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台湾・金門島をスマホなし無免許で爆走した夏【DAY1】

「台湾の金門島って知ってる?」
多分、近代史オタクか台湾好き以外、地図でパッと場所を指せる人はいないだろう。

はじめに

正式には「中華民国福建省金門県」。
え、台湾なのに福建省? と思うかもしれない。

今、「台湾」という島を統治しているのは、国共内戦で共産党に中国大陸を追われた、中華民国
金門島とは、その台湾を統治している中華民国が、戦前から保有し続けてきた島だ。日中戦争下で一時的に日本軍が占領したものの、台湾本島のような長期統治はされていない。
今も、いわゆる「台湾人」意識とは少し違う「中華民国人」意識が色濃く残っている地域。ややこしいので、この記事では「台湾の金門島」と呼ぶ。

まずは地図を見てほしい。

左は中国大陸

赤丸の場所が金門島。中国の厦門(アモイ)からわずか2km。東京都で言うと「町田市」のように、地理的には完全に大陸側なのに、今も台湾側が支配を続けている島だ。

島には国共内戦時代のトーチカや戦車がごろごろ残りつつ、のどかな田園と港町の景色が広がっている。
この島を、真夏にヒーヒー泣きそうになりながら無免許原付で爆走した、私の初・台湾旅の記録である。

1日目:二度ある災難は三度ある!

夜市

2018年8月11日、台北・松山空港。
旅はもうこの時点で雲行きが怪しかった。

金門島へは、台北の松山空港から飛行機でアクセスできる。当時私はゼミ合宿の一環として台北に来ており、合宿終わりにそのまま1人で台湾観光を続けることにしたのだ。

このとき台北から金門へのフライト時刻を2時間も勘違いしていて、「飛行機に間に合わない!」と血相を変えたのだが、実は2時間早く勘違いしていただけだった。結果オーライだけど、旅で一度トラブルが起こると、この後思わぬ連鎖をするのが常だ。

そして、スマホ紛失

予約したゲストハウス

1時間ほどのフライトで金門空港に到着後、タクシーで、宿のある水頭集落へ向かう。
伝統家屋をリノベしたゲストハウスが並ぶ美しい集落だ。

ここで事件。
車を降りてスマホを取り出そうとしたら、スマホがない。
もしかして、タクシーに忘れた……?

血の気が引いたまま、去りゆくタクシーを追うが、50メートル走10秒の脚力では当然追いつかない。普段の運動不足を恨んだ。

諦めの早さだけは一流だ。
タクシーのナンバーを必死に覚え、まずは宿に行こう、と気持ちを切り替える。

宿周辺

だが、宿に着くとドアが閉まっている。ノックしても誰も出てこない。
電話をかけようにも、スマホはタクシーの中。
あ、完全に詰んだ。



頭が真っ白になりながら周囲を見渡すと、近くに一軒の食堂があった。迷わず飛び込み、店員さんに下手くそな中国語で叫ぶ。
「隣の宿の人知らない!? ドア開かない!! 助けて!!」
大汗をかきながら飛び込んできた、下手くそ中国語の謎のアジア人に、店員さんも驚いたことだろう。店員さんは引きながらも宿主に電話をかけてくれた。台湾の人の優しさに救われて、無事チェックイン。

どうやら受付は別の母屋にあったらしい。
「予約サイトに書いといてくれよ……」と心の中で叫びながら、無事部屋へ。


宿のリビングは野外にある。

宿は古民家を改装した温かみのある素敵な場所だった。

多分お盆の行事?
疲れたのでビール。

たしかに暑いけど、蒸し暑い東京とは違った、心地よい夜風。盆の儀式をしている民家から香る、焚き火の匂い。
だけど私の心ここにあらず。
スマホ、帰ってくるかな……?

何より怖いのが、「旅先で落とし物をしてそれが警察に届けられ、返還されると台湾ではニュースになる」という話。(「日本人観光客、スマホ落とす」みたいな見出しで顔写真付きで報じられるらしい。怖すぎる。)

飛行機、スマホ、宿。長い1日だった。トラブルトラブル言っているが、その3分の2は自分の不注意が原因だけれど……。
宿主にお願いして、タクシー会社にスマホの落とし物がないかの連絡をしてもらい、祈るような気持ちで朝を迎えた。

宿の無料朝ごはん、美味しい。

↓次回、
戦車と砲台だらけの島で無免許原付で爆走!【DAY2】につづく__。

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タカイワ マサ | ライター・イラストレーター 面白いと思ったら応援のほどよろしくおねがいいたします! いただいたチップは執筆活動に使わせていただきます。