【前編】船で大阪から上海まで行ってみたら、絶景とその代償がすごかった
以下は、2019年に公開したブログを加筆修正したものである。鑑真号の再開を記念して、再投稿する。
はじめに
飛行機が嫌いだ。
軽度の高所恐怖症なのもあるし、あんな大きいものに乗って空を飛ぶということに理屈ではなく漠然とした不安がある。
でも、留学するためには中国へ行かなければならない。 大学四年生の夏、休学して武漢大学への留学を予定していた私は、思案していた。
そんな時選択肢として上がったのが大阪上海間の日中国際フェリー「新鑑真号」。
二泊三日朝食付きで片道学生18000円!(当時)
飛行機と同じくらいの値段だし、荷物制限も飛行機よりゆるい。上海に到着したら、数日観光してから新幹線で武漢に向かえる。
船でゆったり瀬戸内海を眺めながら留学先へ向かう。なんだかすごくロマンチック!
さっそく、中高時代の友人A氏にラインした。
「上海まで船で三日かけて行かん?」
「いいよ」
以上にフッ軽なA氏は二つ返事で了承した。A氏はこの前年にも初海外旅行で私に中露国境に連れてかれた人物である。
(そのときの記事はこちら→中露国境、凍てつくアムール川を、眺めて)
2018年8月28日、わざわざ東京から新幹線で大阪まで向かい、大阪港から旅立った。飛行機で上海に行くより手間も費用もかかっている気がしたが、ロマンには代え難く、期待に胸が膨らんだ。
その先に想像以上の絶景とその代償が待ち受けているとも知らずに……。

乗船、出航…


乗船開始は9時から。気合を入れて8時には到着したらロビーには誰もいなかった。
実はこの前日、大阪に単身赴任していた父親と飲んでおり、グロッキー状態。ロビーのトイレで、船に乗る前から何故か戻していた。
乗船時刻になっても人はまばらでせいぜい30人くらい?
出国手続きはパスポートチェックと体温検査、荷物チェック。ものの10分で終わってなんだか本当に出国するのか、緊張感がない。でも、赤外線体温計か何かを使って2秒くらいで終わった体温検査だけは、渡航したなかでも初めてのことであり、特別感があった。


私が予約したのは二等室の和室だ。大部屋に各自の布団を敷いて寝る雑魚寝部屋。
同じ値段なら二等室洋室のほうが個人のベッドもあるしカーテンもあるし、快適じゃないかと思うかもしれない。しかし、乗客数が少ないのならば広々とスペースを使用できる和室の方が便利とみた。

結果、同部屋の乗客は一緒に同行した友人と、中国人女子大生1人だけ。かなり自由に荷物を広げられて良い選択だった。
同じ部屋の中国人女子は、1年間の日本語留学から帰国するために、わざわざ秋田の大学から大阪まで新幹線で来たらしい。素敵な帰国の仕方だ。








船内は綺麗。トイレはゴミ箱にトイレットペーパーを入れる中国式。ビールは酒税がかからないからかなり安い。たくさん飲もう。
1日目 しんみりする関門海峡


食事は朝は無料で、昼夜は食堂で好きなものを注文する。日本語ができる人はいるから言語の心配はないはず。大抵500円前後で、船内にしては良心的かも。

お昼を食べてゴロゴロしたら、甲板に出てみた。


だんだん日が暮れて来た。
瀬戸内海の島々を眺めながら夕日を迎えられるって贅沢すぎる。
ちょうど瀬戸大橋を通りがかったころに、船は夕陽を迎える。



き、きれい…。
18:30頃、日没を迎えた。今まで見た夕日の中で一番美しかった。これ以降は周りの明かりも乏しいため外は真っ暗だ。しかし漁港を通過するたびにぽつぽつ電気が見えてなんだか安心する。

23:40頃、福岡が見えて来た。関門海峡だ。写真を撮るのが下手すぎて伝わらないが、イルミネーションみたいでほっとする。新鑑真号に乗るなら夕日とともにぜひ見てみてほしいスポット。
関門海峡を過ぎて以降は、瀬戸内海からいよいよ東シナ海へ出ることになる。明日起きたらきっともう日本は見えなくなっているだろう。日本の通信会社の電波ももうそろそろ入らなくなる。少し寂しい。疲れたからシャワーも浴びずに寝た。
後編に続く
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