【秋葉原アンダーグラウンド】第3章 2話
レンは驚いていた。なんでリツさんがここに?もしかしてリツさんも何か知っているのか?もしかしたら、リツさんも何かの能力者なんじゃ?
戸惑いながらそんなことを考えていると、トガがリツに向かい話し始めた。
「ああ、こいつが例の男だ。レンと言う。」
レンは、はじめましてとリツに挨拶をするが、リツはレンを見つめ、そのままトガの方へ歩いていった。
「で?使えるのか?」
「これから確かめるところだ。」
リツは若干トガのことを睨みつけているようだったが、トガは気にせず続けた。
「そういうことだ、レン。お前がルリから授かった力を見せてもらう。」
そういうことだって、どういうこと?力を見せる?使えるのかって何?レンは話の流れについていけず、頭が痛くなってきた。そもそも、自分が何の能力を授かっているのかさえわかっていない。
トガは、あの日レンがカラスを吹き飛ばしたときと同じ鉄パイプ、ではなく、竹刀をレンに渡した。稽古場というだけあって、そういう物?は一通り揃っているのかもしれない。
トガに振ってみろと言われ振ってみたが、竹刀を素振りした音だけ響き、何も起こらない。念のためもう一度振ってみるが、やはり何も起こらない。
「どうした?あの日あいつを吹き飛ばした風圧は出ないのか?」
トガに怪訝そうな顔で見られているが、それ以上に怖い顔をしているのはリツだった。明らかにイライラしている。早く何か起こさないと、と焦りながら竹刀を振り続けるレンに、リツはついに口を開いた。
「おい、レンと言ったな?いつまで遊んでいるつもりだ?」
遊んでなんかいないと反論したかったが、リツの顔はそれを許さない形相だった。
50回は振っただろうか?素振りにも慣れてきて、いい音が出るようになった。しかし、この女性はそんなこと望んではいない。今までで一番の音が出たところで、リツに止められた。
「もういい。わかった。お前、力の使い方知らないんだな?」
知らないんだなって、誰も教えてくれていないじゃないか!あの日はたまたま「何か」出たと思っていたし。それにカラスやトガっさんだって、授かったって言ってたじゃないか?
そんな風に考えていると、急に体が重くなっていった。
「体で覚えるのが一番手っ取り早いからな。」
レンの体はみるみる重くなっていき、その場から動けないどころか、ついには片膝をついてしまった。
「リツさん、あんたオレに何をした・・・?」
「お前の周りの『重力』を操作した。今お前にかかっている重力は、自重の3倍だ。」
リツはレンに向け手をかざし、冷静に答えてみせた。
3倍の重力?約180kg?そんな重いもの持ったことない。というかリツは『重力』を操れるのか?さまざまな思いが錯綜していたが、体はピクリとも動かない。
「どうした?早く何とかしないと体が潰れてしまうぞ?」
リツがそう言った途端、さらに体が重くなるのを感じた。どうやらさらに重力を加えているようだ。レンは息をするのも必至だったが、なんとか立ち上がることができた。
「お?やればできるじゃないか?能力はまだ出せていないようだが、能力者は普通の人間に比べタフになるからな。」
そう言われた途端、レンは今後は頭から床に叩きつけられ、床に這いつくばる態勢となった。顔の横で床が軋む音が鳴っている。
「5倍だ。そろそろ内臓がやばいぞ?」
