薬剤師の転職エージェント、結局どう選んで、どう使えばいいのか
「転職エージェントって、たくさんあって何が違うのか分からない」
薬局で働いていた頃、後輩からこんなふうに聞かれることがあった。
今日はそのあたりを、薬剤師の立場でできるだけフラットに整理してみたいと思う。
特定の会社をおすすめする話ではなく、仕組みと使い方の話だ。
■ そもそも、なぜ無料で使えるのか
転職エージェントは、利用する薬剤師側はお金を払わない。
ここを不思議に思う方は多いのではないでしょうか。
仕組みとしては、採用が決まったときに、雇う側の薬局や病院がエージェントに紹介料を払う形が一般的だと言われています。
紹介料の条件は、会社や求人の内容によって異なります。利用する側に費用がかかるかどうかなど、気になる点は登録前に各サービスの案内を確認しておくと安心です。
エージェントは、採用支援を通じて報酬を得る仕組みになっている。サービスの仕組みを頭の片隅に置きながら、自分に合う進め方を考えると安心だと思う。
■ 複数登録は、なぜすすめられるのか
よく「二、三社に登録するといい」と言われる。これにもちゃんと理由がある。
ひとつは、エージェントごとに持っている求人が違うこと。
同じ地域でも、A社にしか出ていない求人、B社が強い分野、というのが実際にある。
ひとつだけだと、その会社が見せてくれた景色がすべてになってしまう。
もうひとつは、担当者との相性だ。
これは実際に相談してみないと分からない部分もあります。
複数を比べることで、連絡方法や提案の進め方が自分に合うかを見比べやすくなります。
ただし、増やしすぎると今度は連絡のやり取りだけで疲れてしまう。
二、三社くらいから始めて、合わないと感じたら整理する。それくらいの気持ちでちょうどいいのではないかと思う。
■ 面談で確認しておきたいこと
エージェントとの最初の面談は、求人を紹介してもらう場であると同時に、こちらの希望や進め方を確認する場でもある。
聞いておくと後で楽になることを、いくつか挙げてみたい。
一つ目は、紹介してくれる求人の「理由」だ。
なぜ自分にこの求人なのか、を説明してもらえると、こちらの希望がちゃんと伝わっているかが分かる。
二つ目は、職場のリアルな情報をどこまで持っているか。
残業の実態、人間関係、離職の状況。
こういう数字に出にくい部分をどれだけ知っているかで、その担当者が持っている情報の深さがなんとなく見えてくる。
三つ目は、入職後のフォローがあるかどうか。
決めて終わり、ではなく、入った後に「思っていたのと違った」となったときに相談できるかは、地味だけれど大事なところだと思う。
■ 派遣と、正社員紹介の違い
エージェントが扱うものには、正社員などの紹介と、派遣の二つがある。
ここは混同されやすいので、簡単に整理しておきたい。
正社員紹介は、薬局や病院と直接雇用を結ぶ形だ。
腰を据えて働きたい、その職場でキャリアを積みたい、という人に向いている。
派遣は、派遣会社に雇われて、いろいろな薬局で働く形になる。
勤務地や時間など、条件の選択肢が異なることが特徴だと言われている。
一方で、雇用の安定性や、長く同じ職場で関係を築くという点では、正社員とは性質が違う。
どちらが良い悪いではなく、いまの自分が何を優先したいか次第だと思う。お金なのか、安定なのか、自由度なのか。
そこが定まっていないと、どんなに良いエージェントでも提案がぶれてしまう。
■ 自分のペースで進めるために
最後に、これが一番伝えたいことかもしれない。
エージェントは、希望を整理し求人を探す際の心強い相談先になる。
一方で、紹介の進め方や提案の受け取り方は自分で決めてよい。
大事なのは、こちらの希望を最初に伝え、自分のペースで判断することだ。
具体的には、自分の譲れない条件を先に紙に書き出しておく。
提案を受けたときは、「家族と相談します」「少し考えます」と一度持ち帰る。
複数社の話を聞いて、自分の中で相場観を作る。
このあたりを意識すると、自分に合う進め方を考えやすくなると思う。
転職は、するもしないも自分で選んでいい。
エージェントはその選択を助けてくれる存在であって、決めるのはいつも自分だ。
そこさえ忘れなければ、彼らはとても頼りになる相談先になってくれると思う。
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※本記事は薬剤師の個人的な見解です。転職や働き方に関する具体的なご相談は、信頼できる専門家やご自身でよく確認のうえご判断ください。各サービスの条件や利用方法は変更されることがあるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
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