水面心理相談室#8「相手の気持ちを確かめたくて試してしまう恋の心理」|HSP|心理学|ショートショート
「相手の気持ちを確かめたくて試してしまう恋の心理」
水面心理相談室テーマソング「揺れるココロ」
朝倉
「それでは、本日のお便りです。」
“好きな人ができると、
相手の気持ちが気になって仕方ありません。
本当は素直に聞ければいいのに、
わざと返信を遅らせてみたり、
少し冷たくしてみたりして、
相手が追いかけてくれるかを
確かめたくなってしまいます。
でも、そんな自分が嫌です。
信じたいのに、試してしまうのは
なぜなのでしょうか。”
朝倉
「信じたいのに、試してしまう。」
相馬
「うん。これも、すごく人間らしい恋愛だね。」
🧠 問題は“愛の深さ”ではなく“不安の深さ”

相馬
「まず最初に言っておくね。」
相手の気持ちを確かめたくなること自体は、
そんなにおかしなことじゃない。
好きだからこそ、
失いたくない。
曖昧なままでいるのが怖い。
だから、安心できる証拠が欲しくなる。
朝倉
「では、試してしまうのは愛情表現ではないのですね。」
相馬
「うん。」
あれはどちらかというと、
愛情そのものというより、
不安への対処なんだ。
“本当に好きなら追いかけてくれるはず”
“ここで離れるなら、その程度だったんだ”
そうやって、
相手の気持ちを確かめるための
小さな実験を始めてしまう。
⚖️ 試す側は“確認”でも、試される側は“拒絶”に感じる

朝倉
「本人は、ただ安心したいだけです。」
相馬
「そうなんだよね。」
試す側の心の中には、
“傷つきたくない”
“ちゃんと好きでいてほしい”
という切実さがある。
でも、受け取る側には
そうは見えないことが多い。
急に冷たくされたり、
駆け引きのように距離を取られたりすると、
相手は
“嫌われたのかな”
“何かしたかな”
“もう関わらない方がいいのかな”
そう感じてしまう。
確認したかっただけなのに、
その行動が
関係を遠ざけるきっかけになってしまうこともあるんだ。
🌊 不安は、沈黙より先に行動になる
相馬
「人の不安ってね。」
言葉で“怖い”と言えないとき、
別の形で表に出てくることがある。
朝倉
「たとえば。」
相馬
「試す、拗ねる、引く、黙る。」
どれも根っこは似ている。
本当は
“ちゃんと好きでいてほしい”
“見捨てないでほしい”
そう言いたいだけなんだ。
でも、そのまま言うのは怖い。
だから人は、
少し遠回りな形で
愛情を確かめようとしてしまう。
❤️ 信じられないのではなく、“信じ切るのが怖い”
朝倉
「信じれば済む話ではないのですね。」
相馬
「うん。
信じたい気持ちは、たぶんもうある。」
ただ、
信じたあとに裏切られるのが怖いんだ。
期待して、
大丈夫だと思って、
それでも傷ついたら立ち直れない気がする。
だから、先に少し試しておきたくなる。
本気で預ける前に、
この人は安全かどうかを確かめたくなる。
でもね。
恋愛って、本当は
完全に安全だと分かってから始められるものじゃない。
少し怖いまま、
それでも相手を信じるしかない瞬間がある。
🌱 試すより、伝える方がずっと難しい

朝倉
「では、どうすれば。」
相馬
「ひとつだけ、覚えておくといい。」
試したくなったとき、
その奥にある本音はたぶん、
責めたい気持ちじゃない。
“安心したい”
“好きでいてほしい”
“ちゃんと大事にされていると感じたい”
その気持ちなんだ。
だったら本当は、
試すより、伝える方がいい。
もちろん、
それは簡単じゃない。
“寂しかった”
“少し不安だった”
そう口にするのは、
冷たくするよりずっと勇気がいるから。
でも、
関係を育てるのは駆け引きじゃない。
少しずつ本音を渡していくことなんだと思う。
本当の安心は、
相手を試して勝ち取るものじゃない。
水面は、
石を投げればすぐに波立つ。
でも、それで深さが分かるわけじゃない。
相手の心もきっと同じだ。
揺れるかどうかを確かめても、
そこにある本当の思いまでは見えない。
大切なのは、
波を起こすことじゃなく、
揺らさなくても信じられる時間を
少しずつ育てていくこと。
恋はきっと、
試すたびに遠くなる。
でも、
本音を渡したぶんだけ、
少しずつ近づいていけるものなんだと思う。
水面心理相談室テーマソング「揺れる心」

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