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水面心理相談室#9「連絡がこないだけで不安になってしまう恋の心理」|HSP|心理学|ショートショート

「連絡がこないだけで不安になってしまう恋の心理」


読むラジオのように届けたい「水面心理相談室」の空気を、音にもしてみました。
よかったら、記事とあわせて聴いてみてください。


この番組は、読むラジオをテーマに、
皆様からお寄せいただいたお便りの中から
ひとつの心の悩みを取り上げ、
朝倉と相馬が心理学の視点を交えながら
静かに言葉を交わしていく相談室です。



朝倉
「それでは、本日のお便りです。」

“好きな人から連絡がこないだけで、
すごく不安になってしまいます。


少し返信が遅いだけなのに、
何か気に障ることを言ったかなとか、
もう気持ちが冷めたのかなとか、
悪い方へ考えてしまって苦しくなります。

相手にも生活があると分かっているのに、
待っている時間がつらいです。

ただ連絡がこないだけで、
こんなに心が乱れるのは
どうしてなのでしょうか。”

朝倉
「連絡がこない。ただ、それだけのことなのに。」

相馬
「うん。恋をしていると、その“ただそれだけ”が、すごく大きく感じることがあるよね。」

🧠 問題は“連絡の有無”ではなく、“沈黙の意味”を考えてしまうこと


相馬
「まず、ひとつ大事なのは。」

連絡がこないこと自体が
苦しいというより、
その沈黙に意味をつけてしまうことが
苦しさを大きくしているんだ。


朝倉
「意味、ですか。」

相馬
「うん。」

忙しいだけかもしれない。
たまたま気づいていないだけかもしれない。
返そうと思っていて遅れているだけかもしれない。

本当は、いろんな可能性がある。

でも恋をしていると、
人は空白をそのままにしておけない。

返事がない数時間に、
“嫌われたのかもしれない”
“面倒になったのかもしれない”
“もう自分だけ温度が高いのかもしれない”

そんな想像を、
心の中でどんどん膨らませてしまう。

⚖️ 待っているのは返信ではなく、“安心”なのかもしれない


朝倉
「連絡を求めているようで、実際は別のものを求めている。」

相馬
「そう。たぶん、多くの場合そうなんだ。」

本当に欲しいのは、
メッセージそのものじゃない。

“ちゃんと好きでいてくれている”
“関係は変わっていない”
“自分は大切にされている”


そう感じられる安心なんだと思う。

だから、通知が来ない時間が長くなるほど、
ただの沈黙ではなく、
安心が途切れてしまったように感じてしまう。

連絡を待っているつもりで、
本当は心の居場所を探している。
そんなこともあるんだ。

🌊 不安は、相手の問題だけではなく、自分の過去にも触れている


朝倉
「相手が遅いから不安になる、という単純な話ではないのですね。」

相馬
「うん。不安って、今この瞬間だけでできているわけじゃないから。」

たとえば、
過去に急に距離を置かれたことがある人。
気持ちが冷めていく相手を経験したことがある人。
大切にされている実感を持ちにくかった人。

そういう人は、
“返事が遅い”という小さな出来事に、
昔の痛みまで重ねてしまいやすい。

頭では
“考えすぎかもしれない”と分かっていても、
心のほうが先に反応してしまう。

だから、
不安になる自分を
責めすぎなくていいんだよ。


それはわがままというより、
心が過去の傷に似た気配を感じ取って
身構えているのかもしれないから。

💬 恋をすると、人は“見えない時間”に弱くなる


相馬
「恋愛ってね。」

会っている時間より、
会っていない時間のほうがずっと長い。

朝倉
「たしかに。」

相馬
「だからこそ、人は“見えない時間”に不安を感じやすいんだ。

今、何をしているんだろう。
誰といるんだろう。
自分のことを考えてくれているんだろうか。

見えないものは、
確認できない。
確認できないものは、
想像で埋めたくなる。

でも想像は、
心が弱っているときほど
悪い方へ傾きやすい。

連絡がない時間に苦しくなるのは、
愛が重いからじゃない。

見えない相手を、
見えないまま信じ続けることが
思っている以上に難しいからなんだ。

❤️ 不安をなくしたいのではなく、ひとりで抱えすぎないこと


朝倉
「では、この不安はなくさなければならないのでしょうか。」

相馬
「なくそうとしすぎなくていいと思う。」

不安になること自体は、
恋をしていれば自然なことでもあるから。

大切なのは、
その不安をそのまま暴走させないこと。

たとえば、
何度も追いLINEを送ってしまう。
わざと冷たい返事を返してしまう。
勝手に傷ついて、勝手に距離を取ってしまう。

そうなる前に、
“今、自分は不安なんだな”って
自分で気づいてあげることが大事なんだ。


不安があることと、
不安に振り回されることは、
同じようで少し違う。

🌱 連絡の頻度より、安心できる関係を話し合えるか


朝倉
「返信速度を揃えれば、解決するわけでもないのですね。」

相馬
「うん。もちろん相性はあるけどね。」

でも本当に大事なのは、
何時間で返ってくるかより、

“返事が遅いと少し不安になりやすいんだ”
“仕事中は返せないことが多いよ”
“でも気持ちが離れたわけじゃないよ”


そういうことを
少しずつ話せる関係かどうかなんだと思う。


恋愛は、
相手の心を読めることより、
読めないまま言葉を交わせることの方が
ずっと大切だったりする。

連絡がこないたびに揺れる心を、
責めなくていい。

それだけ、
ちゃんと大切に思っている証でもあるから。

ただ、
沈黙に傷つくたび
自分の価値まで疑わなくていいんだ。


返事の速さが、
愛情の深さをそのまま表しているとは限らない。

水面は、
風が吹けば揺れる。
でも、それは水が浅いからじゃない。

心もきっと同じだ。
誰かを大切に思っているときほど、
小さな沈黙に波立ってしまうことがある。

大事なのは、
波立たないことじゃない。
揺れたあとに、
その心をどう落ち着かせていくかなんだと思う。


恋は、
待つ時間の中で不安になることもある。
でもそのたびに、
相手の沈黙ではなく、
自分の心の声をやさしく聞けるようになれたなら、
きっと少しずつ、
愛し方は穏やかになっていく。


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