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【秋葉原アンダーグラウンド】 第7章 2話

「レン、お前は意外と飲み込みが早い。だが、剣道だけじゃお前の力は十分に発揮されない。だから、剣術というものをこれから教える。」

「意外とは余計な気もするんですけど。これでも剣道初段は持ってるし。てか剣道と剣術って何が違うのさ?」

「簡単に言えば技の有無だな。」


地上でのとある日の稽古。レンはトガから黄龍を授かり、ますます剣の腕を磨いていた。シュンが現れたこともあり、元々の負けず嫌いの気質が表れたのか、その腕前はあのトガから一本を取るまでに上達していた。


「技って、オレ風を集めて一気に放出したりはできるけど?」

「確かにそれも技ではある。それにお前は戦いながらその状況に応じて風を操ることもできている。だが決定打がない。いわゆる必殺技というやつだ。」

「おぉ、かっけぇ!・・・ん?必殺技ってどうやって考えるの?」

「それをこれから教えるんだ。いいか、初めからこれができるとは思ってない。言ってしまえば奥義のようなものだ。」

「奥義?それこそかっけぇじゃん!」


レンは興奮していた。最近じゃ実戦の稽古もやらせてくれるが、それだとトガから一本も取れずにくすぶっていた。奥義があればトガはもちろん、あのリツにだって通用するかもしれない。それに、大切な人だって守り抜くことができる。レンは黄龍を握り締め決意を固めていた。それじゃあ早速というレンの言葉を遮り、トガが問いかけてきた。


「レン、黄龍の意味を知っているか?」

「ん?考えたこともなかったな。」

「だろうな。まぁ普通のやつは知らないだろうな。それじゃ朱雀や青龍といった神獣の名は聞いたことがあるか?」

「それは知ってます!あと白虎と玄武がいますよね?」

「正解だ。東西南北に配置されたそれら神獣の中央、中心的存在が黄龍だ。」

「初めて知ったよ。それじゃオレは黄龍って技を教えてもらえるのか?」

「最後まで話を聞け。たしかに黄龍という技は存在する。しかし、誰一人としてその存在を見たことがない。言わば幻の技だ。だがなレン、朱雀などの四神は場合によっては取得することができる。」


そう言うとトガは炎を繰り出し火の鳥を顕現させた。メラメラと燃え盛る一方でどこか神々しい。まさに朱雀そのものだった。


「あっつ!トガっさんあちぃって!でもすごいね。いつものトガっさんの炎の熱量の何倍もある気がする。」

「オレの朱雀はここまでだ。形こそ朱雀ではあるが本来の力を発揮させられないでいる。」


ふーんとレンは頷いたが、後にこの意味を知ることになるとは当時は思ってもいなかった。トガは朱雀を解除すると、今度は正拳突きの構えをとった。トガの足元には青い龍が蠢いているのが見てわかった。


「トガっさん。それって一体・・・」

「見えるのか?それならお前にも才能があるのかもしれん。四神の中でオレは青龍だけはまともに扱うことができる。」


トガがそう言うと、足元で蠢いていた龍が道場の壁のほうへ移動していく。トガはその龍に向かい正拳突きを繰り出すと、その辺り一面の壁が破壊された。


「古武術でいう遠当てに近い。大地のエネルギー、すなわち地脈を感じ取り、それを拳で爆発させる。さらにオレは炎をこれに乗せることができる。その力も相待って炎の温度は上がり、青白くさえなる。」


口で言うのは簡単だが、地脈を感じ取るのにどれだけの鍛錬が必要なんだろうとレンは感じていた。


「白虎は最も難しい技だ。玄武に至っては完全顕現に段階があるからな。これはこれで難しい。これら全てを扱えたとき、黄龍は四神を台座として現れると聞く。まぁそれこそ本当に神話だろうがな。」

「そんな話を聞くとこの剣を扱う自信がなくなってくるんですけど・・・」

「黄龍を出せるかどうかはオレにもわからん。だがな、黄龍という剣は四神全ての技を扱いやすい。というのも、四神にはそれぞれ守護する刀がある。」


そういうとトガは道場の奥から一本の刀を持ってきた。すると徐に鞘から刀を抜き頭上に掲げてみせた。頭身は青く、その姿はまるで天に昇る青龍を思わせた。


「こいつの名は青天という。オレはこいつがあるお陰で青龍を扱いやすいという訳だ。ちなみにシンは白光という刀で白虎を扱うことができるらしい。」


らしいと言ったのは誰もその技を見たことがないからだった。まさか自分がくらうことになるとは夢にも思わなかった訳だが、白虎を扱えるとなるとやはりシンは強敵だ。もしかしたら他の技も繰り出すことができるのかもしれない。レンは不安で顔色が悪くなっていた。


「まぁそんな暗い顔をするな。お前には素質がある。まずは朱雀あたりからやってみるといい。先のオレの朱雀でイメージはできたろう。」

「だな!トガっさん、オレ急にやる気がみなぎってきた!早速相手をしてくれ!」


トガはやれやれといった顔で、レンの朱雀取得に向け付き合ってやった。


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