限界がある。

だが、筋肉量は維持できる。肌の質は改善できる。見た目の設計は変えられる。

あの頃の自分には、もう戻れない。
でも今の私には、あの頃にはなかった別の豊かさがある。(はず)
それは積み重ねてきた時間だけが作るものだ。

老いは止められない。
でも、どう見えるかは自分で決められる。

老いは、編集できる。


あなたは、老いとどう向き合っていますか?

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