大発見!「感動を与えるコンテンツ」には5つの条件があった!
※このnoteは、スカパー!主催のnoteコンテストで「編集部イチオシ賞」を受賞しました!
台所からリビングに戻ってきた妻の手が、リモコンに伸びる。
私はその瞬間、すかさず
「チャンネル変えないで」
と真剣な顔で言った。
妻と一緒に暮らすようになってから数年。
テレビのチャンネル権を譲らなかったのは、その日が初めてだった。
なぜならその日——2024年11月23日は、26年ぶりの感動に立ち会うことができる歴史的な1日だったからだ——。
今回のnoteのテーマはズバリ「感動」だ。
具体的には、
「感動を与えるコンテンツを作るにはどうすればいいのか?」
について考えていきたい。
・ビリビリと鳥肌が立つほど痺れた、あの瞬間。
・思わず目が見開き、心臓がバクバク高鳴った、あの興奮。
・胸の奥から込み上げ、頬を伝う涙が止まらないほどの、あの感動。
コンテンツを作る側として、何をどうすれば、そのような体験を与えることができるのか。
今回はそれをスポーツが呼び起こす感動をヒントにしながら、考えていきたい。
これからの時代「感動体験」の価値が上がる
というのも、
実は近頃このテーマについて私は非常に興味を持ち、自分なりに研究したり分析したりしている。
その理由としては、いちコンテンツを生み出す側の人間として、AIに脅威を感じているからだ。
文章、画像、映像、音楽など、生成AIが生み出すもののクオリティは日を追うごとに上がっている。役立つものはもちろん、面白いものだってたくさんある。
一方、
生成AIだけで感動を与えるレベルのコンテンツを生み出すのは、未だなかなか難しいと感じている。
だからこそ、クリエイティブなものに関わる人間として「感動を与える」というコンテンツ設計をできるかどうかが、これから特に重要になるのではないかと考えたのだ。
そして結論から伝えると——つまり「感動を与えるコンテンツを作るにはどうすればいいのか」を先に提示すると、
コンテンツを生み出す側の本気を自分ごととして受け取ってもらい、最高のタイミングで困難を乗り越える瞬間に立ち会ってもらう
もしそんなコンテンツ設計ができれば、感動を与えられるという結論に今のところ至っている。
「んー、なんだか難しいなぁ。」
正直、そう感じた人は多いだろう。
だから今回のnoteで、スポーツという身近な例を元に解説していきたいと考え、筆を取った。
26年ぶりの感動に立ち会ったあの日
冒頭のエピソード——妻にテレビのチャンネル権を譲らなかった——が起こったのは、2024年11月3日のこと。
その日は、プロ野球で年間日本一のチームを決める日本シリーズ(横浜DeNAベイスターズ対福岡ソフトバンクホークス)第6戦だった。
この日にベイスターズはホークスを11-2で破り、26年ぶりの日本一に輝くことになる。
実は——私は子どもの頃から、根っからのベイスターズファンである。

とはいっても、横浜生まれでもなんでもない。1994年、岩手県盛岡市生まれだ。
だから子どもの頃に、テレビでプロ野球を観ることができるのは巨人戦のナイター中継だけ……のはずだった。
それなのに、ベイスターズファンになれたのには理由がある。
大学を選ぶ基準にもなった、”プロ野球沼”
それは父が熱狂的な阪神タイガースファンであり、阪神の試合を見るために、実家で「スカイパーフェクTV!(現スカパー!)」を契約していたからだ。
そのおかげでセ・リーグの試合を全て観れる環境にあり、90年代後半マシンガン打線と恐れられていた、横浜ベイスターズに惹かれていった。(青の縦縞のユニフォームがカッコよかった。)
私はそこから野球をすること自体にも興味を持つようになる。
小さい頃から家の周りでじいちゃんとキャッチボールをしたり、小学生になると地域のスポーツ少年団に入り、中・高でも野球部に入るほどだった。
もちろんその間もベイスターズをずっと応援し続け、見れる試合は全部見ていたし、大学受験生の時は「休日は横浜スタジアムに行ける距離かどうか」が、大学選びの1つの基準になっていたほどだ。
一方、ベイスターズはその頃、暗黒期真っ只中である。
チーム成績はずっと低迷し、晩年Bクラス(ほとんど最下位)だ。
【この頃のベイスターズの順位】
2006年→6位(牛島監督)
2007年→4位(牛島監督)
2008年→6位(大矢監督)
2009年→6位(大矢監督)
2010年→6位(大矢監督)
2011年→6位(尾花監督)
2012年→6位(尾花監督)
正直、試合前に「今日は勝てるかも」と思えるのは、現監督の三浦大輔投手が先発する日くらい。
シーズン中盤以降は悲しいかな、勝利そっちのけで、当時の主力打者だった村田選手や内川選手などの個人成績を楽しみに試合を見る日々だった。(しかもそれらの主力選手はFAで移籍し、他球団に行ってしまうことが続いた……)
当然、勝てなければ人気も低迷していく。
ついには「球団売却」の報道が出る事態にもなり、横浜から撤退するかもしれない、球団名が変わってしまうかもしれないなど、ファンとしては苦しい日々が続いた……。
そんなベイスターズが、26年ぶりに日本一に輝くチャンスが来たのだ。
思っていたことは
「この日のことは、絶対に目に焼き付けるんだ」
ということだった。
だから普段はテレビのチャンネル権を妻に100%委ねているが、その日だけはチャンネルを変えることを許さなかったのだ。
そして、
11対2で迎えた、9回の裏、ツーアウト。
ピッチャーは森原投手、バッターは柳田選手。
ツーストライクに追い込み、森原投手が投じたフォークボール。
柳田選手のバットは空を切り、キャッチャーミットに吸い込まれた。
———ゲームセット。
三浦監督が、ベンチで手を叩きながら天を仰ぎ、嬉し涙の表情を浮かべる。
ベンチからは選手が次々と飛び出し、マウンドに駆け寄っていく。選手同士は抱き合って喜び、歓喜の輪を作った。
その輪の中に三浦監督が遅れて合流し、5回、宙を舞った——。
はあああ……よかった。
ジーンときた……泣けた……。
26年ぶりともなると、見てる側の手も震えるんだね……。
「この感動をありがとう」と心から思ったのだ。
そして私はいつも、このような感動するコンテンツに触れると考えてしまう。
「どうすれば、こんな風に人の心を揺さぶるコンテンツを作れるのか?」と。
冒頭で伝えた通り、近頃の私は「感動を与えるコンテンツをどうすれば作れるのか」を研究している。
「どういう仕組みで人は感動をするのか」ということを脳科学的な観点から調べたり……
実体験として、スポーツ、本や漫画、お笑いの賞レース、映像作品など、自分が好きなコンテンツに触れている中で感動した瞬間を振り返り「このコンテンツのどこに感動したのか」をメモに残し、言語化するという習慣をつけた。
その結果として、今のところわかってきたのが
「感動を与えるコンテンツには5つの条件がある」
ということだ。
つまり、
この5つの条件を満たせば満たすほど、感動を与えるコンテンツを作ることができるというわけだ。
ではその5つとは何なのか?
それは、
1.自分ごと化
→受け手側にとって「自分と関係しているコンテンツ」であるかどうか。
2.本気
→コンテンツを生み出す側の本気の熱量が、受け手側に伝わるかどうか。
3.困難
→困難に立ち向かう姿勢や要素があるかどうか。
4.達成
→困難を乗り越えて目標を達成できたかどうか。
5.タイミング
→ドラマチックなタイミングでそれが起きたかどうか。
である。
この5つを満たせば満たすほど、感動を与えるコンテンツになる。
先ほどの「ベイスターズ26年ぶり日本一達成」の場合を例に取ってみよう。
1.自分ごと化
→私からすると、ベイスターズファンであり、学生の頃から野球をやっていたから完全に「自分ごと化」しやすいコンテンツだ。一方で私の場合は「絵画を見て感動する」ということは正直あまりない。デザイナーの友人がゴッホのひまわりを見て「やべぇ」「すげぇ」と言っていても、ピンとこなかった。なぜならこれまでの人生で絵を本気で描いたことがないからであり、自分ごと化しにくいコンテンツだからだ。
2.本気
→どんなスポーツ選手も一生懸命、本気で取り組んでいる。スポーツはそういった意味で本気度が伝わりやすいコンテンツだ。
3.困難
→ベイスターズの場合は特に、長年成績が低迷していた中での26年ぶりの日本一。そして今回は3位からのスタートで、プレーオフシーズンを一番下から勝ち上がらなければならなかった。さらに日本シリーズも第1戦、第2戦で完敗するなど「やっぱり無理か」というところからの逆転優勝だった。
4.達成
→これはそのままだが、日本一達成。
5.タイミング
→本拠地である横浜スタジアムに帰ってきての達成。現役選手時代から長年ベイスターズを支えてきた三浦監督での達成。最後に日本一を達成した98年メンバーの多くが首脳陣(コーチ)になっての達成。そして筒香選手のアメリカからの帰還が重なるなど、ドラマティックな日本一だった。
……というように分析できる。
この「感動を与える5つの条件」を頭に入れておくと、コンテンツを設計するときにきっと役に立つ。
また、自分が人生で困難に見舞われたときに「感動を作るチャンス」と考えられるかもしれない。
文章コンテンツで感動を設計するには?
ちなみにこれは私にとって「感動を与えるコンテンツをどうすれば作れるのか」の最終結論ではない。
私自身も今後もっと多くの感動するコンテンツに触れて、ブラッシュアップしていきたいと思っている。
そして自分が作るコンテンツを通しても、実証や検証をしてみたい。
特に文字媒体だけのコンテンツでは、映像コンテンツに比べると情報量が少ないので、表現の努力、描写する工夫が必要であると感じている。
具体的には、文章だけで感動を与えるためには、より丁寧に熱を込めたところやそのエピソードを描写する必要がある。
どれだけ大変だったか、どれだけ時間がかかったか、何を何回やったのか。
その時はどんな思いだったのか、苦しさをどう乗り越えたのか。
何かサービスを紹介する場合などは、機能の素晴らしさだけではなく、それが出来上がるまでの背景を伝えきることが今後はさらに大切になりそうだ。
逆に、映像コンテンツは感動を呼び起こしやすいと考えている。それは映像の方がより情報量が多く、本気度などが伝わりやすいからだ。
これからもっとこの着眼点でさまざまなコンテンツに触れ、自分でも作り、さらなる感動の条件を言語化できるように努力していきたい。
そして最後に。
スカパー!が家族をギリギリで繋げてくれていた
あなたには「家族共通の趣味」があるだろうか?
今回のnoteを執筆しながら「家族共通の趣味って、案外大切なんだな」と感じたことがある。
私がベイスターズに興味を持つことになったスカパー!では、野球などのスポーツだけではなく、音楽や芸能などさまざまな映像コンテンツに触れることができる。
他にも、ミュージカルや演劇、アウトドアコンテンツなども幅広いが、私は子どもの頃に「実家のテレビで家族みんなで見れた」というのが大きかったと考える。
これがもし現代だったら……父はスマホで阪神戦を見ていたかもしれない。そうすると、子どもの頃の私が、野球に興味を持つことはなかっただろう。
今思えば「家族で趣味を共有できた」というのは大きかった。
特に私の場合はそうだ。
なぜなら、決して家族仲が良かったとは言えなかったから。
既に亡くなっている父とは、生前ほとんど話さなかった。
それでも野球の話はできた。いやそれが「唯一の話題」だったと言える。
スカパー!がある意味、子どもの頃から私と父の仲をなんとか取り持っていたと言ってもいいかもしれない。
それがなかったら、家族仲は崩壊していた可能性もあるし、私がベイスターズに出会うこともなかったし、そもそも野球すらやっていなかったはずで人生は全く違ったものになっていただろう。
なぜなら私の今の仕事や人脈は、野球に興味を持ったことがほとんどのきっかけになっているからだ。
これは書きながら気づいたが、人生における、さまざまなきっかけを与えてくれたんだな……。
そんなスカパー!とnoteがいまちょうどコラボしていると聞いて、私もとても嬉しい気持ちだ。
そして自分自身もスカパー!に負けず、感動を生むコンテンツを作ることができるように努力していきたい。
