見出し画像

【秋葉原アンダーグラウンド】 第7章 14話

「ぶちかませ、朱雀。」

「迎え撃て、白虎!」


四神同士の激しい衝突は、やはり大気をも震えさせる。衝撃により近くの建物や植木などは全て崩壊していく。勢いが止まない2神は尚も衝突を繰り返す。朱雀は幾度も蘇生し、白虎は四肢で応戦する。しかし数十秒も経てば勢いは止み、2神は相殺する形となり消失した。


「四神同士は互角ということか。」

「そのようだね。となると残すは剣術での勝負になるかな。」


先に仕掛けたのはシンだった。四神同士の衝突とは似て非なるが、それでも剣を交えるたびに衝撃が走る。シンの剣は重たかったが、ミロクの剣も負けてはいなかった。いや、どちらかと言うとミロクのほうが上手かもしれない。それだけ剣を磨いてきたのだろう。しかし、そこは元日本一位も違った。ミロクの太刀筋を見切っている。再びシンが仕掛ける側となった次の瞬間、ガランと音を立てて朱尺が真っ二つに切れた。ミロクは一度距離を取る。


「おかしいな。いくら朱尺と言えどこんなふうに切れることはないんだがな。」

「すまない、オレの能力を使わせてもらった。時間がないんだ。」

「何の能力かは知らんが、どうやらまだ時間を気にする余裕があるみたいだな。」


ミロクは折れた朱尺の刀身をなぞるような仕草を見せる。すると光を圧縮したような刀身が現れた。


「無量有月。オレは無から有を作り出すことができる。」


ミロクはそのままシンに攻撃を仕掛ける。その剣圧とスピードにシンは防戦一方だった。まったく隙がない。しかし、ものの数秒もあれば付け入る隙が見えるのがシンだった。ミロクが刀を振り下ろし切り上げようとしたところを狙い、再びシンの能力が炸裂する。しかし、朱尺の新たな刀身に白光の刃が入る寸前、ミロクは能力を解除した。シンの刃は空を切り、大勢が崩れる。そしてその勢いのままミロクは再び光の刀身を繰り出し、シンに一閃を浴びせた。


「まずいっ・・・」

「踏込みが甘かったな。本来なら今ので真っ二つだったものを。」


シンの傷には目も留めず、ミロクは再び刃の嵐を浴びせる。シンの傷は思ったより深く、その刃の嵐を半分も防ぐことができなかった。だがそれでもシンは隙を見つけ攻撃を仕掛ける。今度は剣で防がなければミロク自身に攻撃が当たる。刀身を消すなどもっての外だ。思った通りミロクは刀身を消さなかった。白光の刃が朱尺の刃に食い込む。朱尺ごとミロクを切るつもりだったが、朱尺の光の刀身はその厚さを変える。半分まで食い込んだところでミロクはシンを蹴り飛ばす。傷口を蹴られたということもあり、シンは苦痛の表情を浮かべ再び大勢を崩す。

 

「胴だ。」


剣道の胴がシンの脇腹を抉った。シンは意識を失いそうになるも耐え、なんとかその場に立っていた。ミロクは振り返り呟いた。


「その頑丈さ、さすがは地下No.1だけあるな。」

「はぁ、はぁ・・・褒めて、くれて、ありがとう・・・でも・・・結構キツイな・・・」

「さっさと負けを認めればいいものを。何が貴様を突き動かす?」

「オレが・・・はぁ・・・負けちまったら・・・一体誰がアンダーグラウンドを、守るんだよ・・・」

「もはや意地だな。引き継ぐ者だってとっくにいるだろうに。」

「そうだね・・・確かに、君の言う通りかも、しれないな・・・」


シンは脇腹を抑え、片方の腕だけで構えてみせた。だが、血を流し過ぎているせいか剣先が安定しない。シンの限界は近かった。


「これ以上動くと本当に死ぬぞ。昔のよしみでトドメまでは刺さずに済ませてもいいんだ。まぁ黙っていても失血死するだろうがな。」

「死にたく、ないなぁ・・・まだ、やらなくちゃいけないこと・・・いっぱいあるんだけどなぁ・・・レン・・・君一人に全て、背負わせるのはまだ、早いんだ・・・だから・・・」


シンは独り言のように呟いていた。意識が朦朧としている。


「だから・・・使わせてもらうよ・・・オレの、張摩を・・・」


白光が光出し、ついにその剣先が安定した。


いいなと思ったら応援しよう!