【秋葉原アンダーグラウンド】第3章 12話
退院日は快晴だった。3人はその足でカレー屋に行き、食べ終わると今度はマユのいる病院へと向かった。部屋の入口にはトガが立っていた。
「これから出発するんだってな。最後に彼女の顔を見ていけ。」
彼女と言われレンは赤くなったが、別にレンの彼女というわけではない。
「お前、何赤くなってんの?彼女って言われて調子にのったな?」
「ちげーって。マユは、命の恩人なんだよ。」
シュンに言われて慌てて答えたが、実際マユは命の恩人だった。マユがいてくれたから今自分はここに立っている。
「こっちのお姫様は能力者なのか?」
「わからない。あれからずっと目を覚ましていないんだ。ただ、巫女の光をオレより近くで浴びているからその可能性は十分ある。」
ふーんと特に興味を示すことなく、シュンはマユの眠っているICUから出て行った。
「レン、お前は強い。それにシュンもだ。しかし、リツにも言われていると思うが生きて帰ってこられる保証はどこにもない。」
「ありがとうトガっさん。その言葉だけで十分だよ。でももう腹は決めてるんだ。マユのために絶対に帰ってくる。」
「せめて骨くらいは拾ってやるよ。一応仲間だからな。」
このタイミングでそんなこと言うかとトガは思ったが、リツには何も言わずレンと握手を交わした。
病院を出て3人は秋葉原の駅へと向かった。
「ここに地下行きの入り口でもあんの?」
シュンはリツに尋ねたがリツは何も答えなかった。改札をくぐり駅のホーム、ではなくホーム下、エスカレーター横の関係者用のドアを開けた。ドアの向こうには下り階段が続いていた。地下5階ぐらいは降りただろうか、レンはリツとシュンの後ろを歩いていたが、2人とも何も言わず黙々と下っていた。
「ここからはエレベーターだ。」
扉が現れ、リツは立ち止まりそう言った。パスワードを入力すると、点灯するランプよりもさらに地下深くへと降りていっている感じがした。
「リツさん一応聞くけど地下何階まで行くの?」
「地下80階だ。」
80階!?レンは思わず超高層ビルを想像した。そんな深いところに人が住めるのか?いや、実際にリツたちはそこから来たのだから言うまでもない。もはや地上と完全に隔離された空間だ。エレベーターの扉が開くと、1本道となっていた。外灯はあるがどこか不気味さが漂う。100mほど歩いたところで、さらに扉が現れた。
「この扉を開けた先が地下世界だ。」
リツは解除パスワードを入力している。レンは緊張していた。一体どんな風景が待ち広がっているんだろうと。相変わらずシュンのほうは無表情だった。
「言い忘れていたが、この入口には『ケルベロス』がいる。いわゆる門番だ。私か相手をするからお前たちは黙っていろ。」
ケルベロスってあの首が3つある獣みたいなやつ?そんな猛獣が門番だって?通常行き来は許されていないから、何かあったときの保険ってやつか。
「よし、開けるぞ。」
リツは扉を解除し、ゆっくりと開けた。
しかし、3人の目の前の部屋には、無数のパソコンが並んでいただけだった。
