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【セルフ・キャリアドック実践事例①】部長層の意識改革から生み出す「キャリア自律」の仕組み

シュウです。

8月7日、金曜日。

先週までセルフ・キャリアドックの全体像や導入ステップ、得られるメリットを紹介してきましたが、今日からは全5回にわたって、実際の導入事例をベースにした実践的なシリーズをお届けしていきたいと思います。

実際の導入事例をベースにした実践的なセルフ・キャリアドックシリーズの第1回目となる本日は、老舗かまぼこメーカーである株式会社鈴廣蒲鉾本店の取り組みをご紹介します。  

若手の離職を防ぎたいという人事担当者の熱い想いからスタートした同社の事例には、世代間ギャップを乗り越え、組織全体でキャリア自律を根付かせるためのヒントが詰まっています。  


1. 導入の背景:若手の離職を防ぎ、部長層の意識を変える

鈴廣蒲鉾本店がセルフ・キャリアドックの導入を検討した原点は、「業務に悩み、結果的に退職してしまった新入社員に、在職中もっと適切な支援ができなかったのか」という人事担当者の強い悔しい思いでした。  

その担当者は、自らキャリアコンサルタント資格を取得して学びを深める中で、「社員が定期的にキャリアの相談をでき、目標を持って働ける環境こそが人材の定着につながる」と確信し、経営層の同意を得て導入に向けた歩みを始めました。  

しかし、ここで一つの大きなハードルに直面します。

それは、かつて「会社がキャリアを決める」時代を過ごしてきた部長層(管理職)に、「なぜ今、社員のキャリア自律支援が必要なのか」をいかに理解してもらうかという課題でした。  

この様な課題は、どんな組織にも存在する話だと思います。

これまで、この様なキャリアをサポートする仕組みがなかった中で、厳しい環境の中で自らコミュニケーションを取りながら、苦労して会社を支えてきたメンバーからすると、その時間をもっと営業や、社内での通常業務に時間を使った方が良いと思うかも知れません。


2. 「部長キャリアアドバイザー制度」の誕生

同社は、神奈川キャリア形成・リスキリング支援センターの支援を受け、まずは部長20名を対象とした事前ガイダンスセミナーとキャリアコンサルティングを実施したと書かれていました。

最初こそ「今さらキャリアを学んで何になるのか」と戸惑っていた部長たちでしたが、グループワークを通じて自身の経歴や価値観を語り合ううちに、大きな気づきを得ていきます。

さらに、専門家の助言から「会社に貢献したい部長世代」と「ワークライフバランスを重視する若い世代」の価値観のギャップに気づき、世代間コミュニケーションの必要性を深く認識するに至りました。  

そこで生まれたのが、「部長キャリアアドバイザー制度」です。

特に求心力のある3人の部長が、傾聴スキルやキャリア理論を学び、新入社員と年2回の1対1面談を実施する仕組みを創設しました。

学生時代の話題など話しやすいテーマから入ることで信頼関係を築き、新入社員が「自分のキャリアについて主体的に考える」ための強力な伴走者となったのです。  

おそらく、この部長の年代の方々からすると、かなり思い切った面談が行われたと感じたのではないかと想像できます。

しかし、今回の事例で生まれたものは何だったのでしょうか?


3. 面談が生み出した現場のポジティブな変化

実際にこの取り組みは、若手社員と組織の双方に素晴らしい変化をもたらした様です。

若手社員の変化

「自分の過去を振り返って考えを整理できた」「自分でキャリアについて考える時間を作ろうと思った」といった声が上がり、自分の話を肯定的に聞いてもらえた安心感から、日々の業務の悩みや疑問を自ら部長に相談する姿が見られるようになりました。  

「キャリアは自分で描く」文化への手応え

令和7年度からは「キャリア自律制度」として本格導入をスタートし、新入社員から若手、50歳社員のライフプランに至るまで階層別の支援へと広げています。

アドバイザーを務めた部長たちがロールモデルとなり、「自分も部下のキャリア支援を行いたい」という管理職を増やしていく、そんなポジティブな連鎖が生まれつつあります。  

この様な空気感で、社員が前を向いて仕事が出来ると考えると、このセルフ・キャリアドックを取り入れるメリットは少なくないでしょうね。


個人の成長と組織活性化の両立へ

商社の営業部で組織の仕組みに向き合い、同時にキャリア支援の現場を経験してきた僕自身、この鈴廣蒲鉾本店の事例は、今後の自分の活動にとって、非常に参考になり、また勇気をくれるものとなりました。

制度を形骸化させず、経営層や管理職の意識改革(内省)からスタートし、世代を越えた対話の仕組みへと昇華させる。

このアプローチこそが、社員の強みを引き出し、組織と個人の成長を両立させる本質なのだと教えてくれます。  

次回は、また別の実践的な導入事例から、キャリアドックの多様な可能性を紐解いていきたいと思います。

今回の「株式会社鈴廣蒲鉾本店」の事例を詳しく知りたい方は、以下のページを参考にしてみてください。

今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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